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とびらの先で見つけた景色

2024年6月29日と7月14日、アーティスト斉藤朱夏さんのライブに参加しました。
4月20日から7月14日のファイナルまでの3か月間で全16会場17公演にも及んだライブツアー、

5th ANNIVERSARY 朱演2024
LIVE HOUSE TOUR「とびらの先 〜海/空〜」

今回はその中でも特に印象に残った楽曲やMCをピックアップして話していきたいと思います。



【 心に残った楽曲 】

5がいっぱい 『だらけ。』

ソロデビュー5周年を記念したミニアルバム、「555」の表題曲です。555はエンジェルナンバーと言われ、変化や人生の転機を意味する数字です。

名前をいっぱい呼んでほしいとのことで、ドラムのまいまい(今村舞さん)のカウントの後、「S・H・U・K・A〜 朱夏!!」と会場のみんなで5回コールをしてから歌唱が始まりました。
セトリの5曲目に披露されたところからも、5という数字へのこだわりを感じます。
これからもこの楽曲を聴くたびに心が熱く燃え盛ったこの5周年という季節を思い出せる、そんな特別な1曲になりました。


だってうちらって 『最強じゃん?』

イントロが聴こえた瞬間、脳が沸騰しました。
昨年の朱演2023『愛のやじるし』開催前にサビの振り付け動画を出されていましたので、可愛い朱夏さんを載せておきます。

何回もこの動画を観てしっかり予習していきました。
この曲、最初から最後まで最強に楽しいです。
コール🗣️、クラップ👏、振りコピ🤟、の三拍子が揃っていて、極めつけは最強に可愛い笑顔が見られます。


ライブは生もの 『親愛なるMyメン』

ゆるラップです。
初めてこの楽曲を聴いたときは「耳に残りやすくてつい口ずさみたくなる」といった感想でした。
歌詞も曲調も特徴的な楽曲ですが、この楽曲はライブでこそ真価を発揮します。
この楽曲だけは僕が参加した2日間を分けてお話ししたいと思います。

< 6月29日 大阪公演 >
アコースティック調にアレンジされたメロディーに合わせて歌唱が始まると同時にクラップで会場が包まれました。
コールというよりかは合いの手という表現が近い僕らの声が混ざり合って、全員で一つの音楽作品を作り上げているような感覚でした。
さらにはこの楽曲、曲中にMCが挟まるんです。
話す言葉は当然公演ごとに違うわけで、それも含めてこの公演限定の『親愛なるMyメン』が思い出として残ります。
同じ曲が披露されるにしても同じ瞬間は二度と訪れないことから、よく「ライブは生もの」と言われますが、その究極形だと思いました。
朱夏バンドのメンバーとの仲睦まじいMCの後は鍵盤ハーモニカの演奏で再スタートしました。
本当に自由でやりたいことに貪欲なんですよね。
ライブの生感を大切にしつつ、出し惜しみせず今の全力をぶつけるその姿が、僕の目にはあまりにも眩しくかっこよく映りました。
この辺りで朱夏さんとその仲間が作り上げるライブの魅力に魂ごと引きずり込まれました。

< 7月14日 東京 夜公演 >
大阪公演でその自由さに度肝を抜かれたのですが、ツアーファイナルだった東京夜公演ではさらに拍車がかかりました。
「歌える人は一緒に歌ってください」と前置きがあっていざ楽曲が始まると、会場がクラップとともに大合唱で包まれました。
このときの朱夏さんの嬉しそうな表情といったらもうね。
みんなで集まって練習してきた?と言われるほどに声の揃った大合唱は圧巻でした。
そりゃ大好きな推しの楽曲なんて毎日聴いても聴き飽きないんだから1曲くらいさらっと歌えますよ、と。
朱夏さん自身は歌唱せずに大合唱に耳を傾けている時間の方が長かったです。
今回のツアー、朱夏さんはみんなの声をより聴くためにイヤモニではなくフットモニターにしたということをラジオでも話されていました。
17公演目のツアーファイナルで大合唱という形に進化を遂げた意味を強く感じた1曲でした。
そして本公演も朱夏さんと朱夏バンドメンバーとの仲睦まじい足の引っ張り合いやりとりも健在でした。
最後に「なんなのーっ!」って叫ぶ朱夏さんが可愛すぎて、僕は満足です。
すっごく楽しい時間でした。


ライブタイトル回収 『ことばの魔法』

特に明言はされていなかったと思いますが、今回のライブツアータイトル『とびらの先 〜海/空〜』は、この楽曲の2番サビの歌詞から取ったものでしょう。

僕たちは何度でも 僕たちは何度でも
閉じた扉を開くように言葉を交わす

空の果てより広く 海の底より深い
ドアの向こう側 見たこともない景色
そういうものに出会う鍵なんだよ

『ことばの魔法』(2番サビ)

ここでは「言葉」を「見たこともない景色に出会う鍵」と表現しています。
なんて素敵な歌詞なんでしょう。。。
ラスサビも大好きなので共有させてください。

僕たちは何度でも 僕たちは何度でも
呪文を唱えるみたいに言葉を交わす

あふれ出す喜びも 押し寄せる悲しみも
ひとりきりじゃ抱えきれないぐらい増えてく
そういうものを分かち合う魔法

特別なチカラは要らないよ
誰もが持ってる ことばの魔法

『ことばの魔法』(ラスサビ)

最近、何かと言葉の持つパワーに驚かされる毎日なんですが、「特別なチカラは要らないよ」って教えてくれるんです。
ことばの魔法は誰もが持ってるんだよって。
この楽曲、歌詞がほんとに良すぎます。
それに朱夏さんの表現力が相まって感情をボコボコに殴られました。


ドラチャレ 『僕らはジーニアス』

この楽曲に関しては、開演前から確実にやるだろうと簡単に予想できました。
ライブハウスは入場の際にドリンク代を支払いますが、このときに数字が書かれた紙を渡されました。
数字が書かれた紙=ドラチャレの確定演出です。
ドラチャレというのは、『僕らはジーニアス』の開幕に鳴り響く銅鑼の音をライブ参加者が鳴らすという、朱演における一大イベントです。
朱夏さんが数字が書かれたくじを2枚引き、当選者2名がステージに登壇して銅鑼を鳴らします。
こういった参加型の企画があるとやっぱり会場のボルテージも一気に高まりますね。
当選した2名が登壇するまでの間、当選者を祝福する声や応援の言葉で会場全体が包まれます。
朱夏人の仲間意識を感じて心が温まりました。

以前、僕らはジーニアスのインタビュー記事にて、こんなことを話されていました。

この曲の制作において、ケイさんとはどういうやりとりがありましたか?

ケイさんとは「なんで『僕らはジーニアス』ってタイトルなんですか?」という話からしましたね。そしたら「朱夏さんはライブ中、ファンの皆さんが踊ってるのを見て『天才!』って言うじゃないですか。自分のことは言わないくせに」と指摘されて(笑)。

初めて作詞したときに出てきたフレーズが「天才なんかじゃないし 才能もないし」(1stアルバム収録曲『ワンピース』より)でしたもんね

私1人では自分のことを「天才」なんて言えないけど、”僕” じゃなくて “僕らは” なら言える、という話はケイさんにしましたね。

音楽ナタリー 『僕らはジーニアス』リリース記念インタビュー

会場にいる全員でタイトルコールするところにも、"僕らは" の要素を感じました。
ところで、普段どれだけの徳を積めばドラチャレに選ばれるんでしょうか。
皆目見当もつきません。


ヒロインよりも 『ヒーローになりたかった』

ライブの最後を飾ったのは仮面の下の素顔をさらけ出した楽曲でした。
後ほどまた触れるんですが、最後のMCを聴いてからのこの楽曲だったので、僕の感情がおしまいになったのは別にどうでもいいんですが、朱夏さんにとっても込み上げるものがあったようで、想いが涙となってこぼれていました。

変わるためのベルトも 魔法のステッキも
いつの間にか効き目は悪くなってく

もしもすべて脱ぎ捨て向き合えたら
君は僕を見て笑うかなあ
僕の涙も拭ってくれるかなあ

『ヒーローになりたかった』

ほんとに、オタクが言うとキモいのは承知のうえで言うんですが、涙を拭ってあげたいと思いました。(比喩として捉えてください...)
だから、これからも応援の声を届けて、こんなにも朱夏さんのことが大好きなファンがいるんだよって伝えたいと思います。


