高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【255】

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【随筆】映画『秋刀魚の味』雑感

高山の作品から
随筆「北野武 雑感

2017/03/24

北野武映画について書きたいのですが、彼の映画が暴力的で嫌いだと言う人や、意味が分かりにくいって人も多いでしょう。

それと北野武、ビートたけしについては、Twitter等でも北野武Botってあるくらい色々物議を醸す事を平気で言うけど、僕から見たら武流のジョークなんですね。


政治的発言等も武流のジョークだと思ってる。

ビート武のTVタックル等は、冗談半分で本人はやってるように思えますね。

その辺りはダウンタウンの松本とは違うように思います。


松本人志批判を最初にしたいのは、彼は一流のお笑い芸人でしたね。

しかし、今はかつての力の十分の一ですね。

それが芸能界にもの申す的にあげられたり、コメンテーター的な影響力が有るのは解せないんですよね。


松本人志は、十年程は非常に切れる芸人でした。


かつて自分達の漫才をこきおしろした横山やすしを批判してたけど、いつの間にか感覚がずれて、今はかつてのこきおしろした横山やすし的になってる。


権威を嫌ってたのが、いつの間に自分自身が権威になってるのに気付いてないのかです。

そういう事って良く有るとは思います。若い頃は権威に反発してたのに、歳をとり自分自身が有名になるといつの間にか、自分自身が嫌ってた権威になってるって事は多いですよ。

そこで、自分自身をいかに客観的に観られるかでわかれるように思います。

武の方が、そういう所は上手くジョークにしてますよ。


松本人志の今は、芸人としては完全に落ちてますね。


武も芸人として落ちるのは早かったです。

漫才ブームの頃に、既に歳を取ってましたからね。


その後のひょうきん族では、完全に明石家さんまに抜かれてますよ。


だけど、ラジオは面白かったけどね。


武は、色々な事件やスキャンダルを乗り越えてますね。


その後、『その男、凶暴につき』で監督として一部で評価されて、映画に転身します。


フライデー襲撃事件やバイクで転けての事故が、彼を変えたと思いますよ。


役者としての武は、上手い下手では無くて存在感ですね。


彼より上手い同年代は居るでしょうが、彼が使われるのは存在感だと思いますよ。

様々な事を乗り越えた男の存在感でしょうね。


彼は、TVは映画の資金を稼ぐ為と前にインタビューで言ってたけど、あながち冗談ではないのかもです。


彼の映画は、なかなか興行的にはヒットしませんからね。


それを自分自身の会社で補ってますからね。


それでも、僕は彼は日本映画の中でも、指折りの映画監督だと思ってますよ。

しかし、全て観てるけどこれは、うーんってのも有りますね。


『HANA-BI』でヴェネチア映画祭の金獅子賞を取るまでは、国内での評価は割れてたように思います。


僕は、『HANA-BI』が特別それまでの武の映画で凄いかと言えば良いけど、まだ良いのが有るのにと思ってました。


『ソナチネ』が、個人的には最高だと思います。


ストーリーは特に動かないけど、映画だから見せられる世界を見事に作り上げてますね。

『ソナチネ』や『キッズ・リターン』、初期の作品が特に良いですね。


最近の作品も『アウトレイジ』は良かったです。そのあとの映画は、うーんでしたね。


『アウトレイジ』には、暴力を撮ってるようで何処かにお笑いが微妙に入るんですよね。


暴力をやりながらも、何処かに微妙な笑いを入れるのが上手いです。


それと、編集とカメラのカットが非常に効果的ですね。


武自身も言ってるけど、編集が一番面白いと言いますね。


そして、初期は今ではすっかり有名になったけど、大杉漣や寺島進を使ってます。


まだ売れてない頃の二人ですが、何故使ったかの質問に、入ってきた時の雰囲気、感じを大事にしたといってたのには、なるほど武らしいなと感心しました。


自分自身がそういう役者だからと、一種のインスピレーションを大事にしてるのだなと思います。


それと、バイク事故の後の武の顔は異形ですが、僕はあの顔好きなんですよね。

異形ですが、持ってる雰囲気を倍加させたと思います。


役者としての武を最初に良いなと思ったのは、高倉健との共演の『夜叉』です。


漁師町に流れて来た、自分の女の田中裕子を追いかけてくるチンピラです。


そこで漁師の連中に、シャブを教えて行くって役です。


非常に小物のヤクザが似合ってますが、既に存在感って物を醸し出してます。


余談になるけど、この頃の田中裕子って今観ると、何とも言えない良い女ですね。


多分、若い人には分からない色気と佇まいがありますよ。


決して美人でなかったけど、良く使われてたの分かりますね。


高倉健は、その後も武との交流があったようです。

たまに健さんの方から電話してたと聞いた事があって、真意は分からないけど、健さんも認めてたのではと思いますね。


撮影秘話でも本当か分からないけど、田中邦衛と健さんが、漫才師が映画に出るなら俺達も漫才やるかと言ってたらしいです。


僕はこの秘話好きですね。


高倉健のお茶目な一面が出てるようです。


健さんの最後の映画にも出てますね。

健さんの中では、認めてる存在だったのではないでしょうかね。


もう一作は、深作欣二監督の『バトル・ロワイヤル』です。

生徒をサバイバルに送り込む教師を演じてますが、非常に興味深く描かれてます。

武が出る事で、要所要所を上手く締めてますね。


流石、深作監督上手い人選だなと思います。


他にも大島渚監督の最後の映画の『御法度』にも、『戦場のメリークリスマス』からの縁で、坂本龍一と共に協力している。


坂本は音楽で、武は役者でですね。

この映画も良かったです。


松田優作の息子の、龍平のデビュー作でもありますね。


出演者としても良いのに出てるのは、やはり役者としての評価も高いんでしょうね。

上手い下手とかでは無くて、存在感ですね。


今回、武の映画で取り上げるのは、『BROTHER』(ブラザー)です。

日英合作で、アメリカで主に撮られてます。


芸術性をなるべく排除して娯楽にチャレンジしてる感じですが、多少ちぐはぐですし、武のファンの間ではそれほど評価は高くないかもです。


だけど、僕は個人的に好きですね。


山本と言うヤクザが日本を追い出されて、異母兄弟や色々な人間と共にアメリカでのしあがって行くって映画です。


かつての組の組員も来ます。


寺島進がその役をやりますが、非常にしびれるシーンもあります。


現地の日本人マフィア共協力しますが、段々地位が上がるに連れて武扮する山本は、何処かしら憂鬱そうです。

それは、かつての本当の仲間が居なくなったからか、それともどんどんのしあがっても最後は見えてる、かですね。
 
前半は、のしあがって行くって痛快さが多少有るけど、後半は破滅に向かってるって言う何処か陰鬱さも有るけど、その辺りに上手く笑いをまぶしてますよ。


黒人の若者と仲良くなります。

この二人の交流楽しいですよ。


最終的にイタリアンマフィアに潰されますし、山本も死にます。


それでも娯楽映画にしようとしたのか、一応のハッピーエンドです。


全体にちぐはぐだし、ヨウジヤマモトのデザインしてる衣装は過剰ですが、それを上回るパワーを感じます。

それと、何時もの破滅の美学を感じますね。


これが公開された頃、三十代で女の子と観に行ってますが、女の子と武の映画は行っては行けません。


女の子が嫌う世界ですし、ヤクザ映画と言っても何処かしら武特有の、娯楽姓に徹しきれない所が出ますからね。


当時の武は多分五十代でしょう。


『アウトレイジ』の武も良いけど、やはり四十代から五十代の武はセクシーですよ。


背も高くはないし顔も良くないのに、男が持ってるセクシーさが有りますね。


ヨーロッパでのインタビューではそれを言われるようです。


それとこの当時のインタビュー等覚えてますが、アメリカでは編集は別の人間がするってなって、かなり揉めたようです。


武にとっては、編集を自分自身でやらないと意味がないと言ってましたね。

最終的に編集も武がやってます。


セクシーな頃の武を観るなら、この映画は良いです。


映画の完成度で言うなら、初期の『ソナチネ』とか、その辺りに傑作が有るとは思いますけどね。

本人が事故をしたりしたせいか、常に危うさを感じますね。

事故前からそれが有ります。


そういう危うさが好きです。

それと、黒澤明も存命中は武を高く評価してたのには驚きましたね。

淀川長治さんも、生前評価してましたね。

あの人、テレビの解説者で良い人ってイメージでしょうが、映画には実は厳しかったですよ。

その後、漫才師やお笑い芸人が沢山映画を取るけど、まあ成功してるのは品川祐でしょう。


彼は、娯楽映画を作るの上手いなと思います。

惨憺たる映画を作って失敗してるのが、松本人志ですね。

武のように上手く行く人は、そうそう出ませんよ。


僕が個人的に思い入れを入れる人って、何処かしら壊れてますし何処かしらいびつでさえ有りますが、そこから立ち上る佇まいとかそういうのに惹かれるんですよ。


もちろん王道を行ってる人も好きですけどね。

歳を重ねる毎にそういうのに惹かれ始めてますね。

狂気の部分と言っても良いかも知れないです。


若い頃はそういうのに惹かれだけど、今ほどではなかったです。

何処かしら生き方や映画に、狂気の部分を探すのが多くはなりました。


普通にヒットしてる映画ももちろん好きなんですけどね。


『ブラザー』、本当はローマ字表記だったと思いますが、今回は全く調べず書いてますから間違いがあったらすいません。

書くのは時間がかかるけど、その時の勢いを失いたくないからほとんど調べないです。

調べる事によって、書こうとしてた勢いが上手く書けなくなるからです。


武のセクシーさは、例えるならレザボアドッグ*『レザボア・ドッグス』(原題:Reservoir Dogs)の頃の、ハーヴェイ・カイテルとかかも知れないですね。


決してそんなにイケメンで無いのに、出してる雰囲気ですね。

それと、フライデー襲撃事件や大きな事故を乗り越えて生き残って、映画監督として高い評価を受けてるって奇跡ですね。 

漫才ブームの頃に、武が将来こうなると本人も予測出来なかったでしょうが、色々な偶然が重なるって事はもう偶然ではなくて必然なんだと思います。

DVDで、大抵何処でもレンタルが有るから気が向いたら見て欲しいです。

おわり

注) *は、管理人がWikiより引用

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