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【エッセイ】晴、無音、窓辺にて

「あの時からだったのか。」

ツンとした寒さの風が吹いてくる12月。
月が変わるまではいつになれば秋が来るだろうと思ったのもつかの間。
今月に入り寒い日が続く。
街はクリスマスに向けて華やかな音楽が流れ、道行く人も心なしか楽しそうだ。

自分はどこから来たのだろう。
今のこの思考は何なのだろう。

人は周りの環境に左右されやすい。
どこかの偉い人は言った。

「身近な5人の平均が自分」

今の自分の近くの人は誰だろう。
家族、恋人、上司、友達…
人それぞれ違うだろう。

その5人を選んでいるのも過去の自分。
その過去の自分は更に誰の影響だろう。
さかのぼり出すときりが無い。

少なくとも最初は両親または育ての親など含めて家族が起源になる。
そこから始まり、学校・アルバイト・仕事など様々な経験を通して変わる。

自身の第一の大きな変化は小学生だったかもしれない。
田舎の小学校で、なにかクラブ活動をしたいと思うと他の学校に混ぜてもらうしかなかった。
私も例外なく他の学校の人と混じって汗を流した。

自分以外は皆同じ学校。
当然話は分からない。
気を使ってくれるのもわかる。
小学生ながらに申し訳無さを感じたのを覚えている。

ただこの経験が後の人生を大きく左右したんじゃないかと思う。
外の世界には知らない世界が広がっている。
自分が見ている世界は狭いことを。

思い返せば定期的に一人でどこかに飛び込んでいた。
中学校、部活、大学、専門、社会人。
趣味なども例外なく同じようになにかに飛び込んでいる。

無意識的に変わり続けようとしてきているのかもしれない。
今はまだ分からない。
ただ、これからもそれは同じだろう。

人間関係をリセットしたいわけではない。
気づいたら変わっているだけ。
疎遠になっているだけ。

昔から知る人は何も変わらないと言われそうだ。
別に私は変わっていない。

明日はどこに行くのだろう。

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