高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【446】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の映画化芝居化・・・
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています
📖 高山のエッセイ〜映画『シー・オブ・ラブ』と、『恋のためらい/フランキーとジョニー』 アル・パチーノ 雑感
映画『シー・オブ・ラブ』は、アル・パチーノが九十年代に入り、再び快進撃を開始する予感をさせた映画だと思います。
アル・パチーノの映画の中では佳作ですが、当時ビデオ店に居た僕は、アルパチーノの新作が入るよと言われて楽しみにしてました。
そのレンタルビデオ店には店長の人が、当時の僕より十才程歳上の三十才位です。
他のお店を任されてて、僕らの店には偵察がてら来てましたね。
昼間にほとんど来て、たまに昼御飯を奢って貰ってました。
人から聞くけど若い頃は相当悪かったようですが、僕には優しかったし。二十一とか二十二歳の僕には随分大人びて感じましたね。
二十代からすると、三十代とか大人だなと勘違いしてましたよ。
その人がアル・パチーノ好きで、僕より一つ年下の店長代理の男も好きでしたね。
三十代のその人の影響でしょうね。
当時は、時間が開いたらモニターテレビを何台も置いてて、好きな映画は見られましたからゴッドファーザー等は何度も観てました。
夜は、学生のアルバイトが多くて雰囲気変わったけど、昼は昼の良さが有りました。
夜は夜の楽しさがあったんですがね。
皆若いし、女のアルバイト居ないしで楽しかったですよ。
青春ですね。
アル・パチーノマニアとしましては、『シー・オブ・ラブ』を今回紹介します。
1989年のアメリカ公開ですが、僕がビデオで観たのは1990年代の初頭でしょうね。
今ほどビデオになるのが早くなかったし、ビデオになるのも何でもなるって事ではなかったですよ。
ある程度のレベルがあるか、知名度があるかですね。
知名度が有れば、え!?ってのも入ってきましたけどね。
複数本入るのは、やはり大きな興行会社で主役も有名な人です。
この頃流行ったのが、アーノルド・シュワルツェネガーとマイケル・J・フォックスですね。
落ち目になりかけてたのが、シルベスタ・スタローンでした。
今でこそシュワちゃんとスタローンは共演するけど、当時はシュワちゃんがスタローンを追い落としたように見えましたね。
トム・クルーズも若くして上がって来てたけどね。
マイケル・J・フォックスは、病にならなかったらどうなってたでしょうね。
マイケル・J・フォックスはバーキンソン病を患ったらしいけど、今でもまた違う方面で活躍してるようで良かったです。
とにかく、当時はマイケルは沢山出てましたね。
好きな俳優でしたけどね。
エディ・マーフィーも、『ビバリーヒルズ・コップ』等のヒットで人気有りました。
そういう状況では、アル・パチーノもロバート・デ・ニーロも既に御大的な存在でした。
そりゃ四十代後半ですからね。
今でこそトム・クルーズ等は五十代になってもアクションスターをやってるけど、当時はそういう人は居なかったです。
アル・パチーノの映画で店で繰り返して観たのが、やはり『ゴッドファーザー』です。
僕らも若いから、ギャング映画の陰謀とかに憧れたんです。
実は壮大な家族映画なんですけどね。
もう一つ、良く流したのが『仁義なき戦い』シリーズです。
こちらも刺激的でしたね。
若い頃の、キレてる菅原文太はかっこ良かったです。
僕は、『ゴッドファーザー』を観てから。店にあるアル・パチーノの映画を観ます。
ロバート・デ・ニーロもそうやって入りましたね。
『スケアクロウ』や、『セルピコ』や、『狼たちの午後』はお気に入りでした。
ロバート・デ・ニーロは、『タクシードライバー』で完全にやられました。
