箱ミライドン反省会
チームメイトが世界権利を取ったのでなんやかんや3ヶ月くらいクレイバーストのカードプールに幽閉されています、どうもいちょーです。ロードレースの話しかしてなかったらいい加減チームメイトの我慢の限界を迎えたようで怒られてしまってTwitterアカウントを分けました。なんかアピールが欲しかったけど書くこともないのでこの数週間たまーに触って遊んでた箱ミライドンについてまとめます。暇な人は読んでってください。ちなみにそんなに強くなかったです。おもろかったですけどね。
というわけでリストの紹介から。こんなようなリストを考えていました。

原案はNAICの配信卓に遡ります。以下のリンク先をご参照ください。災いの箱入りのミライドンがDay1上位卓にいました。
インテウーラやアルジュラブラッキーも十分その部類ですが、新規のデッキを開発する余地がほとんど残されていない中でこれは中々いい案のように思いました。ミライドンというと、安定感とフェアなサイドレースの双方に問題がありました。
ミライドンの3エネは足回りがしんどく、それを雪ジャッジで誤魔化そうにも上振れ下振れがかなり激しくなってしまいます。フェアなサイドレースができるようにレジエレキVMAXで火力を盛ろうとするとやはり安定感の壁にぶち当たります。こちらはジェネレーターの当たり外れの影響を特に受けやすく、Bo3での真価は計りかねますが、少なくとも国内で使うのは理性的判断と言えない状態でした。あるいはお守りで耐久を確保しようにもギラティナやサーナイト、ミュウ等のトップTierデッキにHP50の変化は大した影響もなく、こちらもあまり良い構築とは言えませんでした。そんな中でこの構築です。僕はこれに魅力を感じました。
ライコウは小回りの効く良いアタッカーです。2エネはモココ1体で良かったり、ジェネレーター1ヒットで十分安心できるラインです。ドローもついているのでそれにより後続の用意も安定させやすくなっています。が、火力が不安定であり、耐久も乏しいというのが大きな欠点でした。ベンチ1枠を開けるだけで相手のVがライコウを耐えることが可能であり、逆にダブタアルセウスにすら倒されてしまいかねない耐久しかありません。災いの箱はこれを解決しているように感じました。主張点は以下の通りです。
VSTAR, VMAXを後続の圏内に押し込むことができる
サーナイトの有利交換を拒否できる
ペパーを(比較的)強く使えるデッキである
ジャッジマンを1ターン目から打てるデッキである
またジバコイル+ロストシティのギミックはサーナイトだけでなくロストにも有効に機能します。研究してみる価値があるように感じました。その中でどういった変遷を辿ったのか、採用カードとその枚数から振り返っていきます。
採用候補
ミライドンex 2〜3枚
デッキの枠がなく2枚で運用をしていましたが、サイド落ちすると一気にベンチ展開が苦しくなり、3枚目なり最低でもヘビーボールなりを採用したいと思っていました。ライコウをボードに出し続けることと、モココラインの確保に必要ですし、それらを運用しやすくする逃げ0のゼラオラや打点をずらせるサンダーも置けるので細かい立ち回りも可能にしてくれます。ナンジャモのあとのシャッフルもジェネレーターのヒット率やしゅんそくのドローの質に影響します。8点を返したVMAXやVSTARを取り返すのにライコウでは足りない場合が多く、アタッカーとしても便利です。
ライコウV 3枚
ミライドンを複数動かせる構造になっていないためにアタッカーの数は重要です。ライコウを複数並べることで1ターン目から山を掘る能力が高くなり、ジャッジマンの打ちやすさを底上げしています。また、ボードに並べるVが多いとそれだけ道具の選択肢を広げることができます。箱をつけて前に出たいVと安定感のために森石をつけたいVとの天秤に直面することも多いですが、ミライドンとVの総数がそれを容易に解決してくれます。
ジバコイルVSTAR, V 1-1or2枚
先2からジバコイルを前に出しやすく、相手の盤面への圧力が高くなっているので採用しています。マナフィやキルリア、クレッフィの処理がしやすく、ジャッジマンと非常に噛み合います。唯一の難点は9点狙撃と森石が両立しないことですが、これらサーナイトやロストに対しては相手の初速が遅く比較的ゆっくりできることからあまり問題にならないように感じています。
VSTARはこのデッキの中で唯一相手の大物の攻撃を耐える可能性があり、こちらもジャッジマンやナンジャモを絡めた耐久戦略とマッチします。
ドラピオンV 0〜1枚
ミュウ対面で有効なのはもちろん、モココ使えば意外と4エネつけるのも可能でサーナイトexをワンパンできるのも魅力ですが、あまり枠がありません。ミュウを意識する場合、空の封印石まで入れる必要があると考えており、現在は抜けてしまいました。箱で8点乗ったミュウのHPは230でありサンダーありミライドンやライコウで倒せるように思いがちですが、彼らはスイーパーを大量に採用しており箱がクリティカルに機能することはあまりなく、ミュウにはここまで強烈なメタが必須なように感じます。一方ペパーを採用できていることもあり、この2枚を採用した場合はその再現性が高く、適切な環境読みのもとではかなり偉いはずです。
モココ-メリープ 2-2枚
ライコウの耐久がなく、攻め手を途切らせることのないように採用は必須です。箱のおかげでモココ採用でも打点をどうにか足りる算段になっています。
サンダー、ゼラオラ
