高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【258】
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【随筆】映画「三大怪獣 地球最大の決戦」雑感
高山の作品から
随筆「映画『シー・オブ・ラブ』と、『恋のためらい/フランキーとジョニー』 アル・パチーノ 雑感」
2017/03/30
映画『シー・オブ・ラブ』は、アル・パチーノが九十年代に入り、再び快進撃を開始する予感をさせた映画だと思います。
アル・パチーノの映画の中では佳作ですが、当時ビデオ店に居た僕は、アルパチーノの新作が入るよと言われて楽しみにしてました。
そのレンタルビデオ店には店長の人が、当時の僕より十才程歳上の三十才位です。
他のお店を任されてて、僕らの店には偵察がてら来てましたね。
昼間にほとんど来て、たまに昼御飯を奢って貰ってました。
人から聞くけど若い頃は相当悪かったようですが、僕には優しかったし。二十一とか二十二歳の僕には随分大人びて感じましたね。
二十代からすると、三十代とか大人だなと勘違いしてましたよ。
その人がアル・パチーノ好きで、僕より一つ年下の店長代理の男も好きでしたね。
三十代のその人の影響でしょうね。
当時は、時間が開いたらモニターテレビを何台も置いてて、好きな映画は見られましたからゴッドファーザー等は何度も観てました。
夜は、学生のアルバイトが多くて雰囲気変わったけど、昼は昼の良さが有りました。
夜は夜の楽しさがあったんですがね。
皆若いし、女のアルバイト居ないしで楽しかったですよ。
青春ですね。
アル・パチーノマニアとしましては、『シー・オブ・ラブ』を今回紹介します。
1989年のアメリカ公開ですが、僕がビデオで観たのは1990年代の初頭でしょうね。
今ほどビデオになるのが早くなかったし、ビデオになるのも何でもなるって事ではなかったですよ。
ある程度のレベルがあるか、知名度があるかですね。
知名度が有れば、え!?ってのも入ってきましたけどね。
複数本入るのは、やはり大きな興行会社で主役も有名な人です。
この頃流行ったのが、アーノルド・シュワルツェネガーとマイケル・J・フォックスですね。
落ち目になりかけてたのが、シルベスタ・スタローンでした。
今でこそシュワちゃんとスタローンは共演するけど、当時はシュワちゃんがスタローンを追い落としたように見えましたね。
トム・クルーズも若くして上がって来てたけどね。
マイケル・J・フォックスは、病にならなかったらどうなってたでしょうね。
マイケル・J・フォックスはバーキンソン病を患ったらしいけど、今でもまた違う方面で活躍してるようで良かったです。
とにかく、当時はマイケルは沢山出てましたね。
好きな俳優でしたけどね。
エディ・マーフィーも、『ビバリーヒルズ・コップ』等のヒットで人気有りました。
そういう状況では、アル・パチーノもロバート・デ・ニーロも既に御大的な存在でした。
そりゃ四十代後半ですからね。
今でこそトム・クルーズ等は五十代になってもアクションスターをやってるけど、当時はそういう人は居なかったです。
アル・パチーノの映画で店で繰り返して観たのが、やはり『ゴッドファーザー』です。
僕らも若いから、ギャング映画の陰謀とかに憧れたんです。
実は壮大な家族映画なんですけどね。
もう一つ、良く流したのが『仁義なき戦い』シリーズです。
こちらも刺激的でしたね。
若い頃の、キレてる菅原文太はかっこ良かったです。
僕は、『ゴッドファーザー』を観てから。店にあるアル・パチーノの映画を観ます。
ロバート・デ・ニーロもそうやって入りましたね。
『スケアクロウ』や、『セルピコ』や、『狼たちの午後』はお気に入りでした。
ロバート・デ・ニーロは、『タクシードライバー』で完全にやられました。
今でもベストの映画は『タクシードライバー』、『ゴッドファーザー』、『スカーフェイス』、これがその時によって変わります。
最近ので言えばレオンとかも入ってきますが、この辺りには勝てないのは、自分自身が若い頃に観たからですね。
レオンも充分旧いけどね。
前置きが長くなりました。
『シー・オブ・ラブ』ですが、ニューヨーク市警に勤める疲れた中年の刑事を、アルパチーノが好演します。
同僚に妻を寝取られてて、中年の疲れや焦燥が出てます。
そういう時に連続殺人事件が起きます。
アル・パチーノ扮するフランクは、部署は違うけどジョン・グッドマン扮するジャーマンとコンビを組みます。