今でもベストの映画は『タクシードライバー』、『ゴッドファーザー』、『スカーフェイス』、これがその時によって変わります。
最近ので言えばレオンとかも入ってきますが、この辺りには勝てないのは、自分自身が若い頃に観たからですね。
レオンも充分旧いけどね。
前置きが長くなりました。
『シー・オブ・ラブ』ですが、ニューヨーク市警に勤める疲れた中年の刑事を、アルパチーノが好演します。
同僚に妻を寝取られてて、中年の疲れや焦燥が出てます。
そういう時に連続殺人事件が起きます。
アル・パチーノ扮するフランクは、部署は違うけどジョン・グッドマン扮するジャーマンとコンビを組みます。
男がうつ伏せで撃たれて殺されてるですが、セックスの後なんですね。
そこに、『シー・オブ・ラブ』の古いドーナツ盤が掛かってるという共通点が有ります。
もう一つの共通点が、被害者が新聞の出会い系と言っても良い欄に、詩を必ず投稿してるですよ。
ここから囮捜査を、ジャーマン刑事とフランクがやり始めます。
自分達も詩を投稿して、女性と会うんですよ。
そこから、現場に残された指紋と照合する為に、相手のグラスを必ずチェックします。
この捜査は、最初は上からダメ出しされるけど何とか通ります。
新聞の投稿が出会い系になるって時代を感じますし、来る女達が何処かしら孤独を抱えてたり、アル・パチーノの正体を何となく怪しんだりって辺りも面白いし、ニューヨークの風俗を感じます。
そういう中に、エレン・バーキン扮するヘレンが居ます。
新聞の投稿の出会い系を見て来ますが、誰でもそうなんですが、出会い系と言ってもイヤらしさは無くて、女性達が孤独をもて余してるんですよ。
エレン・バーキンとは、その場では上手く行かないんですね。
後に恋人として付き合います。
だけど、エレン・バーキン扮するヘレンの指紋は採ってないんです。
もしかしたら連続殺人犯か、と疑いながら付き合います。
この映画は、ジョン・グッドマンも相変わらず良いんですが、エレンバーキンですね。
エロチックサスペンスを大いに盛り上げます。
このエレンバーキンが美人かと言えば美人ではないけど、なんと言うかセクシーパワーが凄いです。
この映画の難点で言われてたのが、サスペンス部分が弱いって事です。
だけど、アル・パチーノとエレン・バーキンを観れば良いんです。
そして、ニューヨークと言う世界最大の大都市の孤独を感じたら良いんです。
ストーリーは調べたら分かります。
後のマイケル・タグラスとシャロン・ストーンの『氷の微笑』と少しだけ似てますが、あそこまで露骨なエロさはないですね。
僕がとても好きなシーンは、エレン・バーキンは靴屋の店員です。
高級な靴屋です。刑事などは行きそうも無いところです。
アル・パチーノは、印刷業をしてると嘘をついてます。
ふとその靴屋に、アル・パチーノが寄るんですよ。
エレン・バーキンは嬉しそうに、どういう靴にするかと接客します。
そこに街のギャング達が入ってきます。
チンピラですが、羽振りは良いんです。
前に置いてたあの靴はないのかと騒ぎます。
ソファーに座ったアル・パチーノは、彼らをじっと見ます。
目線を逸らしません。
相手もアル・パチーノに気付きます。
そこで、アル・パチーノが刑事って、相手には分かるんですよ。
このシーンでエレン・バーキンにもバレるけど、アルパチーノの迫力ある目線がとても良いです。
ソファーに座りながらも、相手を完全に威嚇してる感じです。
この映画は、当時はアル・パチーノ老けたなと周りは言いましたが、そりゃ『ゴッドファーザー』ばかり観てたら老けてますが、僕は追いかけてましたから、特に老けたと感じませんでした。
アル・パチーノが疲れた中年をやりながらも今見ると、アル・パチーノ独特の迫力が伝わりますね。
それとエレン・バーキンのエロさです。
特に、今四十代後半に自分自身がなって観ると、あーこの女にハマるよな、と思いますよ。
アル・パチーノの完全な復活作とまでは行かないけど、復活の予兆が有りますし、当時の風俗も良いし軽く観られるけど、何故か何度も観たくなる不思議な魅力のある映画です。
