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【キノコ伝説】30日間プレイした感想【ゲームレビュー】
概要
キノコ伝説のリリースから1ヶ月経過しました。
このゲームは初日のプレイ内容ではその全貌がわからず、どんなゲームなのかがわかりません。
1ヶ月熱心にプレイしてみて実際のところどうだったのか、これからゲームを始める人に向けてこのゲームの良い点・悪い点を忖度無しで書き綴ろうとおもいます。
評価4.0
5段階評価です。
手放しに面白いと言えるほどではないが、クソゲーというほど悪くもない。
それなりに楽しめるし、課金者・微課金者・無課金者、それぞれが楽しめるようなゲームバランスです。
どんなゲームなの?
MMO+放置ゲームです。
ギルドメンバーや世界チャットの人と協力して攻略情報を交換したり、ギルドバトルに挑戦したり、一緒にミッションを攻略したりします。
ゲームの大半はフルオートで進み、プレイヤーは編成を組んだり、装備を育成したりして戦力を高めていきます。
多くのアイテムは時間経過によって入手可能で、クリアできないステージも、時間を置くことでクリアできるようになります。
特徴としては定期的に突破イベントというものが実施され、その際にまとめて育成を進めることで貴重なアイテムが入手できます。
ステージを進めるためには育成アイテムを消費したい。
突破イベントを攻略するためには育成アイテムを節約したい。
この二項対立が発生するので、どの程度アイテムを貯めるのか・消費するのかを考えながら最高効率を目指して育成を進めていくのがこのゲームの醍醐味となります。
良かった所
ゲームバランス
このゲームで最初に書いた攻略記事にも書いた通り、攻略次第で無課金者でも課金者と同等・人によっては勝つことができる点が優れています。
ソシャゲあるあるで、課金者優遇をするあまり常に課金しないと最新のイベントが満足にプレイできないとか、そもそも楽しみを見つけることができないとか、そういった類のゲームではないです。
次々と実装される新コンテンツも、しっかりと準備してあれば無課金者でも充分に楽しむことができます。
不定期イベントでは進行度に関係なく遊べるミニゲームも実装されるのでたまにプレイする人も最低限遊べます。
課金者は課金者でお金を入れた分だけ目に見えて強くなれるし、順位という形でしっかりと報酬が与えられます。
基本的にどのプレイスタイルでも楽しめるように考えられています。
個別サーバー
正直MMORPGもソシャゲも色々とプレイしてきたわけじゃないので、このシステムが画期的なものなのか、ありふれたものなのかはわかりませんが、私自身は初めて触れました。
(追記)
どうやらこれは無限成長モデルというジャンルの手法らしいです。
米元 広樹|ゲームアーキテクトさんのnoteにて詳しく解説されていました。
なかなかおもしろい記事だったのでリンクしておきます。
②サーバーグルーピング
2つ目の特徴は、ゲーム内をすべてのユーザーではなく、インストール時期が同じユーザーを数千人~数万人くらいの単位で区切って、そのサーバーの中で競争させる仕組みのことです。
(追記終わり)
キノコ伝説ではサーバー開始日数に応じて育成コンテンツやPvPコンテンツが開放されていきます。
ユーザーはいつでも好きなサーバーにログインすることが出来て、サーバーごとに別のアカウントでプレイすることになります。
初日のサーバーに入れば、そこにいるのは全員このゲームを始めたばかりの初心者です。(攻略情報を大量に仕入れて、最初から効率的にプレイできる人はいる)
ゲーム始めたてでいきなり1ヶ月以上プレイしている人と戦ったり、全員が廃課金者のギルドと戦わなくてはならない、ということがないので無課金者や初心者ユーザーの居場所が確保されています。
チャット欄
放置ゲームということで、ゲームをプレイしているものの操作することが無い、というタイミングがまあまあの頻度で発生します。
そんなときにチャット欄で適当に会話して時間を潰します。
正直サーバー開始初日は地獄です。出会い厨やらキッズやら、何でもかんでもクソゲー認定するオタクやら…、なんでチャット欄非表示に出来ないんだよ、と思います。
でもそれは開始初日だけで、2日目からは落ち着いてきて、純粋にゲームを楽しんでいる人だったり、攻略情報をシェアする人だったりと、大学生~社会人の人が多くなってくるので割と落ち着いたチャット欄になると思います。
まあ、それはそのサーバーの民度や雰囲気に依存するし、個人の性格によってもチャット欄の良し悪しは変わってくると思うのでチャット欄が合わない人もいます。
ただ、自分のプレイしていたサーバーは割と民度が良く、ステージをクリアすればみんなでスタンプを送り合い、何かわからないことがあったら相談し、仲良くなったメンバーで他愛もない話をすることもあります。
昔のツイッターみたいな感じで知らない人と交流が持てるのは久しぶりの体験だったのでなかなか良かったです。
操作性
ゲームといえば操作性が重要です。
何をすればよいのかがわからないゲームはそもそも遊ぶ気になりません。
基本的に初日分はチュートリアルが充実していて、プレイ初日に関しては自分のやりたいことと必要な操作が明確にわかります。
下のメニューを開く・閉じるの操作がやや直感的ではありませんが、慣れれば気にならない程度です。
後半、10日目以降に触れるコンテンツに関してはやや不親切かな、と思いますが、その頃には全体の操作やアイテムの仕様などに慣れているし、最悪攻略情報を調べればなんとでもなります。
調べたのにわかんねえ!という最悪のパターンが無いので、概ね好評といった感じ。
達成感
このゲームは必ず負けるゲームです。
メインステージはループする仕様になっていて、ステージをクリアすれば勝手に次のステージが始まります。
廃課金者も、無課金者も、上級者も、全員同じ画面にたどり着きます。
「いつまでも先に進んでダリ~」と思っているのは初心者だけです。
特定のアイテムを入手したり、突破イベントでまとめて強化したりすると、今まで勝てなかったステージが余裕で勝てるようになります。
これが、まあ気持ちいい。
特に、突破イベントに向けてアイテムを貯め込んでいる人ほど一気にたくさんのステージを進むことができます。
突破イベントのたびに、意識してアイテムを貯めてきた人とそうじゃない人の差がついて、今まで勝てなかった人にもPvPで勝てるようになったりするので、定期的に育成が成功した達成感を味わうことが出来ます。
プレイ時間
放置ゲームということで、1日中張り付いていないといけないようなゲームではありません。
初日~サーバー開始1週間くらいまでは結構忙しくて常にゲームを開いていないといけませんが、2週目辺りから1日に進めるステージ数もそこそこに落ち着くので、基本的にはゲームを閉じておき、たまに開くくらいで大丈夫になります。
ざっくり、プレイしなくてはならないタイミングとしてはデイリーをこなすための1日1時間程度と、19時の菌族イベント(10分くらい)ぐらいで、ある程度効率を求めようと思っても8時間に1回・5分くらい触れれば充分です。
MMORPGといえば1日中プレイができる廃人向けゲームという印象がありますが、このゲームは、操作をしなければならない時間がかなり短いです。
1日中張り付いてゲームをするほどじゃないけど、暇つぶし程度になんかやりたいなーって人におすすめです。
どうしても暇で、やることがないのは嫌だ!なにかやらせろ!って人は別サーバーにログインしてサブ垢を進めれば簡単に数時間潰せます。
悪かった所
お問合せフォーム
多分バイトの子が返信を担当していると思うんですが、基本的にお問い合わせをしても運営からまともな返信が得られません。
Googleの検索結果のほうが役に立つとまで言っていいレベルです。
正直、気持ちは分かる。
毎日何百件何千件のお問い合わせがやってきて、それにいちいち丁寧に対応していたらとんでもなくストレスが貯まるしそこに予算を割きたくない。
ただ、やっぱり不具合があったり、調べてもわからないことがあったり、公式からの解答が必要な場面ってのは時々あるので、そういうときに真摯に対応してもらえないと運営への信頼感が失われていく。
特に3月20日の大規模サーバー障害のときなんかはそういう運営への不信感が爆発した。
普段から迅速・真摯に対応ができるシステムが組まれていれば、もっと穏便に済ませられたんじゃないかな、とは思う。
お問合せフォームがまともに機能していない=いつか大炎上しそうということで悪い点です。
越域戦・越域順位戦
MMORPG定番のクロスマッチです。
お気持ち表明にも書いた通り、越域戦のマッチングシステムは優れてるとは言えません。
一言でいうと、個別サーバーの良いところが全て死んでいるのが越域戦です。
他サーバーとのクロスマッチで、普段戦っている人以外との戦闘ができる、という点でMMO系のゲームには必須のコンテンツとなりますが、マッチする相手サーバーが開始日数と関係なくひとまとめにされています。
せっかく課金者・無課金者・ベテラン・初心者の棲み分けが上手にできていたのに、最後の最後で全員ひとまとめにされるのはちょっとイヤかなあ。
1週間以上前からプレイしている人と戦わせられたり、全員廃課金者のギルドと戦わせられたり、せっかくの良かった点が台無しです。
サーバー内での順位コンテンツが全くなくなるわけではないので、越域戦に関しては気にしなければ良い、という考え方もできますが、
頑張ってプレイしたのに対人戦でボコボコにされれるのは多少気分が悪い。
イラストアド
今のソシャゲの流れでいうと、キャラクター性が重要視されていると思います。ウマ娘とか、ブルアカとか、雀魂とか。
このゲームは主人公の着せ替え要素がちょっとあるくらいで、ガチャに美少女やらイケメンが入っているわけでもないです。
このゲームの代表的なキャラクターでいうと、東雲うみと三橋くんと六艾司さん(キノ伝ダンスの人)で、ゲーム内容とは一切関係ありません。
ストーリーも皆無なので、本当にゲーム性だけで勝負しています。
それはそれでもいいのですが、将来性という意味で不安です。
ゲームバランスやゲームの仕様などを考えると、初心者もベテランもみんなが楽しめるようなコラボ企画を実装するための下地が一切ないように感じます。
正直、今の状態で続けていっても半年もすれば育成ゲームとして停滞すると思うので、継続してゲームプレイを続けられるのかという不安もあります。
イラストアドが高いゲームであれば、性能以外の面でガチャの魅力を生み出す事ができて、無理矢理強くしなくても収益が上げられるようになり、結果的にインフレが抑えられて寿命が長いゲームになると思っています。
それに対して真逆のことをやっているゲームなので、正直長寿ゲームになれるとは思えません。
有料コンテンツ
サービス開始1ヶ月でセールスランキング1位に輝きました。
おめでとうございます。
有料コンテンツは実際どうなのよ、という話。
特典カード・パス
基本的には先程言った通り無課金・微課金・廃課金どのプレイスタイルでもそれなりに楽しめるゲームバランスです。
ただし、実際は無課金プレイに関しては人を選びます。
というのも、30秒から1分の広告を視聴して入手できる貴重アイテムが数多くあり、これが入手できない人はどうあがいても置いていかれます。
終盤になると広告を毎日50個60個見る必要があり、広告を見るだけで1時間以上かかる、なんてことになります。
そんなゲームが楽しいと思える人は少ないと思うので、完全無課金はかなり厳しいです。
広告をブロックし、アイテムを即時獲得できるようになるカードが販売されていて、1600円払えばかなり快適にプレイできます。
広告カードや永パスには永久適用!と書いてありますが、若干の嘘を含んでおり、別サーバーのサブ垢には適用されません。
ある程度進めたところで攻略情報を知って、最初からプレイしたいと思っても、広告カードを含めて30日パスなどの課金コンテンツを改めて買い直す必要があります。
そして、利用規約に返金申請をした場合はアカウント停止処分を行う。との記載があるので、別垢で適用されないなら金返せ!!!という文句も受け付けません。
今でこそ攻略情報が充実していて、初日からの立ち回りに悩むこともありませんが、攻略情報を知らずに始めた人は、思っている倍の額を払うことになる場合もありそうです。
利用規約に書いてあるってことは、まあそういう方法での収益も想定してあるんでしょうね。
間違った情報で騙しているのではなく、正しい情報を隠しているだけなので現状の法律的にはギリギリセーフだと思います。頭良いなあ~
キノコスロット
廃課金者向けの有料コンテンツとしてキノコスロットが用意されています。
500連天井のガチャで、基本的には400連程度で当たり枠を入手することが出来ます。
当たりが出るまで回そうと思ったらざっくり35000円が必要です。
月四回開催されるので全てを入手したいなら毎月14万円、課金限定コンテンツ(無課金だと入手に半年以上かかる)だけ入手したいなら毎月7万円、招き猫イベントで多少のボーナスを得ることができるので、実質毎月4万円ちょっとを払う必要があります。
キノコスロとは別に期間限定イベントやコラボなども実施されるので、その時々で追加で5万~10万円必要になります。
これは2ヶ月目以降でかかる金額で、序盤を一気に進めたい場合は初月に15万円20万円クラスの課金が必要です。
1万円以内の微課金でも普通に遊べるし、もっとたくさん課金すればその分ちゃんと恩恵が受けられるので、まあそれぞれのライフスタイルに合わせて遊べばいいと思います。
ちなみに、20万円近く課金しても、2週間プレイしないだけで微課金勢に追いつかれます。
セールスランキングが上位の理由
いくつか理由が考えられます。
情弱が無限に課金する
微課金勢に優しい
広告カードで1回目の課金を促す
個別サーバーで上位が狙いやすい
情弱が無限に課金する
いわゆるサンクコスト効果です。
最初に大金を注ぎ込むタイプの大人は結構います。
このゲームはスタートダッシュで一気に使えば強くなるのではなく、継続して色んな所にお金を使う必要があります。
最初に大金を払ってしまうと、強くなり続けるために継続して課金し続けないといけません。
例えば、最初にガチャを引くために10万円課金した人は、3日目の突破イベントのために更に10万円払って、4日目実装のコンテンツを育てるために更に5万円払って、8日目の突破イベントで3万円払って、9日目の突破イベントで10万円払って…って感じでその先のイベントで必要になる金額を知らずにプレイした結果とんでもない額を払うことになります。
攻略情報を収集して育成アイテムを効率よく使っている微課金勢が当然のようにランキング上位にいるので、その人達を超すためにまた大金を用意する必要があります。
総課金額がキャパシティを越えそうになるくらいの額まで膨れ上がっているのに、すでに投資した金額を考えると引くに引けなくなります。
サンクコスト効果 (サンクコストの誤謬) とは、お金や労力、時間を投資した結果、たとえ今後のコストがメリットを上回っても、同じことを続けてしまう傾向のことをいいます。
微課金勢に優しい
いくつかの課金コンテンツには1000%お得だったり5000%お得だったりと、特に有用なコンテンツが割安で用意されています。
その多くは30日間有効だったり、永久に有効だったり、継続してプレイしたい微課金勢にはすごく魅力的です。
800円や1600円を払うだけで大量のアイテムが入手できるものもあります。それはそれはすごくお得です。
800円なら少し晩酌を我慢すればいいな。
3200円なら一回飲みに出るのを我慢すればいいな。
そんな感じで無理なく買える額です。
微課金勢の多くはゲームをきちんと理解してアイテムの価値がよく分かっている人たちなので、1600円でこれが手に入るなら…といったノリで購入します。
そんなことをしていると、今月は1600円だけ課金しよう、と思っていたのに気がついたら1万円近く払っていたなんてことになります。(私がそうだった)
実際、課金額に対して得られる報酬は確実にゲーム体験を向上させてくれるので、損したという気分にはなりません。ただ、あれ…?となるだけです。
広告カードで1回目の課金を促す
無課金だとまともにプレイできない、と先ほど書きました。
そのため大半のユーザーは1600円だけは課金することになると思います。
ソシャゲでは1度も課金しない人と、課金沼にハマる人がいますが、1度でも課金した人は課金沼に嵌まる可能性が増大します。
購入の際にクレジットカードを登録したり、コンビニでitunesカードにチャージしたり、1度購入するという手段を踏むと2回目の決済へのハードルがガクッと下がります。
そうすると、160円の格安アイテムから始まり段々と800円、1600円と課金のハードルが下がっていき、最終的にたくさんの課金をしてしまうわけですね。
今まで無課金を貫いていた人が、気がついたら5000円前後の微課金勢になったり、5万円クラスの廃課金者になったりする訳です。
個別サーバーで上位が狙いやすい
課金の目標が現実的な範囲に収まっているということです。
あといくら課金すれば1位になれるとか、トップ3に入れるとか、それぞれのサーバーで課金勢が競い合っているわけです。
大体1つのサーバーにつき4~5人の廃課金勢がいるはずなのでその全員が満足の行く報酬を得るために課金しています。
そんなサーバーが現時点で500近く開設されているので、収益はとんでもない額になっていることでしょう。
5万円支払って2500位は魅力に感じませんが、5位になるためなら5万円を支払えるという人は多