高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【455】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の映画化芝居化・・・
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています
📖 高山のエッセイ〜「父の状態と雑感」
父の状態と思いを書きますね。
今のうちに書いておきたいですからね。
三日程前ですかね。夕ご飯を食べようと台所に行くと父が座ってて、凄い震えながら箸を持ってるんですよ。
まるで冬山に裸で入ってるような震え方で、尋常じゃなかったですね。
僕は、なるべく仕事が時間が空いてたら、夕食だけは皆で食べます。
仕事が空いてない時は、母に一応連絡します。
置いててくれるから助かります。
夕食だけは作っててくれますね。
相当な金額を家に入れてますから、当たり前とかでは無くて有難いですよ。
父はデイケアって言うのかな、老人が運動したりするのにたまに行ってるけど、ほとんど今は寝てます。
ラジオが好きだったのが、それも聴かなくなったからボケるだろうで、ラジオを何故聴かないのか?と聞くと、兄から貰ったラジオの電波が入りにくくなってるとの事です。
それで母に、ラジオは安いから買ってあげてよと言いました。
そしたら二千円程で買ってきて、今はそれを使ってます。
デイケアにも行ったり行かなかったりです。
正直、いつ大きく崩れてもおかしくないですね。
兄が、ラジオをあげてたのにとこないだブツブツ言ってました。
兄はアルコール中毒鬱で、父を非常に嫌ってます。
父も兄を嫌ってますね。
まあ、もう親子というより敵ですよ。
それを何とか隠しながら生きてる感じですが、兄は父にもしもが起これば自分自身が一番困るって分かってないですよ。
父の年金、僕の収入、母のアルバイトで借金が多いうちは何とかやれてる。
父に何か起これば、僕はお金で解決出来る事はなるべくして、あとは兄との縁を切りますね。
そのくらい兄は家族に迷惑かけてるからね。
父の状態に戻しますが、凄い震えながら箸を持って食べようとしてるからこれはおかしいです。
母に聞くと、昼もまともじゃなかったそうです。
前にも熱を出して、そういう状態があったから病院に行こうです。
僕は夕食食べたら仕事の打ち合わせがあって、出掛けないと行けなかったんです。
帰ると母が病院を嫌がったと言いました。
大抵病気を嫌がるんですよ。
それでも不味いだろうで、熱があるようでしたから風邪薬飲ませたら、粉で飲まないと言ったらしいです。
それなら僕の錠剤の風邪薬が有るからと、無理に飲ませました。
少しは良くなってたけど、何度も僕にありがとうありがとうを繰り返す父を見てたら、涙が出ましたね。
会社を倒産させて全てを出し尽くすどころか、数々の借金を残した人だけど必死に働いた人です。
十年程前に脳内出血やるまでは、小さな現場に時々作業員として行ってましたからね。
何と言うか、寂しさと切なさが混じりましたね。
自業自得とは言え、部屋にはラジオしか無くて着るものも最低限ですよ。
かつては高級車に乗ってスーツを何着も持ってて、大きな家も建てたのにね。
ありがとうありがとうって顔を見てると、病人の顔で片目が腫れてるような顔でした。
自分の部屋に戻ると少し泣きましたね。
父が徐々に壊れて行くのを見るのは辛いです。
母の肩を揉みながらそれを言うと、お前が一番お父さんの味方をすると言われました。
まあ、確かに似てますしなんだかんだ言っても親ですからね。
昨日の夕方、自分の部屋で仕事の電話をしてたら、隣の部屋からガタガタと聞こえて来ました。
父の部屋が隣ですからね。
電話を切って行くと、夕食の為に起きようとしたら倒れたらしいんです。
手を持って起こしたんですが、非常に軽いんですよ。
夕食に行くためにほんの少しを歩くのも難しいようで、僕の首に必死に捕まるですね。
オムツしてるから大便の臭いも微かにします。
腕の力は有るから僕の首に必死にしがみつくけど、こんなので台所まで行ってもまともに帰りも帰れないよです。