『オーシャンズ』シリーズ(注:『オーシャンズ13』)でアル・パチーノが出た時に、エレンバーキンが共演してますが、『シー・オブ・ラブ』のような魅力は、あの映画には二人とも無いですね。
それとアル・パチーノはニューヨークが似合います。
他にもニューヨークを舞台にした映画に出てるけど、似合いますね。
是非とは言わないけど、個人的にはアル・パチーノの分岐点的な映画で好きですよ。
ニューヨークを舞台のアル・パチーノの、もう一つの佳作も紹介します。
『恋のためらい/フランキーとジョニー』です。
『シー・オブ・ラブ』と、この映画の間に『ゴッドファーザー パート3』と、『ディック・トレシー』が有りますね。
『ディック・トレシー』は悪ふざけです。
そして、この映画の後に前に紹介した『セントオブウーマン/夢の香り』が有ります。
やはり、この時期が転機ですね。
『恋のためらい/フランキーとジョニー』は、今までのアル・パチーノと少し違います。
何がと聞かれたら、狂気のような物はないんですよ。
ラブストーリーです。
それも、『スカーフェイス』で共演した、ミッシェル・ファイファーと再びです。
これは七十年代に、何度かギャング或いは刑事からの脱却を計ったアルパチーノですが、失敗してます。
『喝采の陰で』とかは、見事に外しましたね。
昔、ビデオで二三度観ただけですが、狂気性のないアル・パチーノにうんざりしました。
アル・パチーノファンの僕でもです。
しかし、『恋のためらい/フランキーとジョニー』は、見事に成功してますね。
脚本とミッシェル・ファイファーのお陰かもです。
傑作『スカーフェイス』では、お人形さんのようなミッシェル・ファイファーも、ここでは孤独を抱えた女性を好演します。
ミッシェル・ファイファーも美人かと言えば微妙ですね。
細すぎますしね。
しかし、そういう身体的特徴がこの映画では生かされてますね。
心を閉ざしてしまった、三十代女性ってのにあってます。
アメリカでは、『フランキー&ジョニー』って曲が有名なようですが、それは抜いて話します。
アル・パチーノ扮するジョニーは、ケチな犯罪で刑務所から出てきたばかりです。
ここで、今までのアル・パチーノならこの犯罪者の部分がクローズアップされますが、今回はそれはされません。
料理が上手い事から、ニューヨークのレストランに紹介状持って行きます。そこで雇われます。
ここでミッシェル・ファイファー扮するフランキーと出会います。レストランのウェイトレスをやってます。
彼女は過去に、男関係で傷を抱えてます。
アル・パチーノは積極的にアタックしますが、なかなか上手く行きません。
そして、レストランの人達の人間模様も丁寧に描かれます。
成功するのも居れば、死んでしまうのもいたり様々です。
アル・パチーノの積極性に一時は心を開くのですが、そうそう単純に行きません。
ニューヨークの孤独の部分も描かれてます。
アル・パチーノは、こういう映画は無理だと思ってたら、非常に上手く演じます。
九十年代初頭のニューヨークもまた、『シー・オブ・ラブ』と微妙に変わってて良いですよ。
ミッシェル・ファイファーは、これからは男は要らないと言って、ビデオを観るとか言います。
この辺りは、九十年代初頭だなと思いますよ。
カウチポテトと言う言葉が流行った頃です。
これは、ソファーに座ってビデオを見たりするのが日本では当時は流行りとされましたが、様々な捉え方有りますね。
今ならパソコンになるのかも知れないし、スマホでしょうかね。
そういう所も時代を感じるけど、古いとは思いません。
ミッシェル・ファイファーが複雑な女を演じて、それを何とかしようとするアル・パチーノ良いですよ。
アル・パチーノにも多少の陰は有るけど、今回は積極的な男を上手く演じてます。
それと、ニューヨーク独特の孤独が、実は色濃く出てます。
色々な点で、『シー・オブ・ラブ』と対をなすように思いますよ。
