![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164383554/rectangle_large_type_2_4bda4164d3b15c677f11bc276b9be7d2.png?width=1200)
「閲覧注意」「グロ」~「検索してはいけない言葉」を検索する子どもたち~(3/3)
「親の言う事を聞かない」「利用を制限しようとしたら怒られた」
そんな10代に、どう伝えてどう受け入れてもらえるか?
今年11月、オーストラリア議会が16歳未満がSNSを利用することを禁止する法案を可決しました。
フランスやアメリカの一部の州では既にSNS使用の制限に関する法律が制定されていて、ノルウェーでも子どものSNS利用禁止に関しての議論が進んでいると言います。
日本が今後どのようになるかは未だわかりません。
ただ今こそ、SNSを含めたネット利用についてお子さんと「何が必要か」「どうすれば良いのか」を話し合う良い機会ではないでしょうか。
自ら衝撃的な映像を検索したり、見続けてしまう子どもたちについて、前々回は状況や影響、前回は幼い子供やネットに慣れていない子どもへの対策を考えてみました。
今回はネットを使い慣れている子ども、10代後半の子どもへの対策です。
「物理的な対策」と「精神的なフォロー」の2つにまとめました。
1.物理的な対策
必要なサービスの選択
「自立のための自律をサポートする」事を子ども向けネットリテラシーの講座では大切にしています。
講座では次の2つを良く話します。
1つ目は「ネット上のサービスやアプリ、特にSNSやゲームは、夢中になる、やめられなくなる、もっと見たいと思うように作られている」という事。
だから個人の意思、特に子どものあなたたちの意思だけではどうにもならない場合もあるのだと言う事。
2つ目は「私たちはあくまでもサービスを利用する側。自ら選んでそのサービスを利用している。主導権は自分にある。」という事。
1日24時間。スマホをどの位使っているか?
朝起きて学校に行くまで。授業の合間。トイレ。食事。ベッドで過ごす時間。ちょっとした隙間時間も含めて考えて書き出してもらいます。
そして、考えてもらいます。
本当に自分が望んでその時間を費やしているのか?必要な時間なのか?
そして次の事も考えてもらいます。
・在学中、そして将来、何をしたいか?どうしたいか?
・そのために今をどう過ごすか?
・そのためにどんな環境が必要か?どんなサポートが必要か?
時間管理が必要なのか?いつも見ているゲームや動画が必要なのか?
必要ならばどの位?どれが必要なのか?
子ども自身が考えて選択していく。
物理的な対策をする上では、一番ここが大切だと考えています。
フィルタリングとペアレンタルコントロール~
18歳未満のスマホ契約時には、法律でフィルタリングの設定が義務付けられています。
しかし、「必要なサイトが見られない」「アプリが使えない」などの理由で、親が設定を解除してしまうケースが多いのが現状です。
ホワイトリストという機能を使えば特定のアプリやウェブサイトを許可する事が出来ます。もちろんお子さんの年齢や利用状況に合わせて設定も変えられます。
フィルタリングのメリット・デメリット
メリット
有害(暴力的、性的、不適切な情報)なコンテンツを避けられる
ネットいじめや詐欺、危険なサイトを避けられる
利用時間を制限し長時間利用を抑えネット依存を抑えられる
デメリット
サイトやアプリが制限される場合がある
個人に合わせた調整が必要
完全には防ぎきれない
フィルタリングは
「安全にネットと向き合い自立していくための習慣づくり」
「好きなことに集中できる環境を整えるツール」
「制限」に目が行ってしまいがちですが、ポジティブな面に目を向けて欲しいと思っています。
2.精神的なフォロー
怖い映像や暴力的、衝撃的な映像に限った事ではありませんが、強制的に止めたり責めたりすると、子どもは心を閉ざしてしまいます。
そのような映像を好む理由はそれぞれかと思いますが、デバイスをとり上げたり使用を制限したりする前に、その子が抱えている問題は何か?を考えていけたらと思います。
怖い映像や衝撃的な映像を求める要因
ドーパミンの分泌を高めたい欲求
退屈や日常のストレスからの逃避
刺激や感情の高揚感への欲求
大人が禁止するものへの興味や挑戦
すとれすの発散
不安や孤独からの逃避
怖い映像や衝撃的な映像を過度に求める事の解決方法
話し合い
日ごろの生活、ネットの悩みを聞いてみる
理想の生活、ネット利用を聞いてみる
そのような映像を見る理由や見た後の気持ちを聞いてみる
そのような映像が問題解決になっているか考えてもらう
生活の改善案、代替的な活動の提案
集中できる趣味やスポーツ、親子で行える活動を考える
現実での満足感や充実感を与える選択肢を考える
SNSリテラシー教育
衝撃的な映像がもたらす影響を話し合う
利用できるフィルタリングやペアレンタルコントロールの確認
信頼できる情報源やコミュニティの利用を促す
サービスの利用、設定
子どもが必要と思うコンテンツをホワイトリストに設定する
不必要だと思うコンテンツを制限する
専門の支援の利用
依存など問題が深刻な場合は心理カウンセラーや専門家に相談する
「話し合う事すら出来ない」状況ではその子に合ったフォローも難しくなります。ネット利用について話し合う前に、話し合える雰囲気にしていく事も必要です。
・日ごろから会話の機会を増やす
・子どもがリラックスできる環境を作る
・子どもの意見を尊重する姿勢を見せる
つい「ルール作り」を先にしてしまいがちですが、押し付けられたものは子どもは守りません。子ども自身が納得して決めてもらう事が理想です。
短期的なメリットだけでなく、長期的なメリットもある
今抱えている問題の解決にもつながる
そんな風に話していくと、子どもの理解を深められると思います。
お読みくださりありがとうございます。
「子どものために親もICTリテラシーを学ぼう」というテーマで、これからも情報を発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。
※この記事は2024/03/06「おやこで楽しくICT」で掲載した記事を加筆・修正したものです。
【参考URL】
いいなと思ったら応援しよう!
![ICTながの](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/131451849/profile_3dfc3089bf9583bd2b84f74283bb83c3.jpg?width=600&crop=1:1,smart)