公用車広告①~不良企業の広告を発見
2020年9月22日、市の公用車が、大規模宅地開発業者(株)L・C社(本社船橋市)の広告をつけて船橋駅前を走っているのを目撃した。
実は同社と我が町内は、2013~14年にかけて、同社が行った住民との約束を守らない工事によってトラブルになっている。逃げ回り、開き直る、相手の不誠実な言動に対処するべく、市の建築指導課に相談に行ったこともある。
同社が渋々住民との話し合いに応じ、改善工事を行い、社長が今後のトラブルに責任をもつという協定書にハンコを押すまでに、半年もかかった。
まさに同社は、我が町内にとって不良企業以外の何ものでもなかった。
「市はなんでこんな会社の宣伝をしているのだろう」
すぐに市役所に電話をし、公用車広告の担当部署だという財産管理課に面談を申し込んだ。ちゃんと広告を載せていい会社かどうか調べているのか、確認したかったからだ。
後日わかったことだが、公用車にはL・C社と、グループ会社の不動産会社、(株)LG社(本社船橋市)が広告を出しており、前者は2009年に東京国税局に脱税で告発され、後者は2018年に顧客2万6千人の個人情報を流出させたとして、どちらも新聞報道されていた。
広告を載せていい会社かどうか、調べるのは当たり前
みなさんは公用車広告というものをご存じだろうか。私はこの時までそんな事業が世の中に存在することを知らなかった。そもそも公用車のような市の公共財産に、民間企業の広告を載せていいのか? いや、絶対にだめだろう、と思っていた。
しかし面談の前、インターネットで検索して驚いた。北から南まで、公用車に民間企業の広告を取っている自治体が山のようにヒットしたからだ。
そもそも財務省や総務省は行政財産を有効活用し、「税外収入」を得ることを認めていて、特に財務省は国有財産について「行政財産を貸付け又は使用許可する場合の取扱いの基準について」(昭和33年施行)というガイドラインまで作っていた。
人口が減少=税収が減少している現代において、自治体の錬金術として、公共財産に民間企業の広告を取るという手法は、もう常識になっているようだった。
では百歩譲って公用車広告を認めるとしても、広告を出していい会社かどうかのチェックは必要なはずだ。なにしろ市が公共財産を使って宣伝している以上、市民は「市がお墨付きを与えた会社だから信用できる」と受け取ってしまうからだ。Lグループ(L・C社とLG社)に限らず、どんな会社に対しても、それは同じだ。
そう、広告主(広告を出す事業者)の審査は、市が市民に対する責任上、絶対にやらなくてはならないことなのだ。 (つづく)