アル・パチーノ完全復活前、ニューヨーク、エレン。バーキンとミッシェル・ファイファーと言う、女優の個性に引っ張られた映画。
僕は何度か観てるうちに、そういう風に位置付けてます。
エレン・バーキンとミッシェル・ファイファーは全くタイプが違うけど、この時期の二人は良いですよ。
それと、レストランの情景がリアルで楽しいです。
ニューヨークの当時のレストランの中って、こんなのなんだろうかと想像させますね。
わりとストレートなラブストーリー映画ですが、アル・パチーノ上手く演じてます。
劇中でアル・パチーノが、バンダナをしてるのも何とも似合います。
五十代にして、やっとこういうのもやれるのねと思いましたね。
『シー・オブ・ラブ』も、『恋のためらい/フランキーとジョニー』も佳作ですが、アル・パチーノに興味のある人は観て欲しいです。
悪くないですよ。
と言うより、軽く観るなら良いですよ。
『ゴッドファーザー』は、なかなか敷居が高くて観られないって人にはお薦めします。
補足、『シー・オブ・ラブ』は何度も観てるのですが、ストーリーを少し忘れてるかもです。間違いが無いようにとは思って書いてますが、多少の間違いは許して下さい。
おわり
📖無名居士のたわ言・・・音楽でひとあそび〜夢で逢えたら
いつの間にか眠っていたようだ
この一行から連想したのは・・・「眠り姫」
「眠れる森の美女」のタイトルの方がよく知られているのかも
タイトルは知っていても詳しい内容は知らない・・・
そんな話も多いが
この話もそのひとつ
話を調べてはみたが
けっこう私には難しく
音楽探しまで行かずに
そのうちコメントも忘れていた
そのことに気が付き・・・再度トライ
今回もやはり「眠り姫」の検索から
「眠れる森の美女」だったら
バレー音楽かディズニーのアニメから
云い音楽に出会えるかも・・・
と探し始めようとしたとき・・・
夢で逢えたら・・・って歌があったような気がして
検索すると・・・出てくる出てくる
同じタイトルのバラエティ番組があったようでその動画と
大瀧詠一が作詞・作曲した曲をカバーした動画がいっぱい
この中から選ぼうか・・・とほぼそのつもりで動画選び
いろんな歌手や俳優がカバーしている
少し変わった動画を選ぼうと
いつものアマノジャク的イタズラ心がニョキニョキ
丹念に動画のページをすすめていった
素人のカバーや映像に面白いものがあればそれもいいなあ・・・って
そして聴いた狩野七夏の歌・・・大瀧詠一の曲とは違うオリジナルか?
若いようだ・・・さして美人ではない
それに歌ももう一つ
でもギターを弾き・・・歌う姿がいい
気になってきた
彼女の関連動画をたどる
いかんいかん・・・またはまってしまうぞ
大瀧詠一の「夢で逢えたら」を探していたら
狩野七夏という歌手に出会った
路上ミュージシャン出身というのもいい
📖 高山の作品から〜 「濡れる穴の中9 意外な男」
「濡れる女子事務員」シリーズのえり子ちゃん、火薬の甲(火薬類取扱保安責任者 甲種)に合格しました。
火薬の甲種と言う、トンネル屋では最高の発破の免許です。
これは、なかなか受かりにくいって言うのでこの世界では有名ですが、見事に一発合格しましたね。
作業員も、驚きと喜びで迎えました。
実際、長くこの世界に居ても発破技士だけって多いです。
何度も甲にチャレンジして、落ちたのも居ます。
僕も、確か四度目で取ってますからね。
これで、ある意味大きな難関を突破して、女だからと言わせないぞって有りますし、作業にも出てかなり出来るようになりました。
まあ、実戦はまだまだですが、短期間で色々出来るようになったのと、とにかく貪欲ですよ。
二週間程、二人で坑夫とほとんど同じようにやりましたが、最初は相当僕から怒られてましたが、少しずつそれが少なくなりました。
それに、日曜日も高山さんお願いが有ると言って、機械の練習や色々を教えましたね。
若い作業員にも言うんですよ。
教えて欲しいなら言えよとね。
その代わり、相当厳しいぞです。