ほんの数メートルも弱ってて歩けないから、それなら風邪ひいてた時のように母に夕食運んで貰ってよ、です。
またベッドに戻したんですが、多分四十五キロ位でしようね。
軽いのに驚きますね。
それで思い出したのが、広島に会社倒産後にいた頃、喫茶店で血を吐いて倒れたと連絡が来ました。
胃潰瘍のようなのをやってるんですよ。
病院に行くと、もう大丈夫のようで帰ろうとしたらふらついたか何かで、同じように僕の首にしがみついたんですよ。
その時も、あー!親父は随分痩せたんだなと思いましたね。
会社全盛期の頃は、身長一メートル六五センチ位で六七キロ位は有りました。
会社が段々苦しくなるに連れて痩せましたね。
広島の頃は血を吐いてもまだまだこの人大丈夫だろうって有りましたが、今はいつどうなるか分かりません。
多分、今なるべく自分自身に出来る事をしておかないと後で後悔するな、です。
憎んだ事もあったし今でもワガママ言うと、あー!ってなりますよ。
しかし、僕をそういう風に思わせるのは、一つは兄が余りに父に冷たいのも有りますね。
倒れたら兄の部屋にも聞こえるはずだし、前には兄の部屋の前で倒れたのに兄は起きてたのに無視したらしいんです。
兄がそこまで嫌うなら、僕は息子としてやはり親に対して少しでも優しくと思います。
当たり前なんだけど、男親で散々金銭面で僕に迷惑かけてるから、なかなか素直に優しい言葉は掛けられません。
照れますからね。
それでもなるべく話しかけたりしようと思います。
世の中不幸平ですよ。
公平なんて有りませんが、唯一有るのは皆歳を取るです。
広島で血を吐いた時の、僕にしがみついて来たときの腕の力をふと思い出しました。
もう十五年以上前ですが、あの頃はまだ良かったなあと思います。
オムツして必死にしがみつく父を哀れと言うかきちんと見届けたいですし、やはり良くしてくれた事も思い出します。
あちこちのトンネル現場で父に姿が似てると言われましたから、一番遺伝子的には似てるでしょうね。
この先どういう風になっていくか分からないけど、出来る限りはします。
しかし、自分自身も精神的な病が有るから無理をしない事と思います。
なんだかんだ言っても、父の背中を追いかけてるような気もするんですよね。
父の人を使う時の上手さは、完全に僕がそれを継いでますよ。
三十代で現場の所長とか班長出来たのは、腕より人を使う上手さでしたね。
腕は二流ですよ。
職人気質では有りませんからね。
それを、当時も今も古い人に言われますね。
人を使う上手さは親父に良く似てるな、です。
それと、父がバリバリの頃は作業員が単価交渉ってするんだけど、大きな現場だとヤクザ者とかそういうのも沢山居たらしいです。
そういう所に、まだ四十才くらいの父は一人で乗り込んで、周りに囲まれても一切妥協しなかったらしいです。
僕も普段はふざけてますが、やはりそこまでの事は無くても妙な右翼が絡んで来た時などは、ビビるとかないですよ。
仕事である地域になると、右翼が絡んで来て何人もと交渉しますが、一人で事務所に行った時に古い人から、お前は親父とか叔父さんに似てるなです。
そういう場面で特にビビらないです。
血筋でしようね。
三十代位から、何が来ても来いよと思います。
それより怖いのは、自分自身が持ってる精神的病ですね。
パニック障害や鬱です。
プライベートではそれが出ますね。後片付けられないとかね。
本とかあちこちの箱に入れてて探せないとか、貰った物を無くすとか多いですよ。
それが気になって探しだしたら止まらなくて、違う探し物が出てきたりします。
まるで井上陽水の歌のようです。
不潔にはしてないけど、まあ、片付けが下手ですね。
本など同じ本が三冊あったとか、普通に起こります。
それを気にし始めたら止まらなくて、映画とか夜観てても気になって駄目です。
仕事では全く出ないのは幸いです。
とにかく無理せず父を見守ろうと思います。
それと、現在の政権の動きを見てると、本当に苦しい人達は切り捨てる的に見えますね。
お金のある人は富んで、苦しい人は死ねとさえ思えますよ。
本来の豊かさとは何でしょうか?
