花物語~ヒヤシンス

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

黄色いヒヤシンス~イエローベイビー
画像提供:「花ねこ日記 」

子どものころへタイムスリップ

人には昔のことをよく覚えている人と
あまり覚えていない人があるようです
作家になるひとはきっと昔のことをよく覚えている人なのでしょうね
私は昔のことをあまり覚えていない方ですが
昔のことを思い出すきっかけとなる特別な花があります

ヒヤシンスの花が昔々の子どもの頃に連れて行ってくれます
それもガラスの容器で水栽培されたヒヤシンス
球根から水の中に伸びた白い長い根
花よりも水の中の白い根に小学生になったばかりの私は驚きました
初めて名前を覚えたから特別な花になったのかもしれません

子どもの頃に帰りたくなりました
小学校の教室で見たヒヤシンスを精一杯思い出します
すると子どもの姿になった私は家の近くにある「ポンプ小屋」にいます
母も居てほどいた着物を染め直しています
「ポンプ小屋」のおばさんの着物なのだろうか

「ポンプ小屋」は何をするところだったのだろう
いまなら疑問に思うことが
子どもの頃はなんの疑問も持たずに広い「ポンプ小屋」で遊んでいました
「ポンプ小屋」のおじちゃんおばちゃんはいくつぐらいだったのだろう
「四月馬鹿」の日にお姉ちゃんが紡績工場でケガをしたと言って心配させた

久しぶりに子どもになって帰ったところが「ポンプ小屋」
なぜ「ポンプ小屋」だったのだろう
なぜ小学四年生になるまで過ごした町だったのだろう
子どもの頃の今なら謎ばかりのその謎を探るのも面白い
また子どものころへタイムスリップしよう・・・ヒヤシンスの花を想って

 まぐまぐ!「花を歌うかな」'09/2/13 No.1302

2009年ごろ
まぐまぐ!から発行していた
「花を歌うかな」で発表していたものです
そのメルマガはすでに廃刊しましたが
ブログに保存していたものを再掲しています

藤川一郎
京都市北区紫竹北大門町37 葵荘17号
075-493-4676


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