なかなか、今のところ来ませんけどね。
えり子ちゃんも、一時期は体力付いて行かないし、僕から後ろから蹴られたりしてましたよ。
頭を持って、そりゃ違うだろうとか見せたりしましたし、周りから見たら女の子なのに厳し過ぎないかとも出ましたが、彼女の方が、それは違うと言って周りを説得するくらいでした。
僕から蹴られるなんてのは普通でしたし、頭を叩かれるも普通でしたね。
一度か二度は、その場に投げ飛ばしましたからね。
とにかく、危ない事をしたり何度も同じ事を失敗したらそういう感じでした。
これをパワハラと取る人も居ますが、五十歳の僕が体力使うだけで無くて、二人で汗だくになりながら説明したりです。
昔は、教える時に相手を投げるとか手が出るのが、僕は普通でしたね。
それに比べたら、彼女には優しかったと思いますね。
女の子だからと言うより、素人だからですね。
それと、女の子って意識するのは、怪我をとにかくさせないを徹底しましたね。
嫁入り前の若い女性ですからね。
たった二週間で、作業員として一人前にはなりませんでしたが、才能があるなあと言うのを随所に見せてくれました。
それに、個人的には作業員にするつもりは無いから、事務面や色々を仕切れたら良いんですよ。
本人は、作業面も作業員に負けない位出来るようになりたいようですがね。
こうして、何度も時間を取って少しずつやれば、不可能では無いでしょう。
女性ですから、重い物はどうてしても持てないとかは周りがフォローすれば良いんです。
その代わり、女性独特の器用さや細やかさが有るから、腕力の無い部分はそれで補えます。
女性を入れて良かったなあとは思いますが、えり子ちゃんは特殊かも知れないですね。
それと、彼女は作業員に慕われてます。
それは、一つは持ってる雰囲気でしょうが、皆、彼女が一生懸命だと見てるんですよね。
そういう時に、パワーショベルが調子がいまいちで、業者に一時的に替えて貰うことになりました。
パワーショベルを積んだ車が来たんですが、何時まで絶っても下ろしてないから何をしてるんだろうと他の社員に言いました。
すると、業者は来るけどそのパワーショベルを乗せた車の運転手は下ろせないから、下ろして欲しいと業者から電話があったそうです。
僕は、半分呆れましたね。
普通は、運転手が板を敷いてその板に合わせてゆっくり下ろすんですよ。
たまたまえり子ちゃんが居たから、お前が下ろして来いと言いました。
彼女なら、ゆっくりやれば下ろせるだろうと思いましたからね。
ところが、普通は下ろす時の板くらいは運転手が用意するのにしてないから、えり子ちゃんに板も設置出来るかと聞くと、出来ますと答えたので任せました。
板は結構重いけど、上手く設置してましたね。
その時僕は、班長と近くで打ち合わせしてました。
えり子ちゃんは板を設置すると、パワーショベルに乗ってゆっくり下ろしてました。
そしたら、運転手がそれを見ながら、ここはお姉ちゃんがこういうのやるのかと、車からやっと降りて来て言いました。
完全に馬鹿にした口調でしたね。
僕も班長も一瞬、てめえが下ろせないのに色々言うなよと行きそうになりましたよ。
近くで元請けも測量をしてました。
僕達が行く前に元請けの測量班の男が走っていって、業者の男に、あんたふざけんなよ!と噛みつきました。
僕も班長も驚きましたね。
その測量班の男は三十代後半ですが、普段ほとんど話さないんですよ。
無愛想と言うより無口ですね。
きちんと挨拶はするし、仕事の事は丁寧です。
僕とも個人的に話したのは数回ですが、あー、この男は仕事熱心だけど人付き合いが苦手なんだなと思いました。
えり子ちゃんにもたまに測量を手伝って貰う事はあっても、個人的に話したってないそうです。
礼儀正しいけど、木訥って感じですね。
坑夫に対してもえり子ちゃんに対しても、僕に対しても変わりませんね。
良い大学を出てるらしくて、測量はとても上手いようです。
僕は、最初は無愛想な奴と見てたけど、違うんだな、性格的こういうタイプなんだと思うようになりました。