基本的人権とは何かですよ。
北朝鮮問題にしても、何時までアメリカに振り回されるのかですし、例の復興大臣の辞任にしてもあれが、美しい国なのかです。
あれが、内閣の本音なのではと思いますよ。
弱い物をどうやって守るかでしょう。
軍事費や原発にお金を掛けなくて、国民の福祉やなんかにお金をかけろよ、と思います。
本当に苦しい人が沢山居るんですよ。
最後は自殺しろ、と言われてるようにさえ思います。
国会中継を観たり聞いたりしてたら議員の削減しろよとも思うし、僕にはまともな事を言ってるのは共産党と山本太郎だけのように聞こえますよ。
ちっとも美しい国ではないですよ。
例によって論理的に話しを組み立てられずすいません。
しかし、こないだ筒井康隆と百田尚樹は違う、をTwitterでリツイートしてくれた方々が右翼系で無かった事に感謝しますし、こういう物をブログに掲載してくれてる管理人さんにも感謝してます。
おわり
📖無名居士のたわ言・・・音楽でひとあそび〜Bless4 concert
「年越し」
五行詩から
「心の内に吹く風は」を
そのままYoutube検索してみた
心に吹く風 作曲:平 万紀子 作詞:香野通政
bless4 - 心に吹く風 bless4 ver. (Kokoro Ni Fuku Kaze) Music Video
歌もビデオもよかったので少し彼らの動画を観ることにした
Bless4 concert
会場とのやりとりが面白い
ダンスもきれがいい
歌もうまい
ここでウィキペディアで彼らの検索
bless4・・・4人兄妹のバイリンガル・コーラス・ダンス・グループ、
音楽ユニット。2003年5月7日に、フジテレビ系メジャーリーグ中継
2003テーマソング『Good Morning! Mr.Sunshine』でメジャーデビュー。
また気になるグループに出会えた
📖 高山の作品から〜「濡れる穴の中18〜競争」
今は、新しい現場も始まりながらも古い現場は終わりに近づいてたりで、相変わらず忙しいです。
そういう中でも二年目に入った「濡れる女子事務員」シリーズのえり子ちゃん頑張ってますね。
彼女は、僕の右腕的存在ですし実際そうなんですが、まだ二十七才ですし二年目ですから、今年は本当の意味で右腕にと思ってます。
実際に、僕の存在を脅かすようになるのは、数年は掛かりますよ。
三十代過ぎでそうなれば大した物だなと思いますが、とにかく今は、現場を実際に出来るようにと思ってるようです。
掘削班に入ってもコンクリート班に入っても何かを持って来いと言うと、大抵間違えずに持って来るようになりましたし、ある程度は実際の作業も出来るようになってます。
僕から見たらそれで今は充分なんですが、えり子ちゃんが思うのは、毎日作業してる作業員に負けない位なんですね。
それは、そう簡単に出来るようになるものじゃないですよ。
僕は、この世界に三十年近く居ますからパッと言われても、大体直ぐに手伝えます。
えり子ちゃんが言うにはそういう風になりたいらしいですが、そう簡単になれないです。
まあ、それでも夜勤で今は山の状態が悪くて、何時も僕が付いてる現場が有ります。
そこなら、山さえ良ければ暇なんですよ。
僕も仮眠室でDVD観たり、本を読みながら待ってるって感じです。
時々トンネル内に入って様子を見ますが、ほとんど動かなくて良い日も有ります。
今は、特に少しずつ山が安定して来てて、随分暇ですね。
それでも、まだ油断が出来ないと言うので、元請けから居て欲しいと言われていますね。
そこで、えり子ちゃんを鍛えてやるよと言いました。
元請けに言うと、山が悪くなったら高山さんが処理する陣頭指揮を取って貰えたら、女の子を入れるの良いですよとなりました。
実際に何度か手伝いに来てて、えり子ちゃんも元請けから認められてますし、僕が彼女をナンバー2に置いてるの知ってますからね。
しかし、えり子ちゃんにとっては、元々一番最初に居たところでもないし、トンネル内が狭いからやりにくい所だと思いました。
えり子ちゃんにそれを言うと、夜勤に出れるんですかと喜んでましたね。
夜勤に出て、少し寝てから昼勤にも出るんですが、それでも良いと言うのでそれならやろうです。
夜勤を選んだのは、人の出入りが少なくてわりと教えやすいからと、自分自身がたまたまそこに今は張り付いてるからですね。
教えるとなると、やはり僕がやらないと仕方ないかなですね。
えり子ちゃんも僕の癖とか良く知ってるし、僕には何でも聞けるからやり易いようです。
最近は、他の人間と組んでも上手くやってますが、やはり僕と組んだり僕から教わるのが良いらしいですね。
