高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【259】

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【随筆】映画「三大怪獣 地球最大の決戦」雑感

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随筆「遺言 甥っ子へ

2017/04/02

僕は、一応遺言は書いてる。


何故かと言えば、仕事柄いつ事故をして死ぬか分からないからだ。

過去には大きな事故もしたし、これは自分自身の性格から死ぬような目に合って来た。


今回は、僕の愛する甥っ子に遺言を残したい。


これも本当に書いてるが、ここでは違う形で残したい。


過去にこのブログを好きで居てくれて、僕とも交流があった人が亡くなったのも影響してるかも知れない。


その人は、きちんと小説サイトの人にも挨拶を出来る限り残していた。


弱気な挨拶ではなかったが、その人の人柄が出ていたと思う。 

人は、どういう形で居なくなるか分からない。

それとこないだ、現場で数メートルの所から落ちてたまたま、軽傷ですんだけど段々と体力的には落ちてる事を実感してる。
    

決して死にたいとか、死ぬわけではないんですけどね。


甥っ子に遺言は残して置きたいのは、そういう色々な理由からだ。


僕は、今年の四月十日で四十九才になる。


甥っ子は三月で十才になった。


キイチと名前は仮名にします。


キイチが生まれた頃は、産後を妹は家で過ごした。


猿のようなキイチを世話したのが、キイチにとってのジイジだよ。


キイチは、僕をおいちゃんと呼ぶ。


おいちゃんは、忙しくてかまってられなかった。


それに、小さな赤ちゃんのお前をどう扱うかを知らずに、見てるのが精一杯だったよ。


キイチのママは、その後も何かにつけてお前を連れて家に来たね。


最初はママと絶対に離れず、なかなか人に慣れない子だった。


おいちゃんは、お前が来る度に家に居たらなるべく笑わそうとした。


段々と歩くようになって、面白かったよ。


それでもやはりその頃は、ジイジとバアバが良くお前の世話をしていた。


家から海に近くて、石投げをしたりしてたよ。


おいちゃんと外に初めて二人で出たのは、三才くらいだろうか?

手を繋いで海まで行って、漁船を見たよ。

お前に、漁船に乗せて貰うように言おうかと聞くと嫌がったよ。

小さな手で、いつも出かける時はおいちゃんと手を繋いでいたよ。

今でもお前の子供の頃の手の感触を覚えてるよ。  

いつも公園に行くときに、パチンコ屋の前を通って行ってたね。


そこでいつもおいちゃんが笑い話しばかりしてたら、お前は喜んでたよ。

お前が、家に泊まると言ったのも三才位かな?