そういう無口で木訥なタイプが、まさか業者に噛みつくとは思いませんでしたよ。
結婚もしてて子供居ますし、元請けが言うには愛妻家らしいですから、えり子ちゃん目当てってのも無いですね。
しかし、噛みつかれた方は太って身体も大きい、いかにも田舎の運転手って感じの三十代です。
測量の元請けの彼は、細身の瀬の高い男です。
運転手が、ふざけんなよって何だよと凄むと、負けてないんですよ。
細身の彼は一歩も引かずに、彼女はあんたの代わりに重機を下ろしてるのに女だからとか、馬鹿じゃないのかと言いました。
測量の彼は、建設業に見えないタイプです。
片方の運転手は、いかにもチンピラ上がりって感じですから対照的でした。
僕も坑夫の班長も、これは凄い展開だなと見てました。
業者の男が、彼の胸を平手で思い切り押してナメんなよと言うと、彼は業者の男の襟首を持つと足払いをして倒しました。
その早いのに驚きましたが、これは不味いと思って大声を出して、坑夫の班長と走って止めに行きましたね。
えり子ちゃんは、ゆっくりパワーショベルを下ろした所で、何が起こってるのか分かって無かったです。
僕が、業者の男にあんたが悪いだろう、と言って前に出ました。
雇ってるのはうちだぞと言うと、まさか足払いを喰らうと思って無かったようでまだ怒ってましたが、坑夫の班長も囲むようにして居るから大人しくなりましたね。
とにかくその場は収まりましたが、業者にあんなの連れて来るなと苦情の電話を入れると、すいませんでしたと謝ってましたね。
測量の彼は僕に謝りに来ましたが、僕は笑って凄いねと言いました。
昔、柔道を少しやってたらしくて咄嗟に出たらしいです。
自販機で缶コーヒー買ってくると、外で話しました。
いやあ、自分でも驚きましたし申し訳ないですと繰り返してましたが、僕はあれは問題ないよと笑いました。
えり子ちゃん一生懸命やってるのに、どうしても許せなくてと苦笑いでしたね。
そして、高山さん煙草一本くれませんかと言うから煙草を出して渡すと、火をつけてあげました。
三ヶ月ほど禁煙してましたが、やはり旨いですねと笑いました。
普段は無口で木訥な男も、えり子ちゃんを良く観てたんですね。
えり子ちゃんには、事の顛末を教えました。
彼女は、僕以上に驚いてましたね。
しかし、観てる人はきちんと居るって事ですね。
坑夫の班長とも、驚いたけど痛快だったなあと笑いましたよ。
観てる人は、意外な所にも居るって嬉しい事ですね。
えり子ちゃんにもそう言うと、嬉しいですねと喜んでました。
一生懸命やるのに、男も女も関係ないんですよね。
おわり
📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 7」
「ガーターベルトの女」シリーズを、今のうちに覚えてる事を書いて置こうと思います。
これは、サイトではCの事を書いてるけど、二人はある種似てますね。
価値観がしっかりあって、譲らない所は譲らないですね。
Cの方が気まぐれは少なかったけど、ジョークはお互い好きでしたね。
それと、他の人から見ると生意気に見えるかも、って所も似てます。
鼻っ柱の強い美人が僕は好きなんでしょうが、そこにはきちんと愛情があったって事が重要です。
Mとの関係は数ヶ月ですが、友人関係も入れたらけっこう長いのかもです。
この辺りの記憶は曖昧ですね。
もう二十年以上前の事ですからね。
男と女の関係は、多分夏くらいに一番盛り上がったのかも、と思います。
思い出に残るのが、Mが私服の時は夏の服が多かったからですが、記憶なんて曖昧ですよ。
Mが夏に泳ぎに行こうと言い出したけど、それは良いけど、絶対ビキニで来るなと思うと嫌でした。
周りにMをじろじろと見られるのは、嫉妬が湧いたからです。
今は、若い女の子エステに普通に行くけど、当時はそんなの特別な人だけでしたが、Mはいつも身体のケアしてました。
しかし、今のように美白美白とは言わなかったし、Mは少し日焼けしやすい体質か、海に行くと黒くなってました。
