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高山~映画『15時17分、パリ行き』雑感

2018/08/23

ウィキペディア

アメリカでと言うか、世界的に素晴らしい監督であり俳優であるクリント・イーストウッドの作品から感じた事を書きますね。

映画『15時17分、パリ行き』は、クリント・イーストウッドの監督最新作です。

本人は、出演して無いです。

ストーリーは、数年前に列車内で起きたタリス銃乱射事件を実話を基に、それを止めた三人を中心に描いてます。

タリス銃乱射事件とは、簡単に言うと列車内で起きた銃を乱射した男を若者が止めたって話しです。

クリン・トイーストウッドにしては佳作かも知れないですが、この映画の独特なのは銃乱射事件を止めた三人を中心に、本人達を使ってる所でしょうね。

本人達を使う事で、よりリアリティーが増してます。

三人は友達で幼少期も描かれてますが、特別な人間では無いんですよね。

どちらかと言えば、子供の頃は劣等生かも知れないです。

普通のアメリカ人ですね。

それが、たまたまヨーロッパに遊びの旅行に来て、事件に巻き込まれます。

その辺りのディテールも上手く描いてますよ。

本当に普通の若者ですよ。

二人は軍人ですが、それは重要でないと思います。

勿論、軍人だったから犯人を抑えられたとも言えますけどね。

特に、犯人を取り押さえるのに活躍する主人公的なスペンサー・ストーンは、リアルですね。

本人使ってるから当たり前なんですが、こういう少し変わってる人居るよなって感じです。

それよりクリント・イーストウッドのインタビュー聞いてて思ったのが、ミレニアム世代と言われる新しい世代でも、自分自身を賭けて人を守ろうと出来るんだと言う事です。

これは、イーストウッドにしては佳作と言いましたが、後からもっと評価上がるのではと思いますね。

短い時間で話しを上手くまとめながら、色々なメッセージを送ってると思います。

最近のイーストウッドは、作品によってコンパクトにまとめたりが上手いのも見所ですし、何より本人達がやってるからリアルです。

八十代を超えてまだまだ元気なイーストウッドが、これで何を伝えたかったは私見ですが僕なりに書きますね。

良く歳を取ると今の若者は、と言いますね。

確かに、僕も五十になりましたから時々思います。

だけど、何時の時代も若者は叩かれますからね。

僕の時代も、シラケ世代とか新人類等と言われましたからね。

この映画から思うのは、若い連中も悪くないよって事と、若い人へ年配者がエールを送ってるようです。

それと、気持ちのリレーを感じますね。

年配者が、若い人に気持ちや考えをリレーして行ってるのではです。

個人的に、父が死んで一ヶ月経ちます。

父から学ぶものは大きいですよ。

成功も失敗もね。

このブログの管理人さんも僕よりかなり年上ですが、学ぶ物は大きいです。

若いからと言って、全否定しないですね。

これが、重要ですね。

僕も五十歳になって十代から二十代、三十代、四十代と付き合いが有ります。

特に僕の場合は、トンネル工事と言う仕事をしてますからあらゆる世代が集まります。

彼らの中には、若いのにとてもガッツがあって前に前に進もうとするのも居るし、いまいち駄目なのも居ますね。

それは、世代では無いですよね。

同世代でも、駄目なのは駄目なんですよ。

客観的に相手を観察するかです。

僕に取り入ろうとするのは、管理者になると居ますが、そんなのは大体駄目ですね。

それより、僕に良い意味でのライバル心を持ってたり反発する方が良いですね。

それくらいやってやろうって気ですからね。

それ以外でも色々なパターンが有りますが、自分自身を棄てて客観的に見られるかです。

ある種の冷徹な目で観察出来るかです。

それで、この作業員は良いけどもう少しこうしたら更に良くなるって見分けますし、その人によってやる気にさせるアプローチも変えますよ。

イーストウッドの今回の映画を観て思うのが、そういう観察ですね。

イーストウッドは、特に歳を重ねて冷徹な目で見るようになりながら、偏見を捨てようとしてるように感じます。

人種や世代の偏見を棄てて来てるなと思いますね。

僕の仕事はそこまで高みには行けないけど、なるべく偏見を棄てて実力主義で行きたいです。

それに、これは、一つのリレーですよ。

イーストウッド世代が、若い世代に問いかける。

僕の死んだ父の世代が、僕に問いかける。

それを僕は、良い所は引き継ぎます。

そして、また若い世代が僕から何かを引き継ぐんですよ。

僕の悪い部分は変えたりしてね。

そうして命のリレー、或いは考えや仕事のやり方のリレーがされるのだと思います。

クリント・イーストウッドは優秀な監督です。

他の作品を観ても、そういう目が有ります。

八十代を超えてますます頑張ってるイーストウッドは、奇跡的かも知れないです。

大体監督とかになるとどんどん落ちるんですが、最近、またシフトチェンジしたなと思わせます。

傑作『ミリオンダラー・ベイビー』の頃とは、また少し変わって来てます。

この映画は、佳作と取られそうですが、僕には何かしら抉る物を残しましたね。

イーストウッド映画は大抵そうなんですが、今回は特にですね。

この映画、是非観てほしいですね。

シンプルな映画ですが、色々考えさせられますよ。

肝心なのは、自分自身も俯瞰で観察出来るかでしょうし、人から人への気持ちや技術や色々な物のリレーでしょう。

俯瞰で自分自身を観ると、僕なんてクズな部分が多いですが、それも自覚してます。

それでも、仕事で良い部分を若い連中が引き継いで欲しいと願いますね。

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