高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【451】

妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の映画化芝居化・・・
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています

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📖 高山のエッセイ〜映画『スカーフェイス』 雑感

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『スカーフェイス』は大好きな映画で、『タクシードライバー』や『ゴッドファーザー』と共に常に自分自身の中でベスト3に入る映画ですから、書くのは難しいです。


これも、観たのはレンタルビデオ店で働いてる時だろうと思います。


その頃観たのが、何故か自分自身にとっては重要な映画になってる。


思春期に観たのよりも、二十代で観た方がどちらかと言えば何度も観てますね。


僕の十代は、ジャッキー・チェンとスピルバーグ映画が沢山有りすぎて、少々辟易したのかも知れないです。


しかし、ジャッキー・チェンもスピルバーグも、今でも気になるんですけどね。

スピルバーグの監督作品やプロデュース作品に一時期は嫌気が差してましたが、今は普通に楽しみです。


余りにスピルバーグの映画とかプロデュース作品が多すぎて辟易した時期が、丁度若い頃にあったせいですね。

しかし、優秀な人だと今では思いますよ。


僕のように早熟でない人間には、二十代が映画と言うものをきちんと捉える事が出来初めたのかも知れないです。


それと京都のレンタルビデオ店には、僕がそれまで知らなかったタイプの人間が沢山居たのも、刺激を受けたのかも知れないです。


同志社、立命館、関西大学、京都大学の連中と話すのは刺激的でしたね。

やはりある程度の知識を持ってたんですね。

そういう同年代の彼らと話す事が、自分自身を刺激しましたね。


その前の、警備員のアルバイトはまた違う刺激や、今思えば非常に自分自身に影響を与えてますけどね。

意外に、直ぐ福岡で働いた所の印象が薄いです。


福岡はまだ同じ九州だったのと、予定された事だったからでしょうね。

京都は住むとは思ってなかったから、今でも残ってるのかも知れないです。

自分自身にとって、ポイントになった土地って有ると思います。

僕のような仕事をしてると海外にも行ってたけど、その時の状況などでポイントになるかは変わる気がします。

京都はポイントになった土地の一つですね。

それは若かったのも有るけど、友達は一人しか居なくてその友達とも疎遠になって、一から自分自身で知り合いを作っていったからかも知れないです。

それに京都との接点が、それまでほとんど無かったってのも有りますね。

住んでみたら意外な事が多かったですよ。


高校卒業して、やっと何とか子供から大人に変わりつつあったんでしょうね。

高校生の頃は内向的でした。

そういう風に同級生に言うと笑われますが、自分自身はそう思ってましたね。

本を隠れて読んで、周りはヤンキーばかりなのでヤンキーのような振る舞いをしないと周りから振り落とされるからしてたのかも、と今では思います。


それと、剣道部がその高校のレベルが低い事もあって、僕がキャプテンでしたからそれなりの扱いを受けたのもあります。


内向的ではないようにと務めて振る舞ってた感じなのかもです。


まあ、単純に言えば子供ぽかったですよ。

多分、今の十代とか二十代前半に比べたら子供でしたし、この分だけ純粋でしたね。


本とか音楽は十代の影響強いけど、映画は二十代ですね。


そんな訳で、とにかく『スカーフェイス』の魅力を伝えます。


映画は1983年ですね。


170分もある長尺の物ですし、『暗黒街の顔役』のリメイクとは知ってますが、『暗黒街の顔役』は観てないです。

監督はブライアン・デ・パルマで、脚本がブレイク前のオリバー・ストーンです。

ブライアン・デ・パルマとは、アル・パチーノは『カリートの道』で再び組みますが、これは『スカーフェイス』のその後的にも思えます。

ストーリーや登場人物に関連は無いんですが、少し分別を覚えてしまったトニー・モンタナ(『スカーフェイス』の登場人物でアル・パチーノが演じている)を描いてるように思えますね。