男がうつ伏せで撃たれて殺されてるですが、セックスの後なんですね。
そこに、『シー・オブ・ラブ』の古いドーナツ盤が掛かってるという共通点が有ります。
もう一つの共通点が、被害者が新聞の出会い系と言っても良い欄に、詩を必ず投稿してるですよ。
ここから囮捜査を、ジャーマン刑事とフランクがやり始めます。
自分達も詩を投稿して、女性と会うんですよ。
そこから、現場に残された指紋と照合する為に、相手のグラスを必ずチェックします。
この捜査は、最初は上からダメ出しされるけど何とか通ります。
新聞の投稿が出会い系になるって時代を感じますし、来る女達が何処かしら孤独を抱えてたり、アル・パチーノの正体を何となく怪しんだりって辺りも面白いし、ニューヨークの風俗を感じます。
そういう中に、エレン・バーキン扮するヘレンが居ます。
新聞の投稿の出会い系を見て来ますが、誰でもそうなんですが、出会い系と言ってもイヤらしさは無くて、女性達が孤独をもて余してるんですよ。
エレン・バーキンとは、その場では上手く行かないんですね。
後に恋人として付き合います。
だけど、エレン・バーキン扮するヘレンの指紋は採ってないんです。
もしかしたら連続殺人犯か、と疑いながら付き合います。
この映画は、ジョン・グッドマンも相変わらず良いんですが、エレンバーキンですね。
エロチックサスペンスを大いに盛り上げます。
このエレンバーキンが美人かと言えば美人ではないけど、なんと言うかセクシーパワーが凄いです。
この映画の難点で言われてたのが、サスペンス部分が弱いって事です。
だけど、アル・パチーノとエレン・バーキンを観れば良いんです。
そして、ニューヨークと言う世界最大の大都市の孤独を感じたら良いんです。
ストーリーは調べたら分かります。
後のマイケル・タグラスとシャロン・ストーンの『氷の微笑』と少しだけ似てますが、あそこまで露骨なエロさはないですね。
僕がとても好きなシーンは、エレン・バーキンは靴屋の店員です。
高級な靴屋です。刑事などは行きそうも無いところです。
アル・パチーノは、印刷業をしてると嘘をついてます。
ふとその靴屋に、アル・パチーノが寄るんですよ。
エレン・バーキンは嬉しそうに、どういう靴にするかと接客します。
そこに街のギャング達が入ってきます。
チンピラですが、羽振りは良いんです。
前に置いてたあの靴はないのかと騒ぎます。
ソファーに座ったアル・パチーノは、彼らをじっと見ます。
目線を逸らしません。
相手もアル・パチーノに気付きます。
そこで、アル・パチーノが刑事って、相手には分かるんですよ。
このシーンでエレン・バーキンにもバレるけど、アルパチーノの迫力ある目線がとても良いです。
ソファーに座りながらも、相手を完全に威嚇してる感じです。
この映画は、当時はアル・パチーノ老けたなと周りは言いましたが、そりゃ『ゴッドファーザー』ばかり観てたら老けてますが、僕は追いかけてましたから、特に老けたと感じませんでした。
アル・パチーノが疲れた中年をやりながらも今見ると、アル・パチーノ独特の迫力が伝わりますね。
それとエレン・バーキンのエロさです。
特に、今四十代後半に自分自身がなって観ると、あーこの女にハマるよな、と思いますよ。
アル・パチーノの完全な復活作とまでは行かないけど、復活の予兆が有りますし、当時の風俗も良いし軽く観られるけど、何故か何度も観たくなる不思議な魅力のある映画です。
『オーシャンズ』シリーズ(注:『オーシャンズ13』)でアル・パチーノが出た時に、エレンバーキンが共演してますが、『シー・オブ・ラブ』のような魅力は、あの映画には二人とも無いですね。
それとアル・パチーノはニューヨークが似合います。
他にもニューヨークを舞台にした映画に出てるけど、似合いますね。
是非とは言わないけど、個人的にはアル・パチーノの分岐点的な映画で好きですよ。
ニューヨークを舞台のアル・パチーノの、もう一つの佳作も紹介します。
『恋のためらい/フランキーとジョニー』です。
『シー・オブ・ラブ』と、この映画の間に『ゴッドファーザー パート3』と、『ディック・トレシー』が有りますね。
『ディック・トレシー』は悪ふざけです。
そして、この映画の後に前に紹介した『セントオブウーマン/夢の香り』が有ります。
やはり、この時期が転機ですね。
『恋のためらい/フランキーとジョニー』は、今までのアル・パチーノと少し違います。
何がと聞かれたら、狂気のような物はないんですよ。
ラブストーリーです。
それも、『スカーフェイス』で共演した、ミッシェル・ファイファーと再びです。