ジイジとバアバとおいちゃんとで、キイチ泊まれよとからかっていたら、お前が泊まると言い出してママも皆驚いたよ。


びびりのお前が泊まるとは思ってなくてこっちが慌てて、とにかく今晩預かるのにDVDを借りにバアバとおいちゃんとで行ったよね。


この時から、お前が泊まる時のパターンが決まったと思う。


DVDをおいちゃんと見て、バアバの部屋でお前が寝付くまでおいちゃんが話しをした。


保育園に入ってからも、何かにつけて泊まりに来たね。


近くの公園で沢山遊んで、夜はDVDを観たね。


新しいDVDを絶対に一本は借りて、後は古いのを借りたね。


おいちゃんと、沢山のアニメや仮面ライダーを観たね。


ママはおいちゃんが居ない時は泊まらせなかった。


相手をする人が遅くまでだと、ジイジとバアバでは体力的に無理だったからだよ。


もう一人のおいちゃん、つまり僕にとっての兄はアルコール中毒鬱で、お前をそんなに可愛がらなかった。


何処かに、お前ばかりが可愛いがられるのが納得出来なかったのだろう。


それでも自分自身の気分次第でお前に接した為に、時にはお前を傷つけそうで怖かったよ。

もう一人のおいちゃんと僕を、お前は分けて考え始めたよね。


おいちゃんと呼ぶが、キイチのおいちゃんと、ママのおいちゃんって言い方をしたね。


もう一人のおいちゃんを、ママのおいちゃんと言ったのは、あー!そうだな、だった。


もう一人のおいちゃんは、お前が来てもお前のママとばかり話してたから、ママのおいちゃんとなったんだね。


僕をキイチのおいちゃんとしたのは、本能的に自分自身を可愛がってくれるのはどちらかを、良く分かってたからだよね。

お前とは沢山の思い出が有るし、おいちゃんにとっては、お前から沢山の癒しや気付きを教えて貰った。


時にはテレパシーのように、お前が考えてる事が分かったよ。


血の繋がりだなと思ったよ。

公園で色々な遊びをして、DVDを見てから話しをして寝たね。


ママは、キイチがダンゴムシを探してるとか、カブトムシを探してるとかだと、おいちゃんに頼んで来た。


ダンゴムシはお前と探しに行ったね。

必死に石の裏を覗いて見つけたら、お前は知らないふりをしてて笑ったよ。

公園で遊ぶのも、サッカーから公園の遊具を使った遊び、かけっこ、公園に来る鳩の餌やり色々したよ。


おじさんのスマホには、沢山のお前の写真や動画が残ってる。


仕事場の人間やなんかに見せてると、子供好きですねと言われたが、おいちゃんはそう言えば友達の子供とも仲良くやれたのを思い出したよ。


元々子供は好きだったのだと思うが、やはりお前は特別だよ。


近くのデパートにゲームもやりに行ったが、最初はおいちゃんは戸惑う事が多くて、お前に教えて貰ったよ。


おいちゃんは、最近のゲームセンターなんかはほとんど行ってなくて、お前居なかったからその後もいかなかったかも知れないよ。


今では十才になって少年野球始めて、会うとキャッチボールが主になった。


かけっこも、おいちゃんもある程度真面目にやらないと負けるようなった。


ジイジも体が悪いなりに付き合ったが、今では無理だね。

どんどん逞しくなっていくのに驚いてるよ。

もしもおいちゃんに何かしら起こったら、おいちゃんの物からママにお金に変えて貰って、お前とジイジとバアバにあげるよ。


おいちゃんの兄には何も残すつもりはないからね。

そのくらいおいちゃんの兄は、家族に迷惑しかかけてないんだからね。


ママはそういうのを売りさばくの上手いから、旧い手に入りにくいCDとか本とかジーンズを、なるべく高く売ってくれるだろう。

大した金額にはならないだろうが、せめてもの思いだよ。


お前はこれからどんどん大きくなって、おいちゃんとの距離は出来るかも知れない。


だけどおいちゃんは、お前が困ったら出来る事なら何でもするよ。


それに、これからお前が生きて行く世界は大変だろうと思う。


お前はママに、おいちゃんのようになりたいと言って最近困らせたようだけど、おいちゃんのようになりたいと思うなよ。


多分、特殊なトンネル工事の仕事をしてて昔の給料とか今の給料聞いたのだろうが、おいちゃんは使える金額は微々たるもので情けない状態だよ。

沢山の様々な借金や家族を支えてるから、おいちゃんはお金がないんだよ。

それと、パパとは違っておいちゃんはいつもへらへらしてて楽しそうにお前には見えるのかも知れないけど、それはお前に見せる顔であって、他の人に見せる顔ではないんだよ。


それとママが、おいちゃんは喧嘩が強いと言ったからだろう。


たまたま、お前のママと一緒に車に乗ってて、後ろから普通に運転してるのに何度もあおられた時に、おいちゃんが相手を止めて凄い怒ったのとか聞いたのだろう。


おいちゃんもそんな話しはママから最近聞かされて、そんなのあったかなだよ。


おいちゃんはお前に強くなれと言うけど、本当の強さは喧嘩が強いとかではないんだよ。


だけど、おいちゃんは自分自身の身を守るためにそうして生きて来たかも知れないが強い人間ではないよ。


出来る事ならおいちゃんのような職業より、お前のパパのような職業に付いて欲しい。


おいちゃんの職業は安定がないからね。

おいちゃんとお前のパパとはいまいち上手く行かないけど、それは仕方ないね。


まあ、どんな職業に付いても良いと思うんだけどね。


お前がやりたいことなら何でも良いのではと思うんだよ。

男の子だからね。そういう点は鍛えられて育って欲しい。

今のままで大丈夫だろうと思ってるよ。

だけど、これから社会はどんどん生きて行くのが大変になるように思う。

それをいかに乗り越えて行くかだと思うんだよ。


ネットの社会になると思う。


それは、リアルがどんどん失われて行く世界かも知れない。

キイチは野球を一生懸命やってるから良いけど、リアルな痛みやリアルな感覚を忘れないで欲しい。


ネットは使い方次第だよ。

それと、お前も一人っ子だしどんどん子供は減っていって、お前たちに負担がかかるだろう。

そういう辺りも大変だと思う。


おいちゃんが若い頃にも様々な歴史的な事が起きてる。


ベルリンの壁が崩壊して、ソ連が無くなるとは思わなかった。

おいちゃんが思うには、もしかしたら今の日本も歴史的な転換と言うか、悪政がどんどんいつの間にか行われてるように思う。


この先のこの国の行く末を、おいちゃんは不安に思う。


お前には頭の良い人になって欲しい、勉強ができるでは無くて、自分自身で判断をできる人になって欲しい。


沢山の情報の洪水が、この先は更に増えるのかも知れない。


だけど、その中から必要な情報と要らない、或いはこれは違うって情報を見分けて欲しい。


どんどんそれが難しくなっていく気がするよ。


そして矛盾するが、人と上手くやりながらも自分自身が間違えてないと思えば、周りは気にするな。


空気を読みつつ空気を読むな、矛盾する事を思う。


お前の未来が全うな世界であることを願うし、ボブ・マーリーやジョン・レノンが望んだような戦争のない世界にして欲しい。


全うな考えが通らず、おかしな連中がこの国をダメにするなら、意見をきちんと言えるようにだよ。


おいちゃんは、若い頃はそこまで見えずに来たけど、やはりおかしい世界はおかしいんだよ。

おいちゃんもまだまだ若いから、その辺りはどんどん勉強しないと思う。   

一生勉強だと思うんだよ。

お前には、そういう自分自身できちんと判断をできる人になって欲しい。


それと、将来お前が歳を取った時にママから、子供の頃においちゃんやジイジやバアバから沢山愛された事だけは聞いて欲しい。


これからもお前を見守るけどね。


子供の頃の記憶はどんどん消えるだろうけど、精一杯愛したんだからね。

最後に、お前が生まれてくれておいちゃんは随分変わったよ。


それはとても良い方向に変わったよ。


妹のママにも感謝してるし、お前が生まれてくれてとても感謝してるよ。


おわり

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