ミライドンやライコウの220点ではカイリューVを倒せないので、サンダーの10点増強は今の海外環境では必須です。ミュウに対してドラピ不採用の場合でも箱が通れば残りHP230となりサンダーのおかげで勝ち筋が残りやすくなります。
ゼラオラはミライドンから出せる逃げ0で足回りやプレーが簡単になるほか、サーナイトに対して有効なアタッカーともなります。奇数進行しつつ相手のVSTARをミライドンやライコウ圏内に押し込むのにも使える便利枠で、かなり価値は高く感じます。
かがやくアマージョ
原作リスペクトで採用しています。確かに便利で、ジバコイルVがウッウを2回耐えるようになってマナフィが最速で帰ってくる展開でもきっちりVSTAR技でサイド4枚回収を可能にしてくれたり、テレポートブレイクやメモリースキップで箱を避けようとするのにも回答となります。連撃対面でマナフィを守るのにも使えたり偉いのですが、なんかイマイチよくわかりません。何が悪かったかの項に答え合わせがあります。
マナフィ
連撃デッキが増加していることや、カイオーガに対して無抵抗なのは流石に許容できず採用必須に感じています。インテレオンからのダメカンもアマージョでどかしやすく、意外と有効に機能します。
ポケギア3.0
しゅんそくから数多くのサポートにアクセスできるようになるだけでなく、ジバコイルVSTARでの足回りもいくらか柔軟になります。サポ現物の総数は十分にあるので、いくらかこれに回すのは十分ありに思います。
ロストスイーパー
ペパーから雪道を外す選択肢として欲しいです。ペパーで手が増えなくてもしゅんそくでそれを補えるので魅力的ですが枠がありません。
空の封印石
ドラピオンとセットで入れたりサポート増やしたりすると結構活躍しますが、少し扱いが難しいです。
何がダメだったのか
確かにライコウVと災いの箱はかなりいいコンビネーションでした。相手より先に技を打ちやすいデッキでそのリードをキープできるのは偉いのですが、逆に言うと先攻めできないときにそのビハインドを取り返せる構成になっていないのが問題でした。2体がかりで相手のVSTARを処理する構造上箱が通るのは前提ですし、どこかで相手のアタッカーが途切れてくれなくてはなりません。ジャッジマンがそれを担いますがアルセウスの場合は一度動くと後続を簡単に確保してしまい、雪道まであわせないと思ったほど有効ではありませんでした。
ペパーの弱さも問題でした。ペパーを比較的強く打てるデッキだと思っての採用でしたが、ペパーだけでそのターンや次の番までの要求を解決できる場面がほとんどありませんでした。何がペパーを強いと思わせたのかというと、ドロー特性を複数回使える上に、道具も森空箱と選択肢が広いといったものでしたが、しゅんそくだけでは要求を満たすことは難しく、逆にペパーを打てば打つだけジリ貧になるばかりでした。
というわけで、箱を避けられたり出遅れた際に取り返すのが難しく、またトップが弱い構築になっているのもデッキパワーの低さに拍車をかけていました。こちらが先にマウントを取れる展開というのもあまり多くなく、現状では安定して弱いデッキのように感じます。というのも相手の展開が乏しい場面ではライコウの打点は大抵不十分で、結局ミライドンやジバコイルといった相手の盤面に強く干渉できるアタッカーが必要でした。ジバコイルは相手のデッキに強く依存しますしミライドンはそのエネがしんどい上に相手への干渉力という点で雪ジャッジの方が圧倒的に優れています。Bo3では安定感ももちろん重要ですが、それ以上に回った時の爆発力が重視されているように思います。これはその要求にそぐわないデッキでした。
ミライドンとかいうカード
なんなんですかね。強そうなテキストはしてるし、シリーズを代表するカードとしてデザインされているべきで強くあってくれなくては困ります。ザシアンVは実際に環境を定義する1枚として君臨していましたし、コライドンの惨状と比較してこれに期待をかけるのもわかるのですが、ミライドン軸で強いデッキを作るのはもう不可能なのかなと思っています。
今のポケカは盤面で戦うカードゲームです。サーナイトやアルセウス、ルギアがその代表例で、それを助長するのがナンジャモの存在です。毎ターン自分の要求と戦い続けるのは利口ではありません。その中で3エネ要求のHP220というのはあまりに環境にマッチしていません。
これがピカゼクなら殴るだけで後続が用意できていました。ザシアンならなんでか知らないけど謎の神様が3エネ用意してくれていましたし、ザシアンの2体目がなくてもサイドを6枚取り切れていました。後続を用意する能力がなく、さらに相手のルール持ちと有利交換できる耐久や火力があるわけではない。これでは勝てるデッキにはなりません。エネ要求が少ない雷の強力なアタッカーの登場が待たれます。ライコウでは役不足でした。あるいはエレパとカプコケコとサンダーマウンテンと願い星ジラーチとエスケープボードが全部再録されたらもしかするかもしれませんが、多分それでもミュウより弱いファンデッキ止まりのように思います。
というわけでCL愛知でベスト16を取らせてくれて愛着のあったミライドンに別れを告げるには長すぎた2週間の成果の振り返りでした。ツールドフランスの話ばっかでありえんうるさかった僕のTwitterも分離してポケカっぽい話は新しい方に一本化しようと思いますので是非フォローしてもらえればと思います。なんか新垢作って思ったけど歴の割にあまりにコミュニティが狭すぎるから是非どんどん絡んでください。では。