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「閲覧注意」「グロ」~「検索してはいけない言葉」を検索する子どもたち~(2/3)

子どものスマホやネット依存は常に親の心配の種です。
実は衝撃的な映像を見つづける行為も依存につながります。

前回、「閲覧注意」「グロ」~「検索してはいけない言葉」を検索する子どもたち~(1/2)では衝撃的な映像の影響についてお話しました。

衝撃的な映像を見てしまうのも依存してしまうのも、ドーパミンの分泌といった神経科学的な要因や、ストレス解消や同調圧力といった心理学的な要因などがあげられます。

影響を受けやすく、依存になりやすい子どもたちのために親はどうすれば良いのか?
使用を制限して、子どもを監視してコントロール?

大切なのは「ホワイト(セーフ)リスト」。ブラックリストの反対の言葉です。

勉強する部屋の環境を整えるとか、子どもにあった塾を選ぶとか、
親はそうやって日ごろから自分なりの「ホワイトリスト」を作り、子どものために最適な環境を整えようとします。

ネット利用に関しても同じようにホワイトリストを作って、年齢や利用状況に合わせてリストを上書きしていく。

子どもが反発したり、設定が面倒だったり。全てが思い通りにならないかも知れません。
でもネットも親が子どもに良いと思う選択、与える環境の一つであって、他の家庭や他の子と同じでなくて良い。
親子で話し合ってそれぞれの家庭にあったやり方をみつけて欲しいと思います。

今回は年齢や利用状況に合わせた対策をまとめてみました。


1.低年齢・インターネットに不慣れな子どもへのサポート

未就園児でもスマホの操作や検索、動画を見る方法はあっという間に覚えてしまいますよね。

「気づいたら長時間見続けていた💦」「変な動画を見てた💦」

難しい言葉や理屈も未だ理解出来ない小さい子どもは、突然制限すると大暴れしたり泣き叫んだり。
結局親が根負け・・・。というパターンはよく聞きます。

感情や時間のコントロールが難しい、精神的にも脳の発達も未熟な小さな子どもだからこそ、親のリードが必要。
基本中の基本ですが、「物理的な制限」と「親の見守り」の2つのサポートです。

物理的な制限~フィルタリングとペアレンタルコントロール~

親のスマホで子どもに動画を見せるという風景はよく見かけます。

過激な広告や、「トラウマになる子も!世界的ヒットのプリンスやアニメキャラで子どもをおびきよせる有害動画「エルサゲート」」でもご紹介したような衝撃的な動画を見せてしまう可能性もあります。

親のデバイスで動画を見せる時は安全なものだけ見せるように工夫します。
・YouTube kidsなどの子ども専用のアプリやサービスを利用する
・iPhoneのアクセスガイドやAndroidの画面の固定を利用する

動画が見られるサービスやアプリでは、フィルタリングを含めたペアレンタルコントロールが可能です。
細かい設定が面倒という場合は、まずは子ども用のサービスを利用しましょう。

子どもに安心して利用させられる動画サービスやアプリの例

全てを制限したり細かく設定したりは大変ですが、基本は年齢にあったサービスを。

その他、デバイスはリビングなどの共有スペースで使用する、履歴をチェックするなども有効です。

親の見守り

  • 子どもと話してみる
    「怖い絵本が好き」という子でも、映像で見ると思った以上に怖がるという事があります。
    怖いものが心にどのように影響を与えるかを話して、もし怖くて不安になったら相談してねと伝えておきましょう。
    「皆見ているから」ではなくて、話し合いの中からその子にあった設定やアプリを考えていく事も出来ます。

  • ポジティブなネット利用を促す
    より刺激的な方へと惹かれてしまうのは仕方がない事です。
    その子の興味にあったコンテンツで楽しい経験を積み上げ、ネットとの前向きな付き合い方を子どもに身につけさせましょう。

    ・お絵かきアプリで絵を描く
    ・大好きな生き物を図鑑アプリで調べる
    ・作曲アプリで曲を作ってみる

  • 一緒に見る・遊ぶ
    忙しい時は、横に座って洗濯物を畳んだり仕事をしたりしながら「これ何?」「おもしろそうだね」などと時々声をかけるだけでもOK。

    その日の予定や出来る範囲で良いので、時間や回数を決めて動画を見たり遊んだりする事で、ネットの使い方、向き合い方も学べます。

    ・ゲームをする 3回戦
    ・一番知りたいものを検索する 10分
    ・好きな曲の動画を見て一緒にうたう 1曲

    安全な映像かどうか、依存を防ぐためにも、子どもが(「一人」ではなく)「独り」でネットを利用しないように努めましょう。

2.使い慣れている10代へのサポート

「子どもの方がスマホを使いこなせるから、親の言う事を聞かない」
「子どもが制限を外してと言ってきたから言われた通りにした」

中高生の保護者の方からは良くこんな声を聞きます。
ただでさえ難しい年頃で、まともな会話も出来ない事も多く、訳も分からずついつい子どもの言う通りにしてしまう、というご家庭は多いようです。

お恥ずかしながらIT講師をしている私でも知らない情報や裏技を知っている子が居て「え~?先生知らないのぉ?」なんて言われる事も。

ネットの話をする時、私は自動車運転の話をします。
安全運転は知識や運転スキルだけでは出来るものではありません。
状況判断、常識やマナー、自己制御、あらゆる経験やスキルが必要です。

子どもたちは自分たちの方がネットやスマホを使いこなしていると思っているので、大人の言う事に耳を貸さない傾向があります。
けれど、大人には言えない(言わない)ネット特にSNSに関する悩みや不安を抱えている子どもは多くいます。

上から押さえつけたり、無理やり締め付けると反発はしますが、その悩みや不安を解決するためにも、社会経験豊富な大人と一緒に考えていく事が大切なんだと伝えるようにしています。

次回は10代の子どもたちへの対策です。


お読みくださりありがとうございます。
「子どものために親もICTリテラシーを学ぼう」というテーマで、これからも情報を発信していきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

※この記事は2024/03/06「おやこで楽しくICT」で掲載した記事を加筆・修正したものです。


【参考URL】
政府広報オンライン「ネットの危険からこどもを守るために保護者が知っておきたいこと」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/3.html

iPhoneユーザーガイド「アクセスガイドでiPhoneを1つのアプリにロックする」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph7fad0d10/ios

Androidヘルプ「画面の固定と固定解除」
https://support.google.com/android/answer/9455138?hl=ja

YouTube kids
https://www.youtubekids.com/



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