本人それを楽しんでて、真っ黒になったら髪を編み込んでたりしてました。
まだ当時は、髪を編み込むのは僕の所ではMくらいでしたよ。
僕と付き合ってる時は、編み込みはしてないけどね。
とにかく、付き合ってる時に泳ぎに行こうと言うけど、何処に行くかです。
若者が集まる海水浴場は、僕は嫌でした。
今思えば器の小さい話しですが、当時は、周りにMの身体を見られるのを極力避けたかったです。
それで南に行って、綺麗だけど余り若者来ない田舎の海水浴場にしようとしました。
MはそれでOKしました。
そこは行ったことないし、良いねとなりました。
Mは、市内から少し離れた所の出身で海より山や川が多かったから、大人になったら海に沢山行きたかったと言ってました。
Mは、ジーンズを切った短パンにTシャツで着替えを持ってきた。
そこまで行くのに、当時は道も整備されて無くて一時間近くかかった。
いざ行ってみると意外に若者が多いのに驚いたが、仕方ないなと思い車を停めて、MがTシャツと短パンを脱いだ。
蛍光色のオレンジのビキニで、かなりハイレグになっていた。
僕は、Mの肢体を芸術品を見るように眺めました。
Mは、身長は一メートル五十五程でしたが、胸は大きくスタイルは非常に良かったので、ビキニが確かに引き立ちましたね。
僕にポラロイドで撮ってと言うから撮ると、うーんいまいち、と言ってMはそれを破って捨てた。
Mは、自信を持っていたからこそか、なかなかポラロイドでも気に入らないと捨てた。
酔った時はその辺りがいい加減になって、残ってるのはそういうのがほとんどだった。
僕も無難な水着になると、Mと海に行った。
Mは、はしゃいで泳いだり、僕の上に乗って沈めようとしたりした。
僕も周りを段々気にしなくなって楽しんでいましたよ。
案ずるより何とかって感じです。
二人で、岩場で暖かいコーヒーを飲んで冷えた身体を暖めていると、人が余り居ないからムラムラしてきた。
Mは笑いながら、今何考えてるか当てようかと言ったので笑って誤魔化したが、更に追及してきた。
貴方は水着より下着の方が興奮するんじゃないのと言うから、それは言えてるなあと答えました。
Mは、帰りにシャワーを浴びたら下着に着替えるから、ここは我慢だねと他人事のように話した。
結果的に来て良かったと思いながら、日が傾いて来たから帰るかと言って、二人で簡易に作られたシャワーを浴びて塩水を落とした。
駐車場に向かっていると、Mちゃんと男が呼んだ。
見ると、背の高い男とその仲間がMを見ていた。
Mは一瞬嫌な顔をしたが、久しぶり今日は彼氏と来てるからまたねと言ったが、背の高い男が、久しぶりなんだから話そうよと言ってきた。
身長は一メートル八十を越えていたと思う。
僕の同僚でMの同い年が一メートル八十だったが、背が高いと特に意識しなかったからそれ以上高かったと思う。
男は、全体に体つきも良くてなかなかのイケメンだったが、その仲間達も含めて何となく気に入らなかった。
年齢は僕と同じか、少し上のように感じた。
Mは、彼氏と来てるからまたねと言ったでしょう、と強く言い返した。
男はMの剣幕に気圧されたようだが、僕の方を見ていた。
僕は、本能的に落ちていた流木を持ってしゃがんでいた。
男と目が合ったので、そらさずにずっと目を見ていた。
こういう時にそらしては、敗けだったからです。
男は分かったよ、小さい彼氏と仲良くねと捨て台詞を吐いたので、Mが近くにあった石を拾うと本気で何度も投げつけた。
男は逃げながらも、Mが本気で怒ってるのが分かってるようで、それ以上何も言わなかった。
Mと隠れて着替えると車で戻ったが、しばらくMは黙ってると、高校の時に付き合ってた人よと言った。
若い時の私の汚点よ、とも付け加えました。
年齢は僕の二つ上だそうだ。
僕はひがみから、背が高くてイケメンじゃんと言うと、背が高くてイケメンなら貴方は全てに負けるの?と真剣に言ってきた。
アル・パチーノの『セルピコ』は小さいけど、あんなに強くて意志も強かったじゃない、と言った。
