見出し画像

10月20日(日)、梅田ラテラルでの『蛙・怪談ガタリVol.6 大阪怪談スペシャル』近づく!!!

中山市朗です。

10月20日(日)、梅田ラテラルでの『蛙・怪談ガタリVol.6 大阪怪談スペシャル』が近づいてまいりました。
大阪怪談!!
出演は、田辺青蛙さん、渡辺裕薫さん(シンデレラエクスプレス)、そして私。


私が怪談を始めた頃、大阪の怪談を語ったり書いたりしている人はいませんでした。参考となる書籍もあまりなかった。高田衛・著の『大坂怪談』がありましたが、これは江戸時代の怪談集であって私の求める怪談とはスタンスが違ったものでした。
上方落語にしても、オチのある怪談としての落語はあっても、いわゆる圓朝噺のような人情と怨念がからむような本格的な幽霊談というのは育たなかったんですね。
千日前怪談も、「こんなん視たで」とか「こんなことあったわ」という体験談、目撃談は語られてもそれを体系化したり、一つの怪談の分野にするという人もいなかった。
1990年代に作家の有栖川有栖さんと四天王寺の太子殿で対談したときも、大阪に怪談て少ないよね、という話をしたりしました。当時は、大阪、怪談、とネットで検索してもヒットするものは少なかった。東京、怪談はもういっぱい出て来たんですけれども。

だったら大阪というか関西の人たちが怪談に興味が無いのかと言うとそうでもなく、1990年に関西テレビで放送された『恐怖の百物語』は、裏番組だった上岡龍太郎、島田紳助が出ていた『Xテレビ』の視聴率をしばしば抜いていて、話題となったんです。あるいは現代の怪談を書いたり語ったりする旗手は大阪芸大出身だったりする。私と木原の『新耳袋』コンビがそうだし、そのきっかけを作った『あやかし通信』の大迫純一君がそうだったり、後輩のいたこ28号君も出てますし。
北野誠、竹内義和の『サイキック青年団』のコンビも大阪出身。かなりの初期から語る怪談を意識した怪談社の紗那(糸柳寿昭)、紙舞(上間月貴=彼のこと、心配です)も大阪は十三を拠点とした活動から始まり、怪談を最初にメルマガ配信させた雲谷斎さんは、京都の人。
彼らが活動を始めた頃に、東京には稲川さんは別にして、そんなに語り手はいなかったと思います。ファンキー中村さんくらい?

これ、どういうことなのかを思うに、上方(大阪、京都)の人たちは、芸、語りとしての怪談はありとするが、深く考えない、どこか唯物論的な発想があって、話は聞くが幽霊なんておらへん、という土壌でもあったのかなと。
江戸の芸能だと、惚れあった二人が世の無常の中に心中でもすると化けて出る怪談噺となるところを、上方の浄瑠璃では、心中して終わる。ただ思うに、ほんとの恐がりというのは、そういうことを認めたくない。幽霊が怖いから目をつむる、否定するという面もあったと思います。だから昔の大坂人は、ちょつと怖い霊体験を聞くと「ほんで、オチ、どこやねん」とオチを求める。オチはこの話は嘘でした、ということを意味しますから。まあそれがお笑いの文化を生んだともいえましょうけれども。
「幽霊、化け物なんかおらへん。化け物より人間が怖いんや。そんなことより銭や、銭」とか言いながら、夜中のはばかり(便所)に一人で行くのが実は怖い、というのが大阪人ではなかったかと。
実は先述した『恐怖の百物語』のは視聴率がそうだったんです。私は番組の構成担当だったので言えますが、今回は怖いぞ、と自信をもって放送すると視聴率は伸び悩み、今回は、う~んと怪談の質があまりよくないときに視聴率が上がる。きっと「なんやこの話、全然怖ないやん」とテレビに突っ込みながら見れても、マジで怖いのんはやめて。という関西人の気質の現れでしょうな。

ここ、10年でそういった怪談に関する考え方は随分と変わり、インターネットの影響もあって怪談を素直に楽しむ、表現するという時代となりました。田辺青蛙さんは、現代の大阪怪談を取材し掘り起こし、歴史とリンクさせる活動をされて『関西怪談』『大阪怪談』などを出版し、漫才師である渡辺裕薫(シンデレラエクスプレス)さんは、芸能界の中の怪談を取材し語っておられます。今はもう亡くなった古い芸人さんの体験談など貴重な話が彼によって保存されているのです。
そして私も、ずっと大阪を根として怪談蒐集を続けております。

今回の『蛙・怪談ガタリVol.6 大阪怪談スペシャル』では、その三人による大阪怪談の神髄を皆様に提供できることになるかなと。非常に楽しみでもあります。

ところで前日19日は、プライベート怪談会。
いつもは5時(20日の朝5時)終了後は、無制限の飲み会となりますが、私もライブの準備や、寐んといかんので、8時に散会とさせていただきます。
参加者の皆さん、そういうことで。

10月20日(日)
『蛙・怪談ガタリVol.6 大阪怪談スペシャル』
出演 田辺青蛙(ホラー作家)
ゲスト 中山市朗 渡辺裕薫(シンデレラエキスプレス)

場所 梅田ラテラル

18:00 開場 
19:00 開演
観覧 前売2500円 当日3000円
配信2000円

ともかくね、大阪に関わる怪談、大阪ならではの怪談を三人で語りつくします。

詳細⇩









いいなと思ったら応援しよう!