高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【257】
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【随筆】映画「三大怪獣 地球最大の決戦」雑感
高山の作品から
随筆「ザ・ローリング・ストーンズ 『シャイン・ア・ライト』と、ストーンズ雑感」
2017/03/27
ザ・ローリング・ストーンズ 『シャイン・ア・ライト(Shine a Light)』、これはライブ映画です。
僕の好きなストーンズと、好きな監督のマーティンスコセッシが組んでるんだから興奮しましたよ。
最近は、ストーンズの過去のライブ映像や最近のライブ映像がどんどん出てて、ストーンズファンとしては嬉しいけど、全てを買ってたら大変ですよ。
『シャイン・ア・ライト』はライブ映画で、マーティン・スコセッシが監督をしてます。
マーティン・スコセッシのロック好きは有名ですね。
ストーンズとかザ・バンドとか、昔のロックンロールバンドを映画に良く使いますね。
この『シャイン・ア・ライト』は、スコセッシとストーンズの面々とのやり取りが非常に面白いです。
2006年に行ったビーコン・シアターでの慈善コンサートを、スコセッシが撮ってます。
確かこの頃、ストーンズは四十周年であちこち行ってるんですよ。
その忙しい合間に、スコセッシとミック・ジャガーがやり取りしてる所等、非常に面白いです。
僕はスコセッシの大ファンでしたが、この映画で初めてスコセッシが動いてるの観ました。
小柄な黒ぶち眼鏡を掛けたダンディな人です。
何処かしらロバート・デ・ニーロに似てますね。
デニーロを使ってたのは、同じイタリア系で顔も似てるからかと思ってしまいます。
今はスコセッシは、レオナルド・ディカプリオと組む事がおおいしそれも良いけど、デ・ニーロと組んでた時の方が僕は好きですね。
ディカプリオも良いんですけどね。
しかし、かなり小柄ですね。
ストーンズのメンバーも決して背は高く無いけど、スコセッシは更に小柄です。
まあ、それでもカッコいいおじいさんですよ。
ストーンズのメンバーも同じ位の歳で六十代です。
ミック・ジャガーとのやり取りが面白いのが、セットリストがミック・ジャガーからきちんと来ないんですね。
曲順です。そうなると何からやるのか、或いはこれはやらないのかとスコセッシは悩みます。
ミック・ジャガーが前にインタビューで答えてたのは、膨大な曲が有るけどその時の会場の大きさや客層で、セットリストは変えると言ってましたね。
やはりこういうビジネス的な部分では、完全にミック・ジャガーが主導権を取ってます。
ストーンズがこれだけ長くやれたのは、ミック・ジャガーのこういうビジネスセンスかもですね。
片方の相棒のキース・リチャーズは、そういう部分が少ない良い意味で単純な音楽好きです。
昔は、アルバムを作る時はお互いが主導権争いをしてたりしたようです。
キース・リチャーズは、七十年代には深刻な薬物中毒でライブに遅れたりは普通だったようです。
それでもスタジオに入ると作ってたのが凄いですけどね。
ロックスターは薬物でどんどん死ぬけど、キースも当時は生き残れないだろうと言われますが、八十年代に入ってクリーンなっていきます。
七十前半のキースの演奏は凄いですが、完全に飛んでる感じですね。
前歯も欠けてたりして大丈夫なのかと思います。
こういう時に、バンドのビジネス面とかキースの尻拭いをしてたのがミックなんでしょうね。
八十年代に入ると、二人の対立は深刻になりますね。
本当にローリングストーンズは無くなってたかもです。
お互い雑誌など通じて言い合います。
決定的な亀裂が入ったのが、ミック・ジャガーがソロアルバムを出した事ですね。
キースは、ソロアルバムをかなり貶してました。
僕は当時は高校生で、とにかくミックでもキースでも良いからニューアルバムを聴きたかったから買いましたよ。
確かに、キースの言うように流行りの音を取り入れすぎてるのは今では分かるけど、当時はとにかくニューアルバムって事で嬉しかったです。
続いてストーンズのアルバムも『ダーティ・ワーク』(Dirty Work)が出ます。
このアルバムは、今聴いてもシンプルで力強いです。
このアルバムは、キースが完全に主導権を取ってますから流行りの音を入れたりは無くて、後から知るんですが、キースは直ぐにツアーに出れるように、なるべくシンプルにしたと言ってますね。
キースらしいロックンロールアルバムです。
しかし、これでツアーに出ようとしたらミックがそれを断ります。
自分自身のソロに専念するんですよ。
ソロ第一弾の『シーズ・ザ・ボス』(She's The Boss)に続いて、『プリミティヴ・クール』(Primitive Cool)を出します。
キースは怒りますね。バンドマンのキースに取っては、ストーンズはどうしたなんですよ。
しかし、ミックにしてみたら今まで散々俺が細かいビジネス面を支えて来たじゃないか、ですね。
僕は、当時はキースの言い分の方が正しいと思いました。
ミックは社交界でも有名ですが、キースは音楽人なんですよね。
お互い富と名声を得てるけど、キースはライブスタッフにも愛されるとか、音楽以外の事に手をだしませんからね。
例外が『パイレーツ・オブ・カリビアン』で、ジョニーデップの父親役で出てます。
これは、ジョニーデップ自らのお願いのようです。
だけど、今思えばどちらもどちらの言い分が有りますね。
キースも痺れを切らしてソロを出します。
いかにもキースらしい、渋いロックンロールアルバムですね。
歳を重ねて聴き比べると、キースのソロの方が古さを感じませんね。
ミックのソロは流行りを追いすぎてて、今聞くと少し苦しいです。
それがストーンズになると、キースのロックンロールブルース原理主義と、ミックの新しい音への反応が上手く融合するんですよね。
特に六十代から八十年代まででしょう。
そうして二人は決裂しかけるけど、やはりストーンズで行こうになるんです。
『ステイール・ホイールズ』が二人の和解のアルバムになりますね。
当時のストーンズのファンはほっとしましたね。
和解した原因は色々言われてるけど、やはり二人の相性とミックのアルバムが思ったほどは売れなかったからでしょうね。
まあ、そうして二人はたまにソロを出しながらも、ストーンズを中心に動いて行きます。
僕も福岡ドームで一回と、東京ドームで一回観に行ってます。
特に福岡ドームで観た時は興奮しました。
憧れのストーンズが実際に動いて、遠くでも見られてるってだけで良かったです。
そうしてストーンズは、転がり続けて七十代を超えても精力的にツアーをしてます。
映画『シャイン・ア・ライト』は、そういう中でもマーティン・スコセッシが撮った非常に良い映画です。
特に舞台裏が面白いのと、舞台裏ではモノクロを上手く使ったりしてて、流石マーティンスコセッシです。
打ち合わせ風景ではミックとチャリー・ワッツが積極的です。
チャリー・ワッツが最近のライブの絵を選んだり、グッズに積極的に関わってるらしいってのは知らなかったから面白いです。
キースとロンウッドはふざけ合ってますね。
ライブを何回も重ねてるからその辺りの感覚は、特にキースとロンウッドは阿吽の呼吸ですね。
ライブが始まる前には、このチャリティーの主催者でもあるクリントン元大統領が来ます。ヒラリーも連れてですね。
クリントンが、同級生が皆来たいと言って困ったとか話してます。
だいたいこういう時の相手をするのはミックです。
皆で写真を撮ったり、キースが裏でジョークを言ったり和気あいあいですね。
しかし、ライブに入る前に皆でエレベーターに乗って出るんですが、このシーンモノクロです。
このシーンが映画の予告にも使われてて非常に良いです。
歳を重ねても、ワンパターンとか拝金主義と言われてもライブにかける意気込みは、やはり有るんだな、です。
メンバーの顔には深い皺が刻まれてて凄みが有るし、ライブに向かう緊張感が伝わってカッコいいです。
マーティン・スコセッシは、始まる寸前でセットリストを手に入れて、周りにカメラの指示等を叫びます。
この辺りも臨場感あります。
クリントン元大統領の挨拶が終わって始まると、何時ものストーンズです。
それでも、会場がスタジアムクラスでないから良いですね。
余りに大きな会場だと、観客との一体感がいまいち伝わりません。
何時ものストーンズですが、ゲストが何人か来てます。
特筆すべきは、バデイ・ガイとクリスティーナ・アギレラですね。
『シャンペン・アンド・リファー』(Champagne and Reefer)でバデイガイとやりますが、伝説のブルースシンガーの迫力に圧倒されます。
ミックジャガーは元々声量がある方では無いからこういうデュエットになると何時も圧倒されてるけどバデイガイの迫力は凄いですよ。
もう一人がクリスティーナ・アギレラです。
僕はこの映画を観るまで、恥ずかしながらクリスティーナ・アギレラ知らなかったです。
名前は何となく聞いてた位ですね。
白いシャツに黒のタイツを履いて、高いヒールで登場します。
『リヴ・ウィズ・ミー』を二人で歌うのですが、小柄だけどセクシーで声量のあるクリスティーナ・アギレラが、ミックジャガーを圧倒します。
非常に声量が有りますし、この頃のクリスティーナ・アギレラは若くて動きもセクシーで有りながら、可愛くて驚きましたね。
こういう人なんだと驚きましたね。
また、これも多分ミックジャガーが選んで呼んでるでしょうが、ミックのセンスの良さも感じますよ。
アメリカの女性としては非常に小柄ですが、パワフルなシンガーですね。
とてもこの映画では輝やいてますよ。
もう一人、元『ザ・ホワイト・ストライプス』のジャック・ホワイトも出るけど、天才と言われるこの人はこの映画ではいまいちです。
個人的には、ジャック・ホワイトはソロになってもう終わったなと思ってますけどね。
何時ものストーンズですが、流石マーティン・スコセッシですね。
カメラワークも良いし、他の昔のライブDVDでは映画になってる 『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』(Let's Spend the Night Together )』位が対抗できるかなです。
これをマーティン・スコセッシに撮って欲しかったなと思いますね。
三十代後半のストーンズの面々が生き生きとしてます。
それでも六十代のローリングストーンズを見事に捉えてます。
七十代を迎えてもまだまだツアーをしてますが、相変わらずのミックジャガーの動きの良さに驚きます。
ついでに言うと、つい最近子供を作ってますね。
性欲は力なりかな、とこの人には言えるようです。
キースは、白髪を隠すことを辞めて上からの撮影では禿げてますが、それでも元気です。
ロンもチャリーも元気ですね。
あの共産主義国家のキューバでも、初めてのロックンロールバンドとして行ってます。
観客の熱狂凄いですよ。
そして、少し前に出されてたキースの本当に久しぶりのソロアルバムは素晴らしいです。
『クロスアイド・ハート』、まさかこんなに時間が空いて、あの歳でオリジナル出すとは思わなかったのと、内容が非常に良いですね。
もう一枚のストーンズのニューアルバムも良いですね。
『ブルー&ロンサム』です。
ブルースのカバーアルバムですが、短い間に録ったらしく生々しくて良いですね。
今でも転がり続けてるストーンズには頑張って欲しいです。
ロックンロールの祖とも言われるチャック・ベリーが、ニューアルバムを用意してると言われたのに亡くなったから、ストーンズには八十才になってもライブをして欲しいですね。
おわり
高山の作品紹介
次回は随筆「映画『シー・オブ・ラブ』と、『恋のためらい/フランキーとジョニー』 アル・パチーノ 雑感」
「ガーターベルトの女」~映画化のために
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