これは七十年代に、何度かギャング或いは刑事からの脱却を計ったアルパチーノですが、失敗してます。
『喝采の陰で』とかは、見事に外しましたね。
昔、ビデオで二三度観ただけですが、狂気性のないアル・パチーノにうんざりしました。
アル・パチーノファンの僕でもです。
しかし、『恋のためらい/フランキーとジョニー』は、見事に成功してますね。
脚本とミッシェル・ファイファーのお陰かもです。
傑作『スカーフェイス』では、お人形さんのようなミッシェル・ファイファーも、ここでは孤独を抱えた女性を好演します。
ミッシェル・ファイファーも美人かと言えば微妙ですね。
細すぎますしね。
しかし、そういう身体的特徴がこの映画では生かされてますね。
心を閉ざしてしまった、三十代女性ってのにあってます。
アメリカでは、『フランキー&ジョニー』って曲が有名なようですが、それは抜いて話します。
アル・パチーノ扮するジョニーは、ケチな犯罪で刑務所から出てきたばかりです。
ここで、今までのアル・パチーノならこの犯罪者の部分がクローズアップされますが、今回はそれはされません。
料理が上手い事から、ニューヨークのレストランに紹介状持って行きます。そこで雇われます。
ここでミッシェル・ファイファー扮するフランキーと出会います。レストランのウェイトレスをやってます。
彼女は過去に、男関係で傷を抱えてます。
アル・パチーノは積極的にアタックしますが、なかなか上手く行きません。
そして、レストランの人達の人間模様も丁寧に描かれます。
成功するのも居れば、死んでしまうのもいたり様々です。
アル・パチーノの積極性に一時は心を開くのですが、そうそう単純に行きません。
ニューヨークの孤独の部分も描かれてます。
アル・パチーノは、こういう映画は無理だと思ってたら、非常に上手く演じます。
九十年代初頭のニューヨークもまた、『シー・オブ・ラブ』と微妙に変わってて良いですよ。
ミッシェル・ファイファーは、これからは男は要らないと言って、ビデオを観るとか言います。
この辺りは、九十年代初頭だなと思いますよ。
カウチポテトと言う言葉が流行った頃です。
これは、ソファーに座ってビデオを見たりするのが日本では当時は流行りとされましたが、様々な捉え方有りますね。
今ならパソコンになるのかも知れないし、スマホでしょうかね。
そういう所も時代を感じるけど、古いとは思いません。
ミッシェル・ファイファーが複雑な女を演じて、それを何とかしようとするアル・パチーノ良いですよ。
アル・パチーノにも多少の陰は有るけど、今回は積極的な男を上手く演じてます。
それと、ニューヨーク独特の孤独が、実は色濃く出てます。
色々な点で、『シー・オブ・ラブ』と対をなすように思いますよ。
アル・パチーノ完全復活前、ニューヨーク、エレン。バーキンとミッシェル・ファイファーと言う、女優の個性に引っ張られた映画。
僕は何度か観てるうちに、そういう風に位置付けてます。
エレン・バーキンとミッシェル・ファイファーは全くタイプが違うけど、この時期の二人は良いですよ。
それと、レストランの情景がリアルで楽しいです。
ニューヨークの当時のレストランの中って、こんなのなんだろうかと想像させますね。
わりとストレートなラブストーリー映画ですが、アル・パチーノ上手く演じてます。
劇中でアル・パチーノが、バンダナをしてるのも何とも似合います。
五十代にして、やっとこういうのもやれるのねと思いましたね。
『シー・オブ・ラブ』も、『恋のためらい/フランキーとジョニー』も佳作ですが、アル・パチーノに興味のある人は観て欲しいです。
悪くないですよ。
と言うより、軽く観るなら良いですよ。
『ゴッドファーザー』は、なかなか敷居が高くて観られないって人にはお薦めします。
補足、『シー・オブ・ラブ』は何度も観てるのですが、ストーリーを少し忘れてるかもです。間違いが無いようにとは思って書いてますが、多少の間違いは許して下さい。
おわり
高山の作品紹介
次回は随筆「遺言 甥っ子へ」
「ガーターベルトの女」~映画化のために
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「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編) 1
「新・ガーターベルトの女 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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