Magene PES-P505 Base 購入
諸注意
下書きのまま2ヶ月近く寝かせてしまったので8/29現在の状況と変わっていますが、せっかくなのでそのまま載せます。
あと、取り付けなど一応マニュアルに則ってるので参考にはなるかもしれませんが、DIYで作業する時は自己責任でお願いします。
経緯
というほどでもないのですが、今使っている片パイの電池の蓋がよろしくない状態になっているのと、そろそろ両足計測可能なパワメが欲しいなと2~3年ほど前から漠然と思ってたところ、昨年このパワメが発売されました。
国内代理店が取り扱いを始めたとはいえ、当初は「中華製でリーズナブル過ぎるお値段(クランクとパワメセットで脅威の4諭吉、あるいは4栄一)」ということもあって様子を見ていたわけですが、発売から1年経ってレビューなんかも出揃い、初期不良らしきもの(固定ボルトが緩みやすい)も解消され、なかなか悪くない評価ということで情報収集してました。
そんな中、誕生日を迎えて家族より欲しいものを聞かれた際に交渉したところ、まさかの「いいよ」という回答でして、リコールクランクの受取に行った際にショップで在庫を確認してもらったら即納可能だったので発注してもらいました。
そして、店休日を挟んで翌営業日に入荷になったので速攻で受け取ってきました。
開封
こんな感じで箱に収められていて中身は以下のようになっています。
・スパイダー型パワーメーター本体
・右クランク+固定ボルト
・左クランク
・取り付け用アダプター
・専用充電ケーブル
・位置決め用ボルト(M20)(シマノで言うところのキャップに該当するパーツ)
・チェーンリング固定ボルト(シマノ流用時は使わない)
・各種マニュアル
・クランク固定ボルト緩み防止Oリングの予備
重量計測は忘れました。
組み立て
基本的にはマニュアルに沿って組み立てればOKでした。
尚、マニュアルには書いてありませんでしたが、右クランクにパワメを固定する際にはあらかじめセットされている固定ナットを一旦外す必要があります。
ちなみにパワメと右クランクの位相関係については切り欠きの位置を合わせれば良いので変な角度になることはなさそうです。位置合わせしないと固定ナットも入りません。
固定する際は同梱のアダプターに加えBB用の工具を別途用意する必要があります。
トルク指定が35~45N・mですが、アダプターがプラ製な上にクランクというパーツの形状的にどこかに固定して締めるというわけにもいかないので、とにかく両手でしっかり締められるだけ締めました。(作業台と万力があればなんとかなりそうですが、うちにはない。)
というか、ここのトルクを測れるトルクレンチは存在するのでしょうか。
尚、固定ナットには緩み止めが塗布されていたのでグリスは使いませんでした。
チェーンリングはFC-08(52-36)のものを移植しました。
(注:8/29現在はZRACEの50-34を取り付けています。)
シマノのマニュアルを参照しトルクは14N・mで締めました。
ここは特にグリスは不要っぽいです。元々も塗布されてた気配はありませんでした。
アプリのセットアップ
組立作業は夜な夜なやっていたので取付作業は翌日に持ち越し、先にアプリのセットアップを行いました。
セットアップの前に専用充電ケーブルを繋いだ状態にしています。
そして、セットアップはスマホで完結するのですが説明が少なくてわかりにくかったです。
まず、付属のQRからのダウンロードが出来ませんでした。
仕方なくAppStoreで検索したらヒットしたのでそこからインストールすることになりました。
続いてサインアップです。
メアドを入力した後に「Verification Code」欄の右側にある「Send Code」を押すとメアド宛にコードが届くので入力します。ここがわかりにくかった上に60秒の入力時間制限もありました。
その後、パスワードを決めチェックボックスにすべてチェックを入れて「Sign Up」ボタンを押します。
次にアクティベーションです。
サインアップが終わるとホーム画面ぽい画面になるので「Add New Device」でパワメを追加し、再びメアドを入力して「Get Code」を押すと先ほどとは異なるコードが届くので同じように入力し、「Activate」を押したらアクティベーション完了です。
するとパワメに関する各種データを表示する画面になりキャリブレーションなども実行できるようになります。
ただ、フレームに取り付けていない状態でキャリブレーションしてもなんとなく意味ないんじゃないかなと思ったのでこの時点では実施しませんでした。
取り付け
基本的にはマニュアルに沿っています。
ただ、マニュアルに記載のない左クランクのスプラインのとこにもグリス塗りました。
これはシマノのクランク取付時にも塗布する箇所だからです。
あと、シャフト全体にも薄く塗っていますがこちらは砂埃を寄せ付けるだけで不要説など諸説あるのでお好みで良いと思います。
1.右クランク取り付け
BBに右クランクを通します。
シャフト径が24mm、つまりシマノクランク(シマノ互換クランク)を使ってる場合はBBはそのまま使えます。
特に注意点はありません。
2.左クランク取り付け
左クランクを嵌めます。