ストーリーは、キューバから反カストロ主義者としてボートでアメリカに着く人間達の中に、トニー・モンタナが居ます。


大量のボートピープルが居ますが、その中には反カストロとか関係なく、刑務所経験者や国の厄介者も沢山含まれてます。


トニー・モンタナはそういうアウトローです。

これを演じるのがアルパチーノです。


この映画は、公開当時は評価されてなかったですね。

僕は十代ではキネマ旬報を読んでたけど、この映画を誰かが酷く書いてたように思います。

一応ベスト10には入ってたようですが、賛否が別れたと思います。

後にカルト的に評価されますが、今観るとカルト映画ではないですよ。

王道のピカレスク映画です。

アル・パチーノの最後の一人舞台、と言っても良いかも知れないです。


そのくらい、アル・パチーノの野蛮な魅力が満載です。

ボートピープルで着いたトニー・モンタナは、大きなキャンプに収容されます。


そこで、政治犯のレベンガを殺してくれたらグリーンカードと職と、今後の事も考えてやるとマフィアからの以来が来ます。


相棒は、マーニーという背の高い若者です。


これをスティーブン・バウアーがやりますが、彼はその後も映画に出てるけどパッしませんね。


トニー・モンタナは、レベンガをキャンプの暴動を機会に刺して殺します。


グリーンカードを手に入れて、職も手に入れます。


職は、屋台のようなタコス屋です。


マーニーと共に働きながらも、いつになったらマフィアは接触して来るんだと苛立ちを見せます。


舞台はマイアミです。


やっと接触してきたマフィアに、強気な態度を見せます。


それを気に入ったマフィアは、コロンビア人との麻薬の取り引きを持ちかけます。


マイアミで、ホテルで会って麻薬を買うんですね。


しかし、これがコロンビア人の罠で危うく殺されかけます。


ここでも、何人か集めたうちの一人はチェーソーで切られるのですが、トニー・モンタナは一切弱気を見せません。


仲間が助けに来て、コロンビア人を外まで追いかけてトニーモンタナが殺します。


このシーンは、明るいマイアミと血まみれのトニー・モンタナとのコントラストが良いですね。

全体に今観ると、流石に映像は古いけど極彩色な映画です。

そして、マイアミ界隈で有名なボスのフランクに、直接会わせろと言います。

フランクはトニー・モンタナを気に入ります。

フランクの右腕的な存在の男は、田舎者と言いますけどね。


フランクの女エルヴィラを、若き日のミッシェル・ファイファーが演じます。

一目見て、トニー・モンタナは気に入ります。


マーニーと帰りながら、あれは俺に惚れてるとか言いますが、ボスの女ですよ。


それにまだこの頃は、トニー・モンタナはフランクの中のチンピラの一人なんですよ。


それが、もうそういう風に言うんですね。


トニー・モンタナはその後、フランクに頼まれてコロンビアの麻薬王ソーサと会います。


もう一人のフランクの右腕をそっちのけに話します。


フランクの右腕は、ソーサの調べでかつては警察の飼い犬だったのがバレて殺されます。

ソーサは、トニー・モンタナを気に入ります。

話しが率直で良いと言うんですね。


ソーサとの間に勝手に大きな麻薬の取り引きを成立させてしまいますが、フランクは怒ります。


フランクとの間に、仕事面とミッシェル・ファイファー演じるエルヴィラを巡って溝が出来ます。

トニー・モンタナは、フランクの事をガッツの無い男だと言います。


フランクは、徐々に大きくなってるトニー・モンタナを目障りに思い人を使って殺そうとしますが、トニー・モンタナは何とか逃げてフランクを殺します。


ここから、一気に階段を上がるように成り上がって行きます。


ソーサとの取り引きで莫大なお金が入ってきます。


凄く可愛がってた妹にも美容室を作ってやったり、フランクの元女のエルヴィラと結婚もします。

しかし、エルヴィラは常に麻薬に侵されてますし、トニー・モンタナも自宅の警備を細かくしたりして、仲間のマーニーとも多少の軋轢が生まれます。

ある時、お金を計算したら囮捜査に引っ掛かります。


これには弁護士もどうしようもないと言います。


脱税で捕まるから、少しでも裁判を伸ばすかとかしかないんですね。

そういう時に、ソーサからコロンビアに呼ばれます。


麻薬取り締まり委員会の男を殺してくれと言われます。

そうしないと、ソーサや色々な人に迷惑がかかるからと言います。


その代わりにワシントンに居る友人に頼んで、君が捕まった件を上手くまとめてやるよと言われます。


