株式会社ネーブル・ジャパン
こんにちは。
日本初の総合イノベーションプラットフォームICI総合センターです。
今回は「ICIオープンイノベーションLIVE」にご参加いただく、ICI共創パートナーの株式会社ネーブル・ジャパン様のご紹介を致します。
以降は株式会社ネーブル・ジャパン様作成の文章になります。
株式会社ネーブル・ジャパン
株式会社ネーブル・ジャパン(http://naveljapan.co.jp/)は三重県松阪市の企業・有志により2018年10月29日に開業しました。100%民間資本の地域商社で、日本のヘソ(ネーブル)から世界を目指しております。①事業(地域に埋もれた優れた知的財産(企業)を発掘して事業化を進める)、②商品(ポテンシャルの高い地域の商材を発掘し、高付加価値化して販路の拡大や観光資源に繋げる)、というビジネスの2本柱を掲げました。①のベンチャー技術のマネタイズ化という点が弊社の大きな特徴です。
現在、事業としては音響建材で地域材に付加価値を付ける事業と日本発の安全なガラス転移技術を実装化する事業に取り組んでおります。また、商品としては、デカフェ、エスカルゴの缶詰、桧のエッシャンオイルを使った殺菌スプレーなどを提供しております。
製品・サービス紹介
A.事業
■ 音響建材・地域材活用事業
松阪市で長年研究開発に取り組んできた株式会社山の加工場ネットワークの横濱金平氏の知財に着眼し、社会問題(地域経済や林業の衰退、高齢などによる難聴者の増大など)の解決に挑んでいます。難聴時代のソリューションとなる新しいコミュニケーション技術を使い、地域の豊富な資源である木材に創造的な価値を付け、環境負荷を低減させ、音による心的ストレスも軽減させる空間を創出します。
① 横濱金平氏の知財の要点
音のエネルギーを収束・増幅させて一点に集中し、強いエネルギーにしてから巨大な面振動を発生させる技術です(特許取得済、海外特許出願済)。これにより、木材の性質、ポテンシャルを最大化させ、人にも環境にも優しいプロダクトを開発しました。この横濱氏の技術を基に、豊富な資源である木材を有効活用するだけでなく、聴覚の不自由な方にも聞こえやすい、新たなコミュニケーションを実現する取組みです。木材に振動を与えることで、出てくる音は耳にも心にも優しい音になり、「新鮮で気持ちのいい音」、世界の名器と言われる楽器のような「未来の音」が生まれます。
② 技術の評価(浪花千葉音響計画有限会社)
・近くでうるさくなく、遠くまで届き、明瞭な気持ちの良い音。
・障害物を簡単に乗り越え、遠くまで届く音。
・駆動点がピンポイントで面振動を起こすので、音の歪みが軽減され、広範囲なエリアに提供できる澄んだ音。
③ プロダクト(製品)
「KINPEI」ブランドとして(https://kinpei.jp/)、プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏(https://productdesigncenter.jp/)に監修を依頼し、アート物の樹齢約350年の神宮御山杉(長さ3260mm×幅600mm×厚さ60mm)から奏でる「Soundwoods サウンドシステム(楽器)」を代官山蔦屋書店で展示をしました。木全体を共鳴させることで、疲れない、素材の個性をいかした余韻や重なりのある音が生まれました。室内楽のホールのように耳だけでなく全身に心地よく響き、ボディーコンダクションを実現しました。第二弾として新たな製品を制作中です。
図1:神宮御山杉から奏でる荘厳なサウンド
④ システム(建築空間への適用)
面振動を起こすドライバーユニットを木質の壁・天井・床などに装着するだけで、装着面を共振させてソフトで気持ちよい木目細やかな音を出します。既に、役員会議室(図2)、病院待合室(図3)、保育園の天井、酒蔵の壁、古民家の屋根裏などへの適用例はあります。
図2:役員会議室の左右の壁面 図3:病院待合室の天井
■ガラス転移を実装化する事業
「ガラス転移技術は21世紀に残された物性物理学の最後のフロンティア」(東京大学物性研究所)と言われております。株式会社超越化研の岩宮陽子氏が1997年に開発した「超越技術」は、日本人による日本発の安全な最先端技術として、材料科学や医療分野を始めとした多くの分野の進展を促し、脱プラやSDGsなど世界的な課題を解決することができる技術だと考えており、実装化に向けて研究を進めております。
① 岩宮陽子氏の知財の要点