【 『みかたっ』 になぞらえたMC 】

ツアーファイナルだった東京夜公演のMCで心にぐっときた言葉についてお話ししたいと思います。
ライブ終演後に「555」収録曲の『みかたっ』を聴いているときに、MCの内容と合致する歌詞が多いことに気づきました。
最初は『みかたっ』の歌詞を言葉にして届けてくれたんだと思ったんですが、よくよく考えると時系列が逆なんだと思います。
朱夏さんが言葉で届けたかったものを『みかたっ』の歌詞に落とし込んでいるんです。
細かいニュアンスまでは覚えていませんが、「キミが想いを言葉で届けてくれるから、私はアーティストとして歌で届ける。」という主旨のMCがあったことを思い出して、点と点がつながりました。

僕が忘れたくないと願った言葉たちを、『みかたっ』の歌詞と照らし合わせながら紹介したいと思います。


「どのタイミングからでもいい」

つい半年前からアーティストとして生きる朱夏さんを追いかけ始めた僕にとって、どこまでも優しく寄り添ってくれる言葉でした。
新規のファンがいるからこそコンテンツやアーティストは大きくなっていくものだとわかってはいるけど、そうは言っても最初から追いかけられている人を羨む気持ちはやっぱりどこかにありました。
きっと朱夏さんのこの言葉を受け取れていなければ、いつまでも心の奥の引っ掛かりが取れなかったと思います。
無理やり自分を納得させようと気持ちを押し込めていたところに優しく差し伸べられた救いでした。
この言葉があったから僕は、朱夏さんが第2幕の始まりと称した5周年というこのタイミングからスタートできたことを誇りに思えたんです。

くつひもを結び直したら また走ろう
どこからでもスタートできるんだ

『みかたっ』


「歌い続けると約束する」

僕は「約束」という言葉にめっぽう弱いです。
有限の時間を生きる僕たちにとって、未来の約束は生きる希望と同義です。
この言葉を発するときの朱夏さんの覚悟を宿した目が印象的でした。

あたしはずっとキミの目に映る
場所で歌い続けるんだよ

『みかたっ』

次は10周年を目指して走ると朱夏さんは言いました。
この先どんな未来が待っているのか、同じ景色を一緒に見たいと心から思いました。


「キミと大きな景色が見たい」

大きな景色。
そこはアーティストにとっての夢の舞台。
昨年末に公開されたインタビュー記事にて初めて具体的な名称を出されていました。

大きいステージに立ちたいので、アーティストの誰もが立ちたいと思っている日本武道館には絶対に行きたいんです。まず1個の目標として、武道館っていうものを今掲げていて。これ、私、言ったことないですよね。

リスアニ! INTERVIEW 2023.12.29

朱夏さんが作り上げるライブを生で観て、武道館に立つ姿を見たいと本気で思ってしまいました。
きっとどんな大きな舞台に立とうとも心の距離感は今と変わらないんだろうなと思います。
全力セトリに汗と涙を流しながらお互いに全身全霊でぶつかり合ってバカ騒ぎするところまで想像できます。

キミと約束した あの場所に向かって
全力で走って生くんだ

『みかたっ』

全力で走って”生く”
朱夏さんがそう歌うなら、誠心誠意、魂を燃やして追いかけます。


「ずっとキミの味方」

絶対的な味方がいるという事実は心に安らぎを与えてくれます。
辛いとき、苦しいとき、支えになってくれます。
しかもヒーローが味方なんですから怖いものなんてありません。
ヒーローはいつだって僕らが沈んでいるときは助けてくれるんです。
だからヒーローがボロボロになった時には助けたいんです。
いつだってみんなを照らしてくれる、キラキラ輝く太陽でいてほしいから。

今日だって明日だって この先の未来だって
あたしはキミの味方でいるよ

『みかたっ』

「ヒーローになりたかった」と言ったところから始まったアーティスト活動で、「キミの味方だよ」って言えるところまで強くなった朱夏さんがかっこよすぎました。
朱夏さんに「キミのヒーローです!」って言わせるまで、僕らのヒーローだよって伝えていこうと決めました。


【 とびらの先 】

見つけた景色

今回のライブツアータイトル『とびらの先』は、楽曲の感想でも少し触れましたが、『ことばの魔法』の歌詞からきています。
朱夏さんがラジオで話されていた言葉が印象的だったので、長くなりますが引用させていただきます。