ソーサには専門の殺し屋が居るのですが、英語が得意でないからニューヨークまで一緒に行ってくれと頼まれます。


トニー・モンタナはそれを受けるのですが、その男を殺そうとして車ごと爆破しようとするのですが、子供が乗ってるんです。


それでトニー・モンタナは、ソーサの殺し屋を逆に銃で殺します。


子供が乗ってるのまで殺す程卑怯では無いぞ、なんですね。

しかし、これにソーサは激昂します。


トニー・モンタナもそれなら戦争だですが、ソーサとの組織の規模が違います。


この頃になるとトニー・モンタナは、麻薬でかなりいってしまってます。


一番信頼してたマーニーも、自分自身の妹ときちんと結婚するとなってたのに勘違いして撃ち殺してしまいます。


邸宅に戻っても大量のコカインを吸いながら、マーニーの事を悔いたりします。


しかし、既にソーサの手下が邸宅を囲んでます。

妹もそういう連中に殺されます。


怒ったトニー・モンタナはコカインを吸いながら、一人でロケットランチャー付きの機関銃で撃ち続けます。


小柄なアル・パチーノが、それを感じさせない狂気の演技を見せます。

相手から撃たれても、効いてないぞと言いながら撃ちます。


このシーンは下手をするとただのアクションになるのですが、トニー・モンタナ演じるアルパチーノの圧巻の演技で、そうはなりません。


最後は後ろから撃たれて、自宅の小さな池に落ちて行きます。

ラストに近づくにつれてエルヴィラも居なくなるし、マーニーも殺してしまうしで破滅の色合いが濃くなります。


何故この映画に惹かれるのかは、一人の男の成り上がりから破滅までを描いてるからと、その野蛮だけどガッツですね。


女性向きでは無いけど、男なら血がたぎりますよ。


それを可能にしたのがアル・パチーノの演技と、デ・パルマ監督の腕とでしょうね。


この映画のパロディやオマージュは、海外の映画では良く見ます。


ギャングスター達の一つの見本のように観られてるようです。


トニー・モンタナが、ボート移民で卑しい出身だと言うのもキーになるんでしょうね。


アル・パチーノの『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネとは全く反対の、野蛮で下品なギャングスターぶりを観る映画だと思います。

それと 、どういう出身でもガッツが有れば何とかなるんだと言うのも感じます。


マイアミを舞台にしてるのも、物語の陰惨さとマイアミの明るさのコントラストが良いです。

アル・パチーノの相変わらずの目力も有ります。


しかし、少し前に観たんですが今までと少し違う見方も出来ました。

やっと命を掛けて手にいれた物が、実は空しい物だったって所です。

最もそれを象徴してるのが、フランクの女だったエルヴィラでしょうね。


凄いいい女だと思って手にいれたらジャンキーだったっとか、自分自身にはいつまでも本気で振り向いてくれないとかね。


途中でトニー・モンタナが、俺はこんなものの為に命を掛けたのか?的な言葉が有るんですが、何だか胸を打たれます。


もちろんトニー・モンタナに問題が有るんですが、ガッツと仁義だけはきちんとしてきてた男なんですよね。

何だか寂しさも伴いましたね。


しかし、素晴らしい映画です。

もしもこれを観て良かったら、『カリートの道』を見てほしいです。

関連性は無いけど、同じ監督で同じ主演者です。


トニー・モンタナの少し年老いたバージョンをやりたかったのでは、個人的思います。

トニー・モンタナってのは、男の一つの理想でも有るのかも知れないなあとも思います。


個人的話しですが、レンタルビデオ店で観て余りに良かったから、トニー・モンタナの猿のような独特の髪型にしたくて、床屋で切ったら見事に失敗したことを懐かしく思いますね。


自分自身に確実に影響を与えた映画ですから、語るのは非常に難しいですね。


映画には一度か二度で観れば良いのと、何度も観て味わえるのがあると思います。


それは、映画の質が高いとか関係なくて、自分自身が置かれた状況とかが影響しますね。


少し前に好きな監督で思春期に凄いなと思った映画で、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を見直したんだけど、何処が良かったのかピンと来なかったです。


それは、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』が映画とし良くないでは無くて、自分自身には一度か二度観れば良かった映画なんでしょうね。


そういう意味では、『タクシードライバー』、『ゴッドファーザー』、『スカーフェイス』は、その時その時で感じかたが変わります。


こないだ四十九才になりましたが、五十代でこれを観たらまた違う感じを抱くのだろうなと思います。


好きな映画を語るのは難しいですね。ストーリーは覚えてて書いてるから、多少の間違いがあったらすいません。

二十代でこういう映画に出会えた事を感謝してます。

京都での事は、警備員の頃も含めて最近良く思い出します。

京都との縁が何故か出来た事も、有難い事だと思います。

とにかくギラギラした映画です。

アル・パチーノの違う部分の魅力が満載ですし、何度もファックと言うんですが、多分英語を知ってたら相当口が悪いんだろうなと思いますね。


とにかく見て欲しいし素晴らしい映画ですよ。


おわり

📖無名居士のたわ言・・・音楽でひとあそび〜シューマン 幻想小曲集~夜に

見えるものに囚われないように・・・

思い出すのは
金子みすゞの詩
CMで有名になったが・・・
星とたんぽぽ

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
 見えぬけれどもあるんだよ、
 見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
 見えぬけれどもあるんだよ、
 見えぬものでもあるんだよ。

ホームページ作りに熱中していたのは
クラシック音楽を聴いて感じたイメージを
どうページに表現するかという遊び・・・
「音楽でひとやすみ」というコーナー
並行して金子みすゞの詩を読んでいた

その詩からイメージするクラシックの曲を探す・・・
「金子みすゞ 詩の世界」というページもつくっていた
きょうそのページを開いて
どんな曲を選んでいたか・・・聴いてみた
「星とたんぽぽ」の詩は取り上げていなかった

取り上げた詩は82作品
ちなみに季節的に雪の詩は・・・
 雪 エレジー~幻想小品集 作品3-1~Rachmaninoff
 つもった雪 バイオリン協奏曲「四季」第4番~「冬」第3楽章~Vivaldi
 あわ雪 雪は踊る 「子供の領分」より~Debussy

囚われの心・・・この詩から連想したみすゞの詩
星とたんぽぽ・・・この詩からイメージする曲を探してみよう
Schumann: Fantasiestücke op.12,In der Nacht/シューマン:幻想小曲集 op.12「夜に」-Tomomi Okumura 奥村友美

📖 高山の作品から〜「濡れる穴の中 14~えり子ちゃんの受難」

「濡れる女子事務員」シリーズのえり子ちゃんと、営業と業者に会いに行きました。

最近は、ほとんど彼女が運転してくれますし、運転も上手いです。

自分自身が、夜勤の現場にトラブルがあって変則的に夜勤に出てるから、時々凄い睡魔に教われるんですね。

それで、彼女に運転を任せてます。

えり子ちゃんはどんどん成長してるし、僕の気づかない所を上手くフォローしてくれてます。

人の扱いが上手いのと、全ての現場の特にお金の流れを良く分かってて、その辺りを処理してくれてます。

相変わらず現場にも出て作業もしますし、秋になってからは夏より少しは太ったようでほっとしてますね。

元々、背は高いけど細かったから、もう少し体重上げないとキツイぞと言ってました。

こういう仕事は個人差勿論有るけど、ある程度の体重を維持してないとスタミナが持たないんですよ。

彼女は、身長は一メートル六十五センチ有るけど体重は四十キロ台なので、それを少しでもアップさせないとスタミナが持たないですね。

本人に少し太って良かったなあと言うと、若い女の子らしくなく素直に食べてますし、スタミナ面が少し弱いのは父にも言われてますと明るく答えます。

他の若い女性なら太った=悪口と取るでしょうが、彼女はその辺り分かってますから楽ですよ。

それでも、まだまだ細いですけどね。

そうして、この日もえり子ちゃんはスーツで業者に回って、今度もしかしたら仕事をするかも知れない元請けに挨拶に行きました。

もう彼女も慣れて来てますから、気を使うのはそれほど無いです。

その元請けとは、もう五年以上前に小さいトンネルで仕事をしただけで、その時の印象はトンネルは素人だなあです。

外の仕事を主にしてる所です。

田舎元請けですが、社長がしっかりしてて対応は良かったです。

行くと、まだ四十代半ばの専務が迎えました。

聞くと一年ほど前に社長が亡くなったらしく、息子の専務が跡を取ってました。

あー!そうなんですか、と社長に対してお悔やみを言ってから、今度の仕事の打ち合わせをしようとしたら社長が、高山さんの所は使いたいけど、女を入れるのは嫌だなあと言いました。

まあ、良く有る反応ですが、そこから人を呼ぶとえり子ちゃんは席を外して貰って、と言い出しました。

そこの社員らしい男が来て、えり子ちゃんの腕を掴むと社長室から出そうとしましたが、えり子ちゃんは自分で出れますと言うと出ていきました。

僕は、一瞬かっとなると言うより、唖然としながら見てましたね。

女と仕事をしたくないは分かるから、そこから説得しようとしてたのに人を呼んで彼女を追い出すとは、何だそれは?ですよ。

唖然としながらも、段々と怒りが湧くのを抑えましたよ。

先代の社長には何かと世話になったからと、説得して見ようと思ったからです。

ところが、社長は、高山君女の子入れてどうするの、あんただったら例えばここで、上半身裸になれるだろう。だけど、あの子じゃなれないよなあと言いました。

呆れて僕は、言葉が出なかったです。

それでも、うちの現場統括のナンバー2を、まあ良くも馬鹿にしてくれたよなあと言い返しました。

そして、女性には女性にしか出来ない事が有るのが、先代の社長なら分かっただろうけど、二代目はくだらない事を言うなあと言いました。

そしたら相手は、高山君、肝心なのはいざと言う時に上半身でも裸になれるかだし、元請けに対して失礼だよと来ました。

僕は、僕らの仕事は上半身裸になる仕事じゃないし、お前の前で俺が裸になるわけ無いだろうと言い返しました。

そして、二度と仕事をしなくても良いからと言うと、社長室から出ました。

出る直前に社長が、トンネル屋ごときの下請けが舐めるな、と言うのが聞こえましたが、無視しました。

社長室から出ると、社長と僕のやり取り聞いてたのか作業員のような若い男が立ってて、トンネル屋だと思って舐めた口を聞いてるんじゃないと襟を持とうとしてきました。

それを僕は払いのけると、スリッパの男の足を思い切り踏んづけました。

相手は、痛がって下を向いたから襟を逆に掴むと壁に押し付けて、トンネル屋を舐めるなと言ってから外に出ました。

しかし、車の中で待機してるえり子ちゃんの周りを、男が二人ほど見張るようにして居たので呆れましたね。

ここまで徹底的に彼女を排除するのかと、頭に来ましたよ。

僕は車の中から短いバールを出すと、お前ら何を見張ってるんだと言いました。

出方次第では殺すぞ、と脅しました。

相当腹が立ってたから、一人の顔をビンタで張ってコーヒー買ってこい、と言いました。

二人分だぞと言うと、そいつは驚いたように近くの自販機に走りました。

もう一人もまさかバールを持ち出すと思ってなかったようで、立ちすくんでましたね。

僕は、この程度でビビるなら俺達を敵に回してるんじゃねえぞ、と吠えました。

多分、自分自身の中のこのところの疲れも出て、苛立ちが普段より激しかったですね。

コーヒーを一人が買ってくると受け取って、それで顔を殴りつけました。

僕が車に乗ると社長が出てきて、二人を叱りつけながら僕に降りて来いと言うので降りました。

高山、舐めてるなあと言うから、先に舐めた事を言ったのはお前だよと言うとカチンと来たのか、僕に体当たりして来ました。

予想して無かった体当たりだったので、車のバンパーに腰を打ち付けて、社長が上になるような感じでした。

僕は素早く相手の目を軽く突いて、体勢を入れ換えました。

するとえり子ちゃんが出てきて、バールを持って周りに近づくなと大声を出してました。

僕は社長を上から抑えつけると、あんたが喧嘩を売ったんだからなと言うと、二度ほど思い切りビンタを張って襟首掴むと放り投げました。

えり子ちゃんには車に乗れと言って、僕も乗ると発車させました。

えり子ちゃんも僕も興奮気味でしたが、まあこういう事は今までもあったので仕方ないかでした。

一時間もしない内に、そこの社長からケータイに電話が掛かりました。

怒ってるかと思ったら実は、うちの会社のライバル会社から高山の所は根性がない、と言われたらしいんですよ。

それで、それならどうか試して見ようとしたとの事です。

ライバル会社は、うちに最近仕事を取られてる小さい所です。

高山は、女を使って腑抜けになってるとまで言われたようです。

僕は、試すにしても余りに荒いやり方じゃないのかと怒ったら、それは、まさかあそこまで反撃されると思わなかったし、女の子がバールまで持ち出すとは思わなかったから本当に申し訳ないとの事でした。

もう一度彼女も入れて、今度の仕事の打ち合わせしようと言ってました。

今回は本当に悪かったし、死んだ父親もトンネルをやるなら高山さんの所だと言ってたから、もう一度話し合おうと言いました。

僕は呆れましたが、それなら戻りましょうと言いましたよ。

それから、うちの悪口を言ってる同業者に電話して、あちこちで要らない事を言うならお前の所に行くぞ、と脅しだけ入れました。

戻るとさっきの作業員のような男たちが、さっきはすいませんと謝って来ましたよ。

えり子ちゃんが、耳元で許してあげましょうよと笑いながら言うから、仕方ないかと思いました。

社長とは、今度はえり子ちゃんも入れて打ち合わせしましたが、先代の社長が非常に評価してくれてたのを話してくれて嬉しかったですね。

自分自身も父を亡くしたばかりなので、何とも言えない気持ちになりましたよ。

それにしても、試すのにのにも程があると笑うと、高山さんとえり子さんには申し訳ないと頭を下げて来たので、無かった事にしました。

高山君だったのが、高山さんに変わってたのも、あーなるほどと思わせましたね。

それにしても、調子が良いと色々な所から邪魔が入るんだなと思ったのと、何時もその標的が女を使ってるからになるのは、何ともこのトンネル業界の狭さと汚さを感じますね。

これからもこういう声と戦うしかないけど、彼女なら大丈夫でしょう。

そうじゃないと、僕も彼女をナンバー2に選びませんからね。

しかし、これが逆の立場なら辞めるかも知れないので、大した根性だと思いますよ。

おわり

📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 12」番外編(フィクション)

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前書き
今回は、フィクションとして読んで下さい。

こういう犯罪は、僕の想像と思って下さい。

二十年以上前の話しですが、鮮烈に残ってるのに最近驚いてます。


「ガーターベルト」シリーズ、飽きてる人も居るでしょうが、僕が書きたいのと書いておくべき、で書いてます。

いずれ形を変えてサイトにアップもあり得ます。

サイトでは、『友人』や『日本刀と青春』は、Aとの話しをフィクションにしてる。


AとMをと、僕との話しを残して置きたいから書いてます。


何時だったか忘れたけど、Mの店でAと飲んでました。

大体Aが来ると端に座って、Mと僕との話しを微笑を浮かべながら聞いてました。


Aは地元のヤクザでしたから、他のお客でAに気付く人が居ると、すっとチェックして帰ってました。

Mに、ヤクザが出入りする店と思われては不味い、と思ってたんですよ。

ヤクザが飲む店は有りましたからね。


ある時、Aの舎弟の十代位の男がAを探して来たことがあったけど、その時のAは舎弟を外に出すと、怒ってましたね。

当時は、ケータイも電波が入りにくくて舎弟は来たんでしょうが、Aは自分自身の関係者をMの店に入れるの非常に嫌がってましたね。


僕と二人で飲んでたある日は客が居なくて、Mと僕とで映画の話しから様々な楽しい話しをしてました。


Mが、トークを回す感じで時々Aさんも何か話してよと言うと、ブランデーのロックを飲みながら俺は聞いてたら楽しいで、ほとんど自ら話さなかったです。


しかし、十代の時の話しになって、僕は酔ってたんでしょうね。


こいつは高校に入ってないのに時々学ランで来て周りを脅してたと言うと、Aは日本刀持ち出す剣道部のキャプテンに言われたくないと笑いました。


学校同士の抗争で、僕が日本刀持ち出して二人で突っ込んだ話しをしました。

Mは面白がってカウンターから出ると、僕らの間に座りました。

Mは暴力は嫌いでしたが、その頃の話しを面白可笑しく僕が話したから、Mの高校ではあり得ないらしくて笑って聞いてました。

Mは、珍しくブランデーの水割りを自分用に作ると、お客が来たらもう終わりましたって言うから、と看板だけ消しましたね。

どっちが強かったのと聞くからそりゃAだよと言うと、Aはこいつは外国に仕事で行って人を刺してるからなあ、と笑いました。


実際正当防衛で刺してたけどそれは、お前別だよと言い返しました。


腕相撲はどっちと聞くから、Aはこいつの腕力に勝てるの居ねえよ、と笑いました。

実際は、腕相撲やっても左は僕が強かったけど、右は負けてましたね。

左が強いのは剣道やってた人間の強さですが、喧嘩では圧倒的にAだったと思いますよ。

Mが、ふと僕の耳の所を匂ってシーブリーズ使ってるよねと言って、耳の後ろを匂うと清潔にしてるかとかオッサン臭いか分かるんだよ、と言い出しました。

突然話しを変えるのもMの特徴でしたが、不快では無くて上手くそこから話しを広げました。


シーブリーズは、夏には大抵つけてました。

今でもつけますが、Mが勧めたからです。


耳の後ろを匂うとって、今で言うと加齢臭ってやつですが、Aの耳の後ろを匂ってマッチの匂いがする、と言い出しました。

Aは少し笑って、良く分かったなあと言うと火薬だよ、と小さい声で言いました。

僕もAを匂うと、火薬の匂いが僅かにしました。


僕の仕事でダイナマイト使うけど、こういう火薬の臭いは黒色火薬の匂いです。


昔のダイナマイトですが、僕は一二度しか使ってないです。


しかし、ピンと来たのがタイとかベトナムで撃った古いリボルバー拳銃の臭いです。

Aは、珍しくMちゃん古い拳銃と古いダイナマイトを今日試したんだよ。と言いました。

Mは、驚きながらも興味津々です。


新しいのは、こういう臭いはしないんだよと言いました。


そして、明日の夕方でも撃ちに行くかと僕らに言いました。

ダイナマイトは専門家がここに居るけど、もう大丈夫だからと言うと微笑みました。


僕は、Aが酔って言ってるので無いのが分かったから面白いけど、撃つところ有るのかと聞くとAは頷きました。


Mは、私にも撃たせてくれるの、です。


Aは、どうせ試さないといけないんだよと言うと、安全を守るならMちゃんも良いよと言いました。

組内で試せと言われてたようですが、細かい事は言わなかったですね。


僕に向かって、こいつは撃ち殺して何処かに埋めて、Mちゃんと俺が付き合うってどうかな、と笑いました。


次の日の夕方に、車で僕の所に来ました。きっちり時間通りでしたね。

高級外車に乗ってました。

Mも待ち合わせの所に居ました。

乗ると時間に通りだねと言うと、この人と違うねと僕の腹を軽く叩きました。


それから、走ってどんどん田舎の道に入って行きました。


最終的に、元々何かの坑道跡が残る空き地に行きました。


周りは川と山だけです。


狭い道を通ってそこまで来ましたが、運転も慣れてましたね。


車から降りたら、Mちゃん耳をふさいでと言うと、腰から拳銃出して山に向かって連発で撃ちました。


僕は、音といきなりでしたから驚いたら、Aは大笑いでしたね。