この時、先に書いた通りスプラインにグリスを塗っています。
ここまではシマノと同じなんですが、シマノと違ってどの角度でも左クランクが入りそうなのできちんと右側と対角線になるように気をつけて取り付けました。
3.位置決め用ボルト(M20)取り付け
次に位置決め用ボルト(M20)を取り付けます。
シマノで言うところのキャップに該当するパーツですね。
ここには10mmの六角レンチを使います。
後で出てきますが、二重構造になっていて内側が更に6mmの六角レンチで締められるようになっています。その間に緩み防止Oリングが挟まっています。マニュアルではこのOリング部分にグリスを塗布するようになっているのでその通りにしました。
(※余談ですが、一時期はボルトといえば猫も杓子もグリスみたいな風潮でしたが、最近は必要なところにだけ塗りましょう的な風潮が出来つつある気がします。)
トルクは1.5N・m指定ですがそんな細かいトルクは測れないので手で軽く締めました。
ちなみにここで締めすぎるとBB壊れてしまうらしいので注意です。
4.左クランク締め付け
左クランクに最初から取り付けてあるボルトを締めます。
5mmの六角レンチを使います。
最初からクランクに付いているのでわざわざグリスは塗りませんでした。(注:8/29現在、このボルトが錆びだしているのでステンレス製への交換を検討しています。)
マニュアルの指定通り12N・mで締めました。
5.位置決め用ボルト(M20)締め付け
もう一度位置決め用ボルト(M20)を締めます。
今度は10N・mで締めますが4の工程で外周を締め付けられているのでほとんど締め込めませんでした。
最初、トルクレンチがほとんど動かないままカックンしたのでちょっとびっくりしました。
6.増し締め
一応公式で「増し締め」と言われていますが、位置決め用ボルトの二重になっている内側のボルトを指定トルクで締める作業になります。
6mmの六角レンチを使います。
ここも10N・m指定です。
5の工程でちゃんと締めていないとこの工程でBBを壊す可能性があるとマニュアルには記載がありました。
これでフレームへの取り付けは完了です。
フロント変速調整
取り付けは完了ですが、FC-08に比べて少し外側にチェーンリングが移動したようでインナーからアウターに全く変速しなくなったのでFDのL側H側のボルトで調整しました。
シマノのチェーンリングを流用したとしてもポン付けではダメなようです。
キャリブレーション(ゼロ点校正)
最初はサイコン(Garmin Edge530)のメニューから校正してみました。
しかし、これだとうまく校正されないようで試走時に明らかに低いパワーしか出なくて焦りました。
また、サイコンにペアリングしている状態だとアプリがパワメに繋がらない仕様のようで、アプリからキャリブレーションするのに一苦労しました。
サイコンとの接続が切れている状態になってようやくできました。
キャリブレーションについて、マニュアルには「スパイダーを外力のない静止状態に保ち」とか「自転車を地面において(中略)パワーメーターが起動した後静止していることを確認して」のように記載されていますが、パイオニアのように「クランクを垂直にして」みたいな細かい指示が書いておらず、その辺もちょっと探り探りでした。
最終的には壁にロードバイクを立てかけた状態でアプリを接続してキャリブレーションを実行しました。
精度
元が片パイでこのクランクに取り付けできないためデュアレコ不可ということで詳細な比較はできませんが、8/29現在、取り付けから2000km近く乗った感じでは違和感のない値が出ているように思います。
例えば、ロングライドする時の巡航では180W(2.6~2.7w/kg)を目安にしていますが片パイの時と比べても余計に疲れたり逆に疲れなさすぎるということもありませんし、ホーム峠でのタイムに対するパワーも大きな乖離は見られませんでした。(ちゃんと校正できてなかった最初の試走時は低く出てちょっと焦った。)
また、使用開始当初は、片パイと比べて「両足のトルクが検出でき、反応も速い」せいか今までよりもサイコンに表示される値が高くなったり低くなったりと、ペダリングのテキトーさが可視化されたように思います。
特にスプリントやスパート掛けた時の数字はよりリニアに出ていると思われます。
地味に嬉しい点として、ケイデンスやパワーのスパイクが出なくなりデータが濁ることがなくなったのは良かったです。
どうも、パイオニアはスリープからの復帰時にトルクを掛けるとスパイクが出やすいみたいで困ってたのでこれが改善されたのはデータ好きとしてかなりありがたいです。
現在の仕様
文中にある通り、8/29現在はチェーンリングをFC-08の52-36からZRACEの50-34に交換しています。
ZRACEとは、主にアリエクで売ってるいわゆる「中華パーツ」のメーカーです。
シマノと比べて変速性能はちょっと落ちますし、FDの調整はちょっとシビアでしたが、それほど気にせず使えてます。
頻繁にフロント変速をする人、特にゴリゴリ踏みながら変速操作する人にはオススメできないかもしれません。
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