あの子と私の話

こんにちは、イチノハです。
何やら素晴らしいタグ(?)を見かけたので筆を執った次第、少々マイノリティな話が出ますのでご承知おきくださいませ。

私には恋人がおりまして。
これだけであればアラウンド30代として一般的でしょうか。結婚していない時点で一般的じゃないのでしょうか?
世論がどうなのかは存じ上げませんが、まあとりあえず同居している恋人がおります。
出会って早10年近く、生活を共にして5年以上になりますね。

でも結婚はしません。否、出来ません。
何故なら彼女――恋人さんは同性だからです。

私ことイチノハは別段同性愛者であるとかそういうあれそれは持っておりませぬ。
強いて言うならば好きになってしまったのが同性だった、ただそれだけです。
性格、性質といった観点では微塵も合わない。まるで水と油のような。知人から見ても対照的とのこと。
そんな、自分にないものをふんだんに盛り合わせたあの子が、どうしようもなく好きで欲しくなってしまったのは出会ってすぐのことでした。

長く共にいますが、毎週のように喧嘩したり毎月のように別れ話が飛び出したりもします。
そもそも精神的な繋がりでのみ構築されている関係なので(肉体関係はありません)、どちらかが酷く揺れている状態だとすぐ破綻し始めます。
それでも何とか取り成して、数日経つ頃には「やっぱりこの子が一番だな」ってなっている。そんな関係です。

恋人と呼ぶのが正しいのかはわかりません。
私の歪んだ独占欲の被害者が彼女であり、彼女のいびつな所有欲を満たしているのが私なのかもしれない――共依存という言葉がぴったりだと思う今日この頃。

正直言って、私の周りにまともな恋愛をしている友人は数人しかいません。
みんなどこかしらズレていて、歪んでいて、一般論からしたらへんてこりんな子たちばかりです。

だからこそ、私たちの関係も受け入れられている。

同僚に対して、素直に話せばきっと「別れたほうが良い」という判断を下されてしまうのだと思っています。
人生を摩耗しながら、歪んだ「欲」を満たす為に続ける関係なんて価値がないと。
私が同僚の立場ならきっとそう思ってしまう。

それでも彼女が良いんですよ。
ちっぽけな私の欲を多分に満たしてくれる彼女が良いです。

人類総人口が何人なのかは全く興味がありませんが、たくさんの個があればたくさんの己がある。
世間からズレていて、最近浸透した同性愛からも少しズレて。私たちのような者が存在していることは、全く不思議ではないと思っています。
……きっと、隠しているだけで何人もいるんじゃないかな。
あまりにも「普通」の人の声が大きすぎて、少しでも異端なものは掻き消される。人間社会なんてそんなものだと思っていますし。

まるで凸と凹のように、なんだかんだとぴったりハマる、あの子に逢えてよかった。心の底からそう思っています。
願わくば、手を離されるその瞬間まで隣に在りたい。
あの子の幸福が、私以外の誰かと構築されるまで。その時まで私が止まり木でありたい。

ゆるゆると筆を走らせていたらとてもあの子に会いたくなりました。
帰ったら撫で繰り回そうと思います、ということで、〆。

#あなたに出会えてよかった

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