これはOKと言うと、後ろのトランク開けて五丁の拳銃を出しました。

Mには自動式の渡すと、安全装置の外しかたから構えまで手取り足取り教えて、空き缶を置いて撃ってといいましたが、僕には、お前は分かるよなでした。


Mは、何度か目に空き缶を撃ち抜けるようになってはしゃいでました。

僕は、古いタイプを山に向かって撃ちました。

Mも僕もこんな所で拳銃か、と思うと楽しかったです。

Aがじゃんけんをいきなり僕にしてきたので思わずすると負けました。

Aは、空き缶のビールのロング缶を出すとそこに立ってと僕に言って、負けたからなとロング缶を頭の上に乗せました。


Aは離れて拳銃を構えたから、お前なあふざけるなよと僕は怒りましたが、Mが大丈夫失敗しないよ、と真面目に言いました。

Aは、失敗しても頭が飛ぶんだし、そうなったら埋めてMちゃんと帰るよと笑いました。


僕は抗議しようとすると、Aが動くなと大きい声を出したので立ってました。

音がすると頭の上に衝撃が来ました。


Aが自信があったのでしょうが、流石にビビったので僕はもうひとつ銃を出すと、Aの足元に何発か撃ちましたね。


Mは後ろで、二人で美女の取り合いしてるみたいと笑いました。


結局、全て撃っておかしなものが無いのを確認すると、Aは車に仕舞いました。

最後に後部座席から袋に入った日本刀を出して来ました。

鞘はご立派な木で出来てて、抜くと明らかに高い物だと分かりましたね。


お前まだ木とか切れるかと聞くから、多分と答えたらかなり太い木を指して、あれを切ってみろよと言いました。

切れ味は保証するし失敗しても、気にするなと言うから数年ぶりに日本刀を構えて、何度か息を整えて切るとすぱりと太い木が切れましたね。

腕より日本刀が良かったんでしょうね。

MもAも、おー!と叫びました。

帰りに僕は、暴発の恐れとかあったのかと聞くと、お前と俺のにはあったよと答えたから、ふざけやがってと言いましが楽しかったですね。


帰りにMがちょっと停めてと言うと、小さいお店に入るとソフトクリームを三つ買ってきました。

その辺りは乳牛で有名で、美味しいソフトクリームでも有名でした。

僕に向かってMは貴方甘いの好きだしソフトクリーム好きだよねと言ってAさんも食べてよここの美味しいからと言いました。


Aは、路肩に車を停めるとソフトクリームを食べながら、そういえばお前は甘いの好きだったなあ、と笑いました。

僕は、好きだよ悪いかと答えたらMが、さっきまで拳銃撃ってたのがソフトクリーム食べてるって良いね、とクスクス笑いました。


Aもそれは言えるね、とクスクス笑いました。

食べ終わると、Aは美味しかったなあと言うと車を発車させましたが、しばらく行くと思い切りUターンしました。


不味いなあ俺はこういうタイプで無いのに、お前とMちゃんと居ると不味いなあと言いながらさっきの店に戻ると、もう一つ食べたくない?と聞いて来ました。

Mも僕も、普段は無口でクールな男がソフトクリームにはまったのに笑いながら、食べたいと答えました。


結局、三人で二つのソフトクリームを食べて帰りましたね。


それからしばらくしてMから連絡があって、Aさん来るから飲みに来なよと言ってきたので、また二人で飲んでました。


何時もの感じです。


クールに隅に座ると、延々飲みながらMと僕の話しを聞いてましたね。

Mが話しの途中で、Aさんあそこよりまだ美味しいソフトクリーム有るからまた行こうよと突然言うと、Aは飲んでたのを吹き出しそうになってむせました。


Aが、ソフトクリーム食べて映画見に行こうよと言って、今度は拳銃無しねと笑いました。

出来たら時代劇か西部劇が良いけど、最近無いから何でも良いよね、と笑いました。

Aは何とか煙草に火をつけながら、Mちゃんには負けるなと僕に向かって微笑みましたね。

負けると言いながら嬉しそうでしたね。


今思えばAはMが好きだったと思うけど、それ以上に三人の関係を大事にしてましたね。

日本刀をわざわざ持ってきたのも、Mの前で僕の良いところを見せたかっんだと今では思いますよ。

Mと同じで、自分自身好きな人間には優しかったんですよね。


それが一般的な形で現れなくても、今では分かりますね。


その後、僕がMと別れたと知ると勿体ないし俺にとってもショックだ、と言いましたね。

Mと友達関係が戻ったと聞くとそりゃ良かったけど、俺はあの店は行かないよと言いましたね。


かつての三人の関係は壊れたからと、行くと自分自身が口説きそうだったのだろうと今では分かるけど、当時の僕は三人の中では最も子供でしたね。

そういう機微が分かってなかったです。

Aは僕より数倍モテました。実際、綺麗な女性を連れてるのを何度か見たけど、四十代になって会った時は、女より男の方が信用できる。ただし一部だけだけどな、と言ったのを思い出しましたね。


Aは数年前に死んだけど、ソフトクリームを美味しそうに食べてる顔を思い出すのと、Mの店のすみで微笑みながら強い酒を飲んでたのを思い出しますね。

彼は今でも僕にとっては変わらない親友ですね。

生きてる、死んでるは僕には関係ないですが、時に非常に悲しくはなりますよ。

おわり

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