花物語~きのこ

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

画像提供:「花ねこ日記 」 http://hananeko.exblog.jp/

きのこ

とうちゃん、かあちゃん
おなじところでじっとしてるなんて
ぼくいやだよ

ぼうや
もりのくうきをすって
じっとしているのもいいものよ
じっとしているのがいやなら
なにをしたいの

かあちゃん
ぼくはもりをでて
大空を飛びまわりたいんだよ
ここでじとしているのはいやだよ

かあさんが小さかったとき
ぼうやとおなじことをかんがえたわ
とうちゃんはどうなの
もりをでてみたいとおもったことないの

とうさんももりをでたいとおもったよ
ぼうやみたいにそらをとびたいともおもった
だからぼうやのきもちはよくわかるよ

とうちゃん
かあちゃん
ずっとねがっていたら
いつかそらをとべるようになるよね

そうだねぼうや
ずっとずっとねがっていたら
ぼうやのこどものこどものそのこどもの
またそのこどものこどものこどもたちが
ずっとおねがいしていたら
きっときのこもそらをとべるようになるよ

2009年ごろ
まぐまぐ!から発行していた
「花を歌うかな」で発表していたものです

藤川一郎
京都市北区紫竹北大門町37 葵荘17号
075-493-4676


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