コーヒー事典vol.4 「カフェインレスコーヒー」
こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はカフェインレスコーヒーについてのお話です。
年々人気が高まっているカフェインレスコーヒー。ですが、ちょっと誤解されていることも多いので、改めてカフェインレスコーヒーについて知っていただければ嬉しいです。
カフェインレスコーヒーとは
直訳すると”カフェインの少ないコーヒー”。
カフェインを除去したコーヒーのことで、デカフェとも呼ばれます。
日本ではカフェインを90%以上除去したものに”カフェインレス”と名付けることができます。
勘違いされがちなのですが、カフェインレスコーヒーはカフェインが完全に取り除かれているわけではありません。
ですが、近年ではカフェインが99%以上除去されたコーヒーも販売されています。気になる方はカフェイン除去率を確認してみてください。
《 余談ですが… 》
カフェインが含まれている食品からカフェインを除去したものをカフェインレス(デカフェ)、カフェインを全く含まない食品から作られたものをノンカフェインと呼びます。
つまり、コーヒーはもともとカフェインが含まれているので「ノンカフェインコーヒー」という呼び方は間違いです。
カフェインの除去方法
カフェインレスコーヒーはコーヒー豆を加工したもの。
コーヒーの果実から取り出された生豆にカフェイン除去処理をしており、代表的な方法は大きく3つあります。
1つ目は、有機溶媒を使う方法。
有機溶媒とは水に溶けない物質を溶かす液体の有機化合物のことで、かなり平たく言うと薬品です。
これに生豆を漬けてカフェインを除去します。
加熱すると有機溶媒は蒸発しますが、生豆の中に残ってしまう成分や、わずかに発がん性物質も含まれることから、日本では輸入が禁止されています。
2つ目は、水を使う方法。
コーヒーの味わいをつくる成分は水に溶けやすく、カフェインは水に溶けにくいんですが、それを逆手に取った方法が近年確立されました。
スイスウォータープロセスという方法では、生豆を水に漬けてコーヒー成分とカフェインを取り出した後、コーヒー成分だけを生豆に戻すことでカフェインを除去します。
マウンテンウォータープロセスという方法では、あらかじめコーヒー成分が含まれている特殊な水に生豆を漬けることで、生豆からはコーヒー成分が溶け出すことなくカフェインを除去します。
これらは化学処理の工程が少なく、安全な方法です。日本にも多く輸入されています。
3つ目は、二酸化炭素を使う方法。
一定以上の圧力と温度を加えてつくりだした超臨界二酸化炭素を使ってカフェインを除去します。
この方法ではコーヒー成分を残したままカフェインを多く除去できるので、コーヒーの味わいにはほとんど影響を与えません。
また、人体に有害な物質を含まないので、安全かつ安心な方法です。こちらも日本に輸入されています。
カフェインレスは不味い?
「カフェインレスコーヒーはやっぱり美味しくないんじゃないの?」というご意見はよくありますが、それは過去のもの。
昔はカフェインの除去に薬品を使うのが主流だったので、コーヒーのうまみも除去されてどうしても味わいが劣ってしまいました。
しかし、カフェインだけを上手く除去する技術が確立されてから、本来のコーヒーと飲み比べてもカフェインレスコーヒーだと気づかないほどに品質が向上しています。
また、技術が進歩したことで、いろんな産地のコーヒー豆を美味しいままにカフェイン除去できるので、お好みの味わいのカフェインレスコーヒーが見つけやすくなりました。
それでも不安があるときは、カフェイン除去方法が記載されているものや、しっかり説明してくれる販売店で購入することをおすすめします。
まとめ
コーヒーは好きだけどカフェインは控えたい、カフェインに弱い体質…。そんな方々にぜひおすすめしたいカフェインレスコーヒー。
昔はあまり美味しくないものが多く出回っていましたが、近年は改善され、いろんな産地のコーヒーを楽しむことができるようになりました。
カフェイン除去率・除去方法が記載されているものを選ぶことで、より美味しいカフェインレスコーヒーを安心して楽しむことができますよ。
お気に入りの1杯が見つかりますように!