花物語~ハボタン
花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・
画像提供:「花ねこ日記」
私は誰私は何
2008/12/30(火) 午後 9:38 童話『花物語』 小説
やあみなさん
おめでとうございます
・・・と言うのはもうじきですが
はたしておめでたいのかどうなのか
私のこの恰好を見てどう思いますか
懸崖仕立てとかいうのですか
菊じゃないのですから私はとっても不満なんです
まさかみなさんは
私が好きでこんな恰好してると・・・
そうだったら私はよほどのへそ曲がり
たしかにへそ曲がりで
みんなと同じようになるのは嫌いですが
自分の力ではこんな恰好にはなれません
誰だか懸崖にしたら面白いと思ったのでしょうね
からだに針金を巻かれてこんな恰好にされたのです
私はハボタンですよ
昔は開いたキャベツに色がついたようなものだったんです
それが花くらいに小さくされて
それだけではなく無理やり茎を曲げられて
私は誰私は何って言いたくなります
そんなふうに私をつくる人もつくる人ですが
変わっていると仕入てくる花屋さんも花屋さん
私を気に入って買ってくれる人がいればその人も変わってる
みんな変わってますよおめでたい人たちですよ
実はけっこういけてると思ってる私が一番のおめでいたい奴ですね
まぐまぐ!「花を歌うかな」'08/12/30 No.1285
「花を歌うかな」で発表していたものです
そのメルマガはすでに廃刊しましたが
ブログに保存していたものを再掲しています
藤川一郎
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