本来、「ガラスは常温で個化した液体である」という定義から、1000度を超える熱を液体化では必要とします。しかし、「超越技術」では空気中または物質(有機・無機)中のOH基(水分・湿気)に反応し、ガラス質の薄膜を常温常圧で強酸を必要としないで反応生成する技術です。中性なので、紙、木材、布、砂利などの基材を痛めることはなく、撥水性、不燃性、耐油性、高硬度・耐摩耗性等の機能を付することが期待されるシロキサン結合の薄膜を作ることができます。新機能木材、脱プラスチック製品、放射能汚染物質の飛散防止剤など、様々な分野での活用が期待されます。しかも、2008年に米FDA(食品医薬品局)の安全基準を確認しております。
② 米国の科学雑誌の表紙を飾った「超越技術」
紙をプラスチックの代わりに使うことのできる超越技術の研究成果を纏めた論文(東京大学廣井善二教授が執筆)が米国化学会の研究雑誌である「Industrial &Engineering Chemistry Research(2021年1月13日号)」の表紙に掲載され(図4)、日本でもこの研究成果の論文を紹介する形で、東京大学のHPで公表されました。
https://www.issp.u-tokyo.ac.jp/maincontents/news2.html?pid=12021
そのポイントは、「この超越コーティングを施した紙はプラスチックのように使え、廃棄後に環境負荷を与えないため、海洋汚染などのプラスチックごみ問題解決に寄与することが期待される」というものです。
図4:表紙で紹介された「超越技術」
図5:超越コーティングされた紙飛行機を用いて行われた風洞実験の様子。下は、マッハ7の風力で発生した衝撃波。
図6:(a)コーティング液を固化して作成したバルク体
(b)超越コーティングを施した紙製品
(c)コーティング紙上に滴下された水滴
(d)コーティングあり(左)なし(右)の
紙ストローを水に浸してから3日後の様子
図7:コーティングなし(左)、あり(右)の500時間後の耐候性テスト
B.商品
■カフェインレス99.9%の珈琲
前田建設工業株式会社のICI総合センター(ネスト棟)で、弊社がご紹介させて頂いたデカフェ珈琲を飲んで頂けます。松阪のシティ・ホールディングス株式会社が三重県桑名市にある越臨界技術センター株式会社(名古屋大学発のベンチャー企業であり、日本で初めての超臨界技術による大型のデカフェ工場を立ち上げました)に委託して、珈琲豆からカフェインを抜いて貰っており、「ゆめみ珈琲」として販売しております(https://www.yumemi-coffee.jp/)。カフェインレス99.9%であり、レギュラー珈琲と遜色のない味と香りです。デカフェ市場は、欧米では珈琲市場の15%以上を占めておりますが、日本は1%程度にとどまっており、ウエルネスな時代と共に需要が増えていくことが予想されます。是非、レギュラー珈琲と風味が変わらないデカフェをICI総合センター(ネスト棟)でご賞味下さい。
図8:ICI総合センターで味わえるゆめみ珈琲
■フランスで絶滅危惧種に指定されているブルゴーニュ種のエスカルゴの缶詰
松阪でエスカルゴの完全養殖に成功した高瀬俊英さんがおります。天然だと3年かかる成長をわずか4ヵ月に短縮することに成功をしました。フランスで絶滅危惧種に指定されている「エスカルゴの王様」といわれる、ポマティア(ブルゴーニュ種)の蘇らせたのです。松阪発祥の食品商社である国分グループ本社株式会社に繋ぎ、2020年9月に自家製ガーリックバターソースのブルギニュンを缶詰として発売を始めました。
https://www.kokubu.co.jp/brand/escargot/
弊社はこの缶詰を松阪市のふるさと納税として扱う企業に認定して頂き、ご提供をしております。本場、フランスでも味わえないブルゴーニュ種のエスカルゴを是非、ご賞味下さい。
図9:ふるさと納税でも入手できる松阪産の奇跡のエスカルゴ
その他、三重県で埋もれた商材を発掘して、商品化するプロジェクトが進行中ですので、お楽しみにしていて下さい。
3. 最後に
弊社は埋もれた技術や商材を発掘しておりますが、前田建設工業株式会社様には大変、お世話になっております。今回ご紹介させて頂きました2つの技術の社会実装のためにサポートを頂いております。また、デカフェもICI総合センター(ネスト棟)もご提供して頂いております。今後、社会問題の解決のために共創して参りたいので、引き続き宜しくお願い申し上げます。