『セルピコ』は、アルパチーノの初期の傑作だが、Mはそれも観ていましたね。
僕は、そういう訳ではないけど嫉妬はあるよと言った。
Mは話しを変えて、今日は塩味風味が付いたから美味しいかも、と笑った。
Mは、水着から下着に履き替えていた。
僕は山道に無理やり車を入れると、Mの塩味を味わった。
終わると、Mが自信を持っていいんじゃないのと言って、貴方の『セルピコ』は元気が良い、と笑った。
僕らは楽しく、その後車で帰った。
それから直ぐに、他の現場の打ち合わせに僕は出ていた。
当時は、地元だけでも複数の現場があって、社員は手伝ったりお互い助け合っていて、僕の現場でなかったがしばらく手伝ってくれ、と言われて打ち合わせに出ていたのだ。
作業員も顔見知りだし、楽だった。
元請けと作業員との話し合いに出席していて、プレハブの事務所には作業員が十人程と僕と、そこの所長が出ていた。
元請けが所長を先頭に何人か入ってきたが、Mの元カレが入って来たのに驚いた。
僕は近くの作業員に、あのデカイ若い元請けの職員はどうなのと聞くと、作業員は鼻で笑っただけだった。
打ち合わせは滞りなく済んだが、Mの元カレの元請けの職員は途中で僕に気付いた。
僕も気付いていたが、私情を挟むべきでは無いので知らないふりをした。
一週間程ここに入り、現場が忙しい為に手伝いで寝泊まりすることになっていた。
現場でも機械に乗ったり雑用したりで、走り回った。
何度かMの元カレとはすれ違ったが、こっちは忙しくてそれどころでは無かったです。
ある時、トンネルのダイナマイトを仕掛けた後の土を出すのを手伝う為に、ダンプに乗っていた。
凄いスピードでボロのダンプを動かすのは最初は怖かったが、慣れたらこれが一番楽だった。
しかし、その日はトンネルを出た瞬間にダンプが傾くのが分かった。
ぬかるみにタイヤを突っ込んだのと、パンクしたようだと思いスピードを緩めて、タイヤの交換の場所まで走った。
トンネルでは良くある事で、大抵気付いた作業員が来て、数人で数分で新しいタイヤと交換する。
その時も気付いた作業員が走って来ていたから、二人で作業してタイヤを急いで交換しようとしたが、タイヤのボルトを外す機械が途中で故障した。
代わりを持ってこようとしたら、後ろにMの元カレがボーッと立っていた。
作業員が、兄ちゃん何をボーッとしてる!!、代わりを持ってこいウドの大木が、と怒鳴った。
大きなゼネコン以外では、元請けの職員もある程度は分かってないといけないし、沖縄等では元請けの職員が代わりにダンプに乗ったりした。
特に若いうちは、使い走りに使われるのは珍しくなかったし、元請けの所長も鍛えてくれ、などと言うのだ。
特に小さい元請けではそれが当たり前だったし、Mの元カレの元請けはそういう所だった。
Mの元カレは、急いで代わりを持ってこようと走った。
作業員が僕に、あいつは駄目だと吐き捨てるように言って、僕に絶対違うの持ってくるから代わりに行ってくれと言った。
僕は、そこでのその男の立場と言うか作業員から見た男の評価が良く分かって、思わず笑いながら走った。
Mの元カレとすれ違ったが、やはり違う機械を手に持って汗をかきながら走っていた。
僕は、すれ違いざまに、お前なあそれ違うしウドの大木が何してるんだ、と怒鳴った。
顔を見ると、明らかに僕に対しての怯えの色が出ていました。
後日、Mの店でその話しをしたら仇を打ったねと笑ったが、仇を討つつもりじゃなかったけどね、と笑い返した。
Mは、背が高くてイケメンなら貴方は全てに負けるのと言ったが、Mの言う通りだった。
Mは飲んでる僕に、貴方はもっと自信をもって良いよと言った。
そのあとに、だって私の彼氏って事はそれだけの凄い人間なんだから、と笑いながら言った。
少し変態な『セルピコ』だけどねと付け加えると、綺麗な歯を見せてクスクス笑った。
おわり
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