上司と部下としての付き合いが長いですし、変な意味で無くてプライベートも知ってますからね。
それで、何をさせるかと考えたんですが、とりあえずえり子ちゃんはもうすぐ大型の免許を取りに行きますし、ダンプに乗せようと思いました。
つまり掘削の時に出る土、ズリを出すんです。
僕らは、土を出すのをズリ出しと言います。
掘削班でも主に下の人間がやりますが、これが出来ないと話しになりません。
ダンプで土を出すだけとは言えども、場所や地形によって変わりますから初心者は出来ないですね。
スピードも凄い出しますからね。
特に、夜勤になると掘削班しか居ないから、気兼ね無くスピード出しますよ。
えり子ちゃんがダンプに乗るなら、僕はタイヤショベルに乗ってズリを積んでやろうと思いました。
僕がタイヤショベルに乗れば、ダンプがどう動くべきか分かりますから指示を出せますからね。
それで、掘削班の班長に今日から少し手伝わせろと言いました。
普段は班長が、タイヤショベルに乗ってます。
ここの班長は、確か四十歳になったばかりですね。
腕も良いし人を使うのも上手いですが、今は伸び悩んでるって感じです。
班長は、高山さんが入るなら俺はダンプに乗ろうかなでした。
僕ら二人が入るので、五人のメンバーから二人が雑務をその時だけするって事になりました。
ここでは、ズリ出しの時のダンプは二台です。
班長とえり子ちゃんが乗るようになりました。
僕が言ったのは、えり子ちゃんにここは狭いから、何処で回ってとか自分自身で考えろよです。
違ったら、僕から違うと言われるんですよ。
トンネル作業はスピード勝負ですが、最も急ぐのがこのズリ出しです。
ここで、いかに時間をロスせずにズリ、つまり土を出せるかが勝負です。
僕は班長に、手加減せずにお前もこの子に負けるなよと言いました。
班長は、そりゃ負けないですよと笑ってました。
それからズリ出しが始まりましたが、班長も最初は久しぶりに乗るためか僕から、違う!そこで回るな、とか怒られてましたよ。
それでも、直ぐに勘を取り戻しましたね。
えり子ちゃんは、運転は上手いし早いんですが、回転する場所を大きく間違えたり、バックで入ってくるのが違う位置に来てしまったりで、最初はずっと怒られましたね。
しかし、班長は、まさか初めての現場でそこまでのスピードで入ってやれると思ってなかったようで、驚いてました。
普通の坑夫でも、ああいう度胸はないし上手いですよと言うから、お前は甘いと僕から笑われてましたよ。
ズリ出しは、そこは夜勤では二回から三回有ります。
二回目までは、休憩所でトンネルの図を書いてここで回転してバックで入って来いとか、細かい説明をしましたね。
しかし、ここでと言っても掘って行くから、確実な場所って無いんですね。
そこは、勘なんですよね。
それも言いましたね。既にえり子ちゃんは、一度目で大体の感じは掴めてるようでした。
えり子ちゃんは、そういう勘が早いですから僕も一度目で、この子ならある程度は掴むだろうと思いました。
これを、自分自身の若い頃に置き換えたら、僕はそういう勘が鈍かったと思いますね。
だから、何度も頭の中でシミュレーションしましたよ。
えり子ちゃんにもそれを言いました。
二度目になると随分違って来ましたが、まだまだ班長には勝てなかったです。
僕が、まだまだ班長に勝てないなと言ってると班長は驚いたようで、今日中に自分に勝つつもりなんですか、と言いました。
僕は、そりゃお前、今日中に勝てなくても勝つつもりではいないとなと返しましたが、この班長もどちらかと言うと勘より努力で上がって来たので、えり子ちゃんの勘の良さに驚いてました。
結局その日は、最後のズリ出しでもやはり、班長の方が上手かったですが、かなり追い詰めてました。
ベテランの域に入って来てる班長を追い詰めただけでも良いかでしたが、追い詰められた方も追い詰めたえり子ちゃんも不満気でしたね。
そりゃ班長からしたら、ちょっと入って来て三度目で追い詰められたんですから不満ですよ。
僕は、明日の夜勤も何も起こらないならやるからお前が乗れよと言いました。
班長達は、夜勤が終わればそれで帰って寝れますが、えり子ちゃんも僕も仮眠室で少し寝てから昼は違う仕事をしてました。
昼食の時にえり子ちゃんは着替えに帰って、数時間寝てから戻って来ましたね。
僕も夕方に戻って、少し寝てから戻りました。
僕は、そういう生活が続いてるので、少しの時間をいかに身体を休めるかを知ってますが、えり子ちゃんは馴れてないからしんどいだろうと思いましたね。
若いとはいえ、やはりしんどいですよ。
そういうのを一週間は続けるらしいので、少しでも身体の調子が悪くなれば言えよと言ってました。
特に今は、気候が寒いですから、こういうので風邪でもひかれては困りますからね。
二日目には、えり子ちゃん相当気合いが入ってるようで僕には、今日中に少なくとも班長と同じ位には出来るようにします、と言ってました。
班長も来ると、負けられないなあと言ってましたが、まだまだ負けないと言う感じで居たと思います。
一回目のズリ出しでは、若干班長が上だな位でしたね。
周りの作業員も見てて、班長が負けるのはヤバいだろうとか、ありゃ負けても仕方ないかもとか注目してましたね。
二回目のズリ出しは量も多くて、班長もえり子もスピード勝負をしてました。
スピードと言っても、ダンプのスピードは同じくらいなんですよね。
後はいかに効率良く、ズリを運べるかです。
タイヤショベルの僕も。フル回転で動きながら二人を見てましたが、えり子ちゃんの方が小回りで来るようになりました。
回転する場所を自分自身で考えたようで、早くなりましたね。
バックも安定してて、こりゃ上手いなと感心しましたよ。
班長が下手では無くて、えり子ちゃんが上手いなです。
才能の差ですね。
ズリ出しが終わって、タイヤショベルから降りて少しだけ二人に言いました。
今のはえり子ちゃんの方が勝ったけど、あそこで回転するとは思わなかったな、と言いました。
班長も参ったなと言う顔をしながらも、負けましたねと苦笑いしてましたね。
三回目は、班長も工夫して回転する場所や、バックのスピードを明らかに上げて来ました。
それでも、細かい工夫を更にしてて、えり子ちゃんの方が少しだけ効率良かったです。
終わって班長と少し一服しながら、仕方ないと笑いましたよ。
明日は、ズリ出しとその後のズリの処理を、あの子にさせるよと言いました。
そうしてたら、元々ダンプに乗っていた坑夫が、明日は俺がえり子ちゃんと勝負したいです、と言って来ましたね。
それも、僻みとかでなくて、班長がやられたなら俺が出ていかないといけないでしょう、と言いました。
その作業員はまだ三十二歳で、元々の職業は大型のダンプ乗りでした。
僕は、お前が来ても簡単には負けないよと言いました。
作業員は、確かにそうでしょうねと笑うと、早くえり子ちゃんに大型を取らせてやって下さい。
あれだけの腕はそうそう無いですから、と言いました。
僕は、腕もだけど肝心なのは負けない為の工夫だよ、と笑って頭を指しました。
多分、この元ダンプ乗りには、最初は負けるかもですが、工夫によって勝つのではと思いました。
肝心なのは、これでは駄目だと思ったら、自分自身で考える事だと思いますね。
自分自身もそうして来たので、えり子ちゃんには天性の勘と、工夫しようとする頭が有りますから、そうそう負けないなと思いましたね。
他の作業員も見ててそこに感心してたようですが、僕は、お前達も掘削をもう少し頭を使え、と言いました。
その日の朝に、朝礼にえり子ちゃんと出て他に行こうとしてると。元請けの若い職員が来ました。
夜勤で主に居る職員ですが、今回のダンプの勝負を、トンネルの安全な場所で見てたようです。
えり子ちゃんに感心したようで、明日もまた大変でしょうが凄いですね、と言って来ましたね。
えり子ちゃんより少し年上の若い職員ですが、えり子ちゃんの頑張りが羨ましいようで凄いですと褒めてました。
えり子ちゃんは、僕から教わった事を守りながらも更にそこに、自分自身の工夫を入れる、これが才能があってもなかなか出来ないですから素晴らしいですね。
それと、もう一つえり子ちゃんは、勝っても相手に対してたまたま上手く行きましたとか言いますし、独特の愛嬌が有るんですね。
その辺りが、坑夫に憎まれないんですよね。
そこも才能だなと思いますね。
おわり
一度目でこの子ならある程度は掴むだろうと思いました。
これを、自分自身の若い頃に置き換えたら僕はそういう勘が鈍かったと思いますね。
だから何度も頭の中でシミュレーションしましたよ。
えり子ちゃんにもそれを言いました。
二度目になると随分違って来ましたが、まだまだ班長には勝てなかったです。
僕が、まだまだ班長に勝てないなと言ってると班長は驚いたようで今日中に自分に勝つつもりなんですかと言いました。
僕は、そりゃお前今日中に勝てなくても勝つつもりではいないとなと返しましたが、この班長もどちらかと言うと勘より努力で上がって来たので、えり子ちゃんの勘の良さに驚いてました。
結局その日は、最後のズリ出しでもやはり、班長の方が上手かったですが、かなり追い詰めてました。
ベテランの域に入って来てる班長を追い詰めただけでも良いかでしたが、追い詰められた方も追い詰めたえり子ちゃんも不満気でしたね。
そりゃ班長からしたら、ちょっと入って来て三度目で追い詰められたんですから不満ですよ。
僕は、明日の夜勤も何も起こらないならやるからお前が乗れよと言いました。
班長達は、夜勤が終わればそれで帰って寝れますが、えり子ちゃんも僕も仮眠室で少し寝てから昼は違う仕事をしてました。
昼食の時にえり子ちゃんは着替えに帰って数時間寝てから戻って来ましたね。
僕も夕方に戻って少し寝てから戻りました。
僕は、そういう生活が続いてるので少しの時間をいかに身体を休めるかを知ってますが、えり子ちゃんは馴れてないからしんどいだろうと思いましたね。
若いとはいえ、やはりしんどいですよ。
そういうのを一週間は続けるらしいので、少しでも身体の調子が悪くなれば言えよと言ってました。
特に今は、気候が寒いですからこういうので風邪でもひかれては困りますからね。
終わり
📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 番外編3」~電話帳
久しぶりの「ガーターベルトの女」の話しです。
タイトルをどうするかは、後で決めます。
「ガーターベルト」シリーズは、色々錯綜してるから難しいけど、まあそこは気楽に考えて下さい。
何故、今これを書くのかは、様々な要因が有ります。
一つは、父の入院です。
見舞いに行くと、どんどん弱ってるのが分かります。
僕は、父の血が最も濃く入った息子だと思うから簡単には色々言えませんが、非常に落ち込み、悲しいです。
父の事は、僕にしか分からない部分が沢山有りますし、人にどうこう言われたくないですが、親戚の一部は色々言いますよ。
そうして、父の事から我が家は引っ越す事になって、今は物件を見ながら部屋を片付けてます。
片付けの苦手な僕は、苦労してますね。
そういう時に、昔の電話帳が出てきました。
今も電話帳を持ってますが、今は完全に仕事用になってます。
そこに書かれてるのは坑夫と業者の電話番号や住所です。
基本的にスマホが駄目になっても人を集めるのに、これを使うから大丈夫です。
今回出てきた電話帳は、若い頃の電話帳で大量に落書きやメモ書きが残ってました。
僕は、メモ魔なんですよね。
今でも後から読むと意味不明な事や分かる事をあちこち書いてますね。
しばらく古い電話帳を見てたら、色々思い出しましたね。
昔は、こうして皆電話帳を持ってたんですよ。
色々思い出した中に「ガーターベルト」シリーズのMの事も、沢山書かれてました。
多分、女性では一番メモ書きが残ってますね。
それほど彼女を好きだったのでしょうね。
意味の分からない事も沢山書かれてました。
男性では、死んだヤクザのAの事が一番書かれてましたが、簡潔ですが本人が書いた文字や落書きも有りました。
ボロボロでしたし、捨てる事にしましたが、「ガーターベルト」シリーズは自分自身が二十代の頃に最も愛した女性と、死ぬまで友達だった男の話しです。
特に、二十代の頃の三人には、誰にも入れないような聖域があったような気がします。
そういう訳で、一つの電話帳からエピソードを思い出したから久しぶりに「ガーターベルト」シリーズ書きます。
その日は雨でしたね。
何時ものように友達のAとMの店で飲んでたら、Mの事が好きで貢ぎ物までしてた中年の医者が入って来ました。
僕が一人なら、頃合いを見て大抵店を出るんですが、Aが居たし客も少なかったから何となく居座りました。
Mもここで、その医者と二人にしないでと言う感じの視線を、こっちに送って来ましたね。
僕とAは、飲みながらくだらない話しをしてたと思います。
今度は、何処に遊びに行こうかとか、同い年のあいつに街で会ったけど変わってたとか、そういう話しですね。
勿論、AもMも好きな映画の話しもしてましたね。
Mは、僕らの相手もしてたけど、主に医者と話してました。
僕らは放って置いても良い状況でしたからね。
少し経つと、いきなり扉が大きな音を立てて開きました。
そこには、五十代から六十代前後の男が雨に濡れて立ってました。
男が着てるTシャツやズボンは汚れてて、髪も長く白髪混じりで無精髭も生えてました。
微かに、少し離れてても異臭がしました。
Mは、それを見ると冷蔵庫から瓶のコーラを出して栓を抜くと、その男に渡しながら言いました。
「お酒は駄目だし本当は追い返すけど、それを飲んだらそこにある傘で黄色いのを持って出ていってね。」と言いました。
ホームレスでした。
ズボンのポケットから古い長財布を出すと、飲むお金は有ると吃りながら言いましたが、Mがピシャリと言い返しました。
「アル中でしょ。うちではそういう人にお酒は出さないし、コーラで我慢して出ていって。」
ピシャリと言いながらも、何処かしら優しさが有りました。
男は、コーラをゴクゴクと一気に飲むと、口の中で小さい声でもう一本、と言いながら瓶をそっとカウンターに置きました。
Aや僕は、その男を飲み屋街で何度か見てました。
大抵、店に入れて貰えないか入れて貰えたら先払いで、静かに強い酒を飲んでました。
Aが、コーラをもう一本俺が奢るからおじさん、ここは帰りなよと丁寧に言いました。
僕は、ただ見てるだけでした。
医者の客は、不快そうな顔をして水割りを飲んでましたね。
Mは、もう一本コーラを出すとその男に渡しました。
男は、コーラをまたもやゴクゴク飲むと瓶をカウンターに置くと、黄色い傘を持って出ようとしながら小さい声で、ありがとうと呟きました。
男が出ると医者の客が、乞食が何でうろうろしてるんだ。
Mちゃん、良く来るのかと聞きました。
Mは医者の客に向かって、色々あるのよとだけ言いました。
突き放すような言い方でしたね。
そして、こっちに来て突然、最近観たテレビの映画の吹き替えが酷かったと笑いながら言いました。
医者の客は、気に入らないようで、乞食なんかに優しくしくしても何の得もないのに、と大声を出しました。
少し酔って来てるように見えましたね。
Aが、乞食とか今は言わないんだよ。医者ともあろう人が良く言うよ、と言い返しました。
医者の客は一瞬ビビったようでしたが、ビビった自分自身に腹を立てるように、乞食に土方にチンピラヤクザか、と大声を出しました。
皆、医者を全く無視してました。
Mが勝手に曲を選ぶと、これを歌えるでしょうと僕らにマイクを渡すと、一緒に歌ってと言うと曲がかかりました。
さだまさしの「防人の詩」でした。
当時、若かった僕らにとって八十年代初めのこの歌は凄く古いように感じたのと、さだまさし=暗いとかフォークとかダサいとかあったから、まさかMがこれを歌うと思いませんでしたね。
しかし、歌い出すと非常に上手く歌詞がしみじみと滲みるようでした。
Aが上手く被せるように、一緒に歌い始めました。
Aは、歌うのが好きで無かったから驚きましたね。
二人で歌う「防人の詩」はとても良いものでした。
曲が終わるとAとMが、良い曲だなと言いました。
僕は、良いとは思ったけど、AとMの知らない部分を何故か見たようで驚いてました。
Aは、僕に今度はお前も歌おうと言うと、今日は悪いけど帰ると言って席を立ちました。
Mがお金の計算をすると、Aは医者の客を指すとこの人の分もと、一万円札を出しました。
つりが、あっても良いよと言いながら店を出ながら、医者の客の頭を思い切り平手で叩きました。
人間なんて何時乞食になるかは分からんよ、と医者に言うと店を出ました。
医者の客は、驚いたのと怒りで顔が真っ赤でしたが、Aを追いかける度胸も無かったです。
Mは、医者の客を相手にせずに僕の前に来ると、またもやこないだ観た映画の吹き替えが酷かった事を、笑いながら話しました。
そして、僕にもあの歌を覚えてと言うと、ああいうのもたまには良いし私は好きだな、と笑いました。
Mは、流行を追うのが上手かったので意外でしたね。
医者の客はもう今日は帰ると言うと、お金はあのチンピラが払ったんだなと言いながら出て行きました。
しばらくMと二人で飲んでると、若い客が三人程ワイワイ言いながら入って来ました。
この店古いなあとか昭和かよと言いながらも、こういう所に美人が居るんだなと、Mに言いましたね。
初めての客のようでしたね。
かなり酔ってるようで、Mが何にしますか?と聞くと、貴方の電話番号とか言ってました。
Mは、面倒そうな態度を相手に分かるように出しましたね。
すると、一番身体の大きいな若い客が、お姉ちゃん舐めんなよと立ちました。
Mは、舐めてもママの味がまだまだするんじゃないの、と返しました。
身体の大きな若い客がMの胸ぐらを掴みかけましたが、Mはすっと避けるとあっちのお客様に迷惑だから帰りなさい、と強く言いました。
身体の大きな若い客と他の二人が、僕を見ました。
良く見ると、まだ未成年ではないのかと言うのも混じってるようでしたね。
僕は、自分自身の頭の中の何かが弾けるのが良く分かりました。
相手に向かってにこやかに手を振りましたね。
すると、舐めてるのは姉ちゃんだけじゃなくておっさんもか、と言ってきました。
当時、二十代の半ばの僕におっさんはないだろうと思いながらも、イラつきが何故か有りました。
ホームレス、医者、Aの態度、何かしらその日は、歯車が狂ってるように思ってたからかも知れないです。
僕は相手の方に行くと、外に出ろと大きな声を出しました。
Mは、貴方達この人知らないのと笑いました。
一人が僕の高校の後輩らしくて、あ!っと言う顔をしました。
高校の名前を出したのと、剣道部のキャプテンだったかと聞いて来たので分かりましたね。
高校では、有る事件からそこそこ悪い事で有名になってしまってました。
高校の後輩は、身体の大きいリーダー格にあの人はヤバイよと言って止めましたね。
しかし、相手は表に出ようと扉を開けたから、僕は店の椅子を持ち上げると相手の頭に目がけて振り上げて打ちつけました。
相手は、相当驚いたようでしたね。
ダメージは、何処かを軽く切ったようで血が出る程度でしたが、椅子で殴られると思って無かったようです。
僕は、そのまま相手を外に出すとボディに二発、三発、四発殴りました。
相手は、うずくまるとごめんなさいと謝って来ましたが、顔を蹴りつけて早く帰れガキがと言いました。
僕の中に、何かしらの苛立ちが強く有りましたね。
若い連中は、逃げるように走って行きました。
身体は大きいけど、まだ子供でした。
店に戻ると、Mに俺にもコーラを頂戴と言うと、少し違う所で今日は飲むから後で合流しようと言いました。
Mは、分かったけど余りイライラしても仕方ないよ、とだけ言いました。
コーラを飲みながら知ってる店に行きましたが、いまいち盛り上がらずに酒も酔いが回りませんでした。
僕は、そのまま歩いて駐車場に行くと、Mと良く待ち合わせてた人気のほとんど無い場所に車で移動しました。
車の中でCDを聞きながら待っていると、Mの車が横に付けて来ました。
Mは、助手席に乗り込むとコーラをバックから二本出して、今日はコーラの日だねと言いながら僕に跨がりました。
Mの柔らかい脚と尻を感じると、少しだけ勃起しました。
Mは色々有るよね。多分この先は、もっと色々有るのかもねと言いながら、コーラを開けると飲みました。
今までも色々あったのを考えたらこの先も色々あるよ、とまた僕を慰めるように言いました。
そう言いながらもMは、腰を使って上に乗ったまま僕を刺激しました。
その日のMは、ミニスカートでしたが、ガーターベルトはしてなくて直接パンティがジーンズに当たりました。
ジーンズごしでもMが濡れて居るのが分かりましたが、僕のモノはMに対してなら百二十パーセント勃起するのに、その日は七十パーセント位しか勃起しなかったです。
Mは、それに気付くと僕に、色々有るけど私のコーラを唾と一緒に飲んだら元気か出るよと言うと、口移しでコーラを唾を入れて来ました。
Mの舌はそのあとも僕を慰めるように、いやらしく優しく口の中で動きました。
僕のモノは復活し始めました。
今日は、何があったと言うわけでは無いが、何かしら歯車が上手く回って無かったのが、Mの舌と唾とコーラで気持ちを切り替える事が出来ました。
Mは、素早く僕のジーンズを脱がせると、自分自身のパンティの間から挿入しました。
今日は中で良いからと言うと、妊娠したら結婚しようと笑いました。
そうしてしばらく動くと、僕はいくつもりは無かったのにMの中でいってました。
Mのあそこが、精液を飲み込むように収縮するのが分かりました。
Mがキスを何度も繰り返すと、機嫌直った?と言いながらゆっくり僕の上から降りました。
そして何度か二人で抱き合うとMがしっかり、しっかりと繰り返して言いました。
僕は、自分自身の頬を暖かいものが流れるのが分かりました。
Mの胸で泣いてましたね。
Mは、「防人の詩」を子守唄のように歌いました。
美しくて優しいけど滲みる感じでした。
その後、僕もAもMも色々な予測出来ない事に出合います。
Aは、この世にもう居ません。
僕は、歳と共に「防人の詩」をカラオケで歌うようになりました。
昔は、ダサいと思ってたものがしみじみ分かるようになりましたね。
今では炭酸系のジュースは滅多に飲みませんが、今度久しぶりにコーラを飲んでMを思い出そうと思ってます。
Mが、色々有るけどしっかり、と言ってくれるような気がします。
今年で五十歳になる僕は、Mも何処かで四十八歳になるのかと思うと時間の経過を思います。
しかし、MやAが僕に残してくれた物は大きく、未だに残ってます。
電話帳は捨てたけど、捨ててもそれは消えないです。
電話帳に書かれて居たメモ書きには、Mが僕にしっかりと言ったと書かれてて、横にコーラと書かれてます。
おわり
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