今回、ツアータイトルが『とびらの先~海/空~』だったんですけど、このタイトルにはどんな気持ちを込めたんですか?
そもそもがとびらの先に何があるんだろう、っていう自分のハテナっていうのがあって、とびらの先にキミっていう人と一緒に行きたいっていう。
だからある意味、第2幕をみんなと一緒にこのとびらを開けていきたいっていう気持ちがあって。
ほんとは去年のライブのタイミングで「第2幕がここからスタートします」って言ってたんですけど、全然開かなくて。あれ?開く予定だったのに開かないじゃん!みたいな。

そんなことあるんですね?
これがもう自分でもびっくりで(笑)
めっちゃ鍵準備して開ける予定だったのに全然開かなくて。あ、鍵違うんだ、みたいな。そのときにステージに対しても悩んだりとか、歌に対しても悩んだりとかで、あんまりステージに立ちたくないって思ってしまった瞬間があって。やばい、残酷だな自分。どうしよ、このまんまの気持ちで、みたいな。
そこで5周年というタイミングがあったりとかで、このタイミングでほんとに開かなかったらちょっともう無理かもしれないと思って。もうこじ開けるレベルでこのタイトルをつけて、『とびらの先』っていう。
で、ある意味決意でもあって、その先を行ってまた5年10年歌えるようにっていう気持ちもあるし、海と空で気持ちを表現してて、やっぱ海みたいに深く沈んでしまうときもあるけど、空みたいに晴れやかな気分って人間誰しもあるなって思ってて。それをライブですごく表したいなって思ってて。だから、そういう意味で『~海/空~』ってつけましたね。

どうでした?とびらは?
あ、なんか、すっごい開いちゃって。
パッカーーーンみたいな。
うわあぁぁぁぁーーー!みたいな(笑)

開いてる感あるもんなあ(笑)何が違ったんですかね、前回と?
すごくいろんなことに悩んでた時期でもあったので、だからなかなかこう、開けるにも開けられなかった。だし、多分、開けなくていいタイミングだったんだろうなって私は今思ってます。あのときではなくて多分このときのためにきっと神様がいたずらをして鍵を替えて、開けさせてくれなかったのかな?て思ったりとか、タイミングなのかなってそれはすごく思いますね。

NHKラジオ ミュージックライン
<ゲスト> 斉藤朱夏 7月11日放送回


僕は朱演初参加が2024年6月29日だったこともほんとにタイミングだなと、しみじみ思います。
開演前から思いがけないびっくりなプレゼントがあったり、寂しい気持ちで胸がいっぱいだったその後の数日間は朱夏さんの楽曲が心のよりどころでした。
朱夏さんがくつひもを結び直したこのタイミングで僕も仲間になれたことが本当に嬉しく思います。

ソロデビューした朱夏さんのことをもっと早くから追いかけられていればという思いはありましたが、これは後悔とはまた違う感情だと考えています。
後悔は自分の選択を後から悔いることであって、そこに選択の余地が無ければ後悔ではないと思うんです。
1年前までの僕にはまだ、アーティストとして生きる朱夏さんを追いかけるという選択肢が見えていませんでした。
人との交流が増えていく中で僕の世界が広がって、そこでようやくその選択肢が見えてきたんです。
それはまるで昔から目の前にあった鍵のかかった扉が突然開いたかのようでした。
いろんな人と言葉を交わす中で手に入れられた鍵。
それはひとりじゃ見つけられなかったもの。
言葉って本当に、「見たこともない景色に出会う鍵」だったんです。
とびらの先には最高に楽しい景色が広がっていました。


最後に

現地で受け取った言葉を忘れたくない一心で終演直後に必死にメモに書き出したんですが、その数時間後に素晴らしいライブレポート記事が出ていましたので、今回のブログを書くにあたって活用させていただきました。
ツアーファイナルの全披露曲、全MCについて簡潔にまとめられていますので、もしよければご一読ください。


来たる8月17日・18日は朱夏さんが掲げていた夢のうちの1つ、野外ライブ。グッズ情報も公開され、期待値はとっくにキャパオーバー。
とびらの先で見つけた景色をたずさえて、全力で遊びたいと思います!!


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