Tyrellの折り畳み自転車にあって欲しい事

日頃、アイブエモーション社製 Tyrell IVEに乗っている筆者から見た「一日あたり中~長距離を走る前提でのTyrellの折り畳み自転車」にあって欲しい事リスト。

話をシンプルにするために、Tyrell IVEを前提としたお話としています。

主たるユースケースは次の3つ。

  1. 一般的な街乗りとしてのシティユース

  2. 上記の延長線上としての片道50Kmを超えるシティユース

  3. 上記の延長線上としての輪行先・実走中での宿泊を伴う片道50Kmを超えるシティユース

結果、多くの面で「ならロード乗れ」「ならランドナー乗れ」となる課題を列挙する事になります。

ですが、輪行性を重視した積載性を考慮すると、前述のロードやランドナーでは達成できない課題となります。
その辺りを考慮してご笑覧頂ければ幸い。


走行時

速度性能(ホイール)

実質カスタマイズ性の話ではあるが、16~20(406)インチまたは、18~20(451)インチのレンジでのホイール交換が可能となって欲しい。

Tyrell IVEはフレーム性能が極めて優秀なため、元々想定されている「信号が多い街中でのストップアンドゴーでも負担なく走行する」だけでなく、「50~100Km離れた中~大規模都市間移動」を容易く達成できてしまいます。

ですが、最大18インチまでしか装備できないため、どうしても最大速度が頭打ちになる課題があります。
そのため、「到着自体はできるが、時間がかかり過ぎる」きらいがあります。
また、小径ゆえの速度低下率の高さの問題もあり、到着予想時刻を組み立てにくくなっています。

一方でシティユース、シティユースで要求されるホイール性能はそれぞれ異なります。
そこで、シティユースでは18インチ、シティユースでは20(451)インチを選択できるととても都合が良くなると考えています。

ただし、これを実現しようとなると必然的にディスクブレーキを想定する必要が出てきます。

速度性能(ハンドル・シートポスト)

ハンドルステムによるハンドルの延伸やドロップハンドルを使用出来るようになって欲しい。
また、サドルを50~100mm後ろにオフセット出来るようになって欲しい。

折り畳み形状からくる安全面の都合上仕方ないのですが、現時点ではハンドルステムやドロップハンドルの使用は出来ません。

また、仮に一般的なステム無しでドロップハンドルを無理やり設置したとしても、サドル位置の都合上十分な空間を確保できないため、本来の機能を得ることが出来ません。
ただこれは、ハンドルステムを延伸できれば解消できる蓋然性が高いです。

速度性能(実証)

と言う事で実証しました。と言う事で実証しました!?

実証内容は次の3通り。

カスタム1
  • 前後輪を20(406)インチにインチアップ

  • 特殊ステムと特殊ドロップハンドルで力点をクロスバーと同じ位置に

  • リンテンスプリングを利用してサドル位置を50mm後退

  • 最重ギア比は54(-52)T-11T(楕円チェーンリング)

カスタム2
  • ホイールはデフォルトの18インチ

  • 特殊ステムと特殊ドロップハンドルで力点をクロスバーと同じ位置に

  • トライアスロン用サドルとサドルクッションの組み合わせで座る位置を30mm後退

  • 最重ギア比は54(-52)T-11T(楕円チェーンリング)

デフォルト
  • ホイールはデフォルトの18インチ

  • ハンドルはデフォルトのクロスバー

  • サドルもデフォルト

  • 最重ギア比は56T-11T

速度性能で見た場合の差異は次の通りでした。

  • 平地最高速度

    1. カスタム1:43Km/h

    2. カスタム2:40Km/h

    3. デフォルト:36Km/h

  • 平均時速

    1. カスタム1:22~24Km/h

    2. カスタム2:18~22Km/h

    3. デフォルト:16~18Km/h

走行性能面で見ると如実に差が出ることが判ります。

もしも20(451)インチに変更した場合、平地最高速度46Km/h超えが現実的なラインであることが判ります。
また、同様に平均時速25Km/h超えも期待できることが判ります。

仮に平均時速25Km/hを達成できた場合、実走時間2時間、休憩込みで2時間半程度で50Km走破が現実的になるため、無理なく75Km/日が達成できる見込みが高くなります。

快適性

何ら不満が無いです。弄る余地なし。

積載性

ドロップハンドル時でもフロント側にも付け外し容易なバッグを設置できるようにして欲しい。
リアキャリアも同様に社外品でも構わないので付け外し容易なバッグを設置できるようにして欲しい。
バニアバッグを設置できるようにして欲しい。

筆者固有事情ですが、筆者は医療器具であるCPAPを使用しています。

これは毎晩使用する必要があるため、必然的に持ち出しが必要となります。
最低限、これと換えの衣服、靴だけは持ち歩けるバックの積載が必要となります。

一般的なCPAPの搬送バッグサイズ
この中にはCPAPバッグしか入っていません

IVEに限らないTyrell車全般の話ですが、ドロップハンドル時は前側にバッグ類を設置する事が困難です。
ケーブルレイアウト上困難なのは承知してますが、何とかならないものか…

現状ではアルミチャンネルを組み合わせてリグを作り
バッグをリグにベロクロで密着させ
リグを更にベロクロで車体に固定させて運用している

リアキャリアについては社外品でシンデレラフィットするバッグ、zefal Z Traveler 60が存在します。

バニアバッグはBBの位置が変わるか、キャリアの上に櫓を組むかしない限りは利用できません。
利用者の足のサイズが27Cmの場合、次の画像の赤枠内は全て靴が当たります。

赤は全て進入禁止区域

輪行時

機動性

キャリーカートオプションが欲しい。
可能ならば、進行方向に対して垂直に接続、出来ない場合は自転車の進行方向にあわせた方向に押せるようになってほしい。

大体日本の公共交通行政が悪いのですが、公共交通機関に乗る場合は袋に完全にしまう必要があります。
ここで車体にあるコロが使えれば全て解決するのですが、コロのみの露出も禁止されています。

そこで、Tyrell FCXで予定されているようなキャリーカートオプションの登場が待たれます。

ちなみに、折り畳んだIVEは横向きでは細身の改札を通過する事はできません。

そのため、縦向きでキャリーカートに接続しそのまま通過するか、トラベルバックよろしく、横移動できるキャリーカートである必要があります。

耐破損性

SRAM UDH互換のダイレクトマウントシステムが欲しい。

航空機や高速バスによる輪行時の最大の障害が「自転車を横倒しにすること」

現行のTyrell IVEをはじめとしたTyrellの折り畳み自転車はディレイラーハンガーに強い圧力がかかる形か、より不安定なハンドル・前輪側に強い圧力がかかる形かしか選択肢がありません。
つまり、ディレイラーハンガーが曲がるか、ホイールにひずみができるか、好きな方を選べといった状態になっています。

ここで、ダイレクトマウントが使えるようになると、ディレイラーによっては安心してディレイラー側を下に出来る可能性が見えてきます。

そうなると前述の通り、輪行で選択できる移動手段が激増するため、より楽しみが増える事となります。

カスタマイズ

互換性

リアのエンド幅を130mmにして欲しい。

単純にGOKISOを狙えるようになって欲しいだけです。
フロントについてはGOKISOハブfor Bromptonを9mmにカスタムするオーダーが存在するらしく、それで対応可能っぽいです。

オチ

Q.折り畳めるLOOXがあれば大体解決では?
A.それだと高さを落とせないんすよ

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