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コーヒー事典vol.9 「水出しコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日は水出しコーヒーについてのお話です。



発祥はインドネシア

水出しコーヒーの発祥は近代のインドネシア。
コーヒー生産国であるインドネシアでは、ロブスタ種という病気や気候の変化に強いコーヒー豆を主に栽培しています。
とても強い苦味とクセのある味が特徴で、日本では缶コーヒーやブレンドコーヒーの原材料などに使われています。

そんなロブスタ種、ストレートコーヒーとして飲むには少し難しいんですが…どうにか美味しく飲むために発明されたのが水出し式でした。
暑さの厳しいインドネシアで水出し式は大好評。やがて世界中に広まります。
このとき、インドネシアはオランダ領だったので、水出し式はダッチコーヒー(Dutch coffee)という名前で呼ばれるようになりました。これが水出しコーヒーの元祖です。
現在ではコールドブリューコーヒー(Cold brew coffee)という呼び方が一般的です。



水出しならではの味わい

水出しコーヒーならではの「苦すぎない」「まろやか」「すっきり」といった味わいの秘密は、名前の通り水を使うことにあります。

コーヒーの苦味は熱いお湯に溶け出しやすいので、水ではあまり抽出されません。
そのおかげで苦すぎないコーヒーに仕上がり、苦味で隠されていた酸味や甘味が感じやすくなります。
また、コーヒーの飲みごたえをつくる成分も水では抽出されにくいので、まろやかですっきりとした飲み心地になります。

一般的な苦味の強いアイスコーヒーは違う、やさしい味わいが水出しコーヒーの魅力ですね。

【余談ですが】
淹れるときのお湯の温度でコーヒーの味わいは変わります。
熱いお湯だと苦味の強いコーヒーに、ぬるいお湯だと酸味が強いコーヒーになります。
買ったコーヒー豆が自分には苦すぎた…なんて時は、いつもよりお湯の温度を少し下げると飲みやすくなるかもしれません。
豆の焙煎度合いによってお湯の温度を変えているカフェもあるそうですよ。



美味しい水出しコーヒーをつくるために

欠かせないものが2つあります。
1つ目は、美味しい水。
ミネラルウォーターなどの水を使うことで、口当たりが格段に良くなります。
2つ目は、水出しに適したコーヒー豆を用意すること。
苦味が抑えられるぶん酸味が際立ちやすいので、中深煎り〜深煎りの豆がおすすめです。

専用の器具がなくても、水出しコーヒーはとても簡単に作れます。
細挽きにしたコーヒー粉をコーヒーパック(なければお茶パック)に詰めて、水の中に浸すだけ。
出来上がるまで数時間かかってしまいますが、ゆっくり味が抽出されることで美味しくなるので気長に待ちましょう…



まとめ

水出しコーヒーの発祥はインドネシア。
ダッチコーヒーやコールドブリューとも呼ばれ、特有のまろやかな味わいで日本でも定番になってきました。
美味しい水とお気に入りのコーヒーで手軽に作れるので、この夏はぜひ水出しコーヒーを楽しんでくださいね。





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