沖縄慰霊の日 2021.6.23 「平和の詩」朗読 上原さん「みるく世(ゆ)の謳(うた)」(全文) 3 yamagishi hiroyuki 2021年10月15日 17:45 「平和祈念式典」に於いての朗読は 素晴らしかった‼12歳。初めて命の芽吹きを見た。生まれたばかりの姪は小さな胸を上下させ手足を一生懸命に動かし瞳に湖を閉じ込めて「おなかすいたよ」「オムツを替えて」と力一杯、声の限りに訴える大きな泣き声をそっと抱き寄せられる今日は平和だと思う。赤ちゃんの泣き声を愛おしく思える今日は穏やかであると思う。その可愛らしい重みを胸に抱き6月の蒼天を仰いだ時一面の青を分断するセスナにのって私の思いは76年の時を超えていくこの空はきっと覚えている母の子守唄が空襲警報に消された出来事を灯されたばかりの命が消されていく瞬間を吹き抜けるこの風は覚えているうちなーぐちを取り上げられた沖縄を自らに混じった鉄の匂いを踏みしめるこの土は覚えているまだ幼さの残る手に銃を握らされた少年がいた事をおかえりを聞くことなく散った父の最後の叫びを私は知っている礎を撫でる皺の手が何度も拭ってきた涙あなたは知っているあれは現実だったこと煌びやかなサンゴ礁の底に深く沈められつつある悲しみが存在することを凛と立つガジュマルが言う忘れるな、本当にあったのだ暗くしめった壕の中が憎しみで満たされた日が本当にあったのだ漆黒の空屍を避けて逃げた日が本当にあったのだ血色の海いくつもの生きるべき命の大きな鼓動が岩を打つ波にかき消され万歳と投げ打たれた日が本当にあったのだと6月を彩る月桃が揺蕩う忘れないで、犠牲になっていい命などあって良かったはずがない事を忘れないで、壊すのは、簡単だという事をもろく、危うく、だからこそ守るべきこの暮らしを忘れないで誰もが平和を祈っていた事をどうか忘れないで生きることの喜びあなたは生かされているのよといま摩文仁の丘に立ち私は歌いたい澄んだ酸素を肺いっぱいにとりこみ今日生きている喜びを震える声帯に感じて決意の声高らかにみるく世ぬなうらば世や直れ平和な世界は私たちがつくるのだ共に立つあなたに感じて欲しい滾る血潮に流れる先人の想い共に立つあなたと歌いたい蒼穹へ響く癒しの歌そよぐ島風にのせて歌いたい平和な未来へ届く魂の歌私たちは忘れないことあの日の出来事を伝え続けること繰り返さないこと命の限り生きること決意の歌を歌いたいいま摩文仁の丘に立ちあの真太陽まで届けと祈るみるく世ぬなうらば世や直れ平和な世がやってくるこの世はきっと良くなっていくと繋がれ続けてきたバトン素晴らしい未来へと信じ手渡されたバトン生きとし生けるすべての尊い命のバトン今、私たちの中にある暗黒の過去を溶かすことなくあの過ちに再び身を投じることなく繋ぎ続けたいみるく世を創るのはここにいるわたし達だ #朗読 #沖縄慰霊の日 #平和祈念式典 #平和の詩 #みるく世の謳 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート