花物語~ 奥利根の裏見の滝
花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・
11月2日 紅葉の奥利根その4 裏見の滝
画像提供:「花ねこ日記」
滝に挑戦した魚さん
2008/11/10(月) 午後 9:36
大きな川で小さな魚さんが生まれました
小さな魚さんは好奇心がいっぱいの子になりました
この川の水はどこから来てるのだろうと思いました
お魚さんや虫さんや水草さんや葉っぱさんに聞きました
お山からだよとみんなは教えてくれました
そこに行くにはいくつもの滝があること
水が早く流れているところもあること
いろんなことを教えてくれました
死ぬほど大変なことだと教えてくれました
小さな魚さんはそれでも行ってみたいと思いました
小さな魚さんは上流に向かって泳ぎ始めました
川はどんどん狭くなり流れはだんだん速くなります
でもそれは小さな魚さんには問題ではありません
問題は滝でした
そしていよいよその滝を目の前にしました
上流を目指す魚さんたちも滝の下に集まっています
そして次々に滝に向って行きます
滝を登れずに何度も落ちては何度も挑戦します
小さな魚さんも挑戦しました
初めての挑戦でしたがその滝は一回で登れました
いくつもの滝を登って行くうちに
小さな滝さんは滝を登るコツを覚えました
そして力もついてきました
そのうちに上流を目指すのは小さな魚さんだけになりました
いよいよこれからが大変なんだと思いました
滝つぼの深さで滝の大きさが分かります
小さな魚さんは今度の滝はむずかしいぞと思いました
軽く飛んで滝の様子を見ます
これまでの滝とは違って垂直に落ちています
そしてかなりの高さです
とにかく一度挑戦してみることにしました
小さな魚さんはゆっくり滝つぼの周りを泳いでから
滝つぼの底から一気に加速をつけて飛び上がりました
そして滝の水の中に飛び込みます
そこでさらに尾びれをを激しく動かして水を切ります
これまでそうやって落ちる滝を乗り越えてきました
しかし今度の滝はこれまでにない勢いで水が落ちてきます
そればかりか精一杯飛び上がっても
滝の高さの半分にも届きません
何度か挑戦しましたがやっぱり同じことでした
小さな魚さんはそれでもあきらめませんでした
もっと大きくなってもっと力をつけなければ
小さな魚さんは時間が過ぎるのを待ちました
そしてまた滝に挑戦する日を迎えました
小さな魚さんは立派な身体の力強い魚になっていました
黒雲が空をおおった日
魚さんは滝つぼの底から一気に加速して水面から飛び上がりました
その瞬間稲妻の光が魚さんの身体を貫きました
魚さんは滝を越えて天まで飛んだ
滝つぼの周りの生きものたちはそう語り継いでいったのでした
まぐまぐ!「花を歌うかな」'08/11/10 No.1256
藤川一郎
京都市北区紫竹北大門町37 葵荘17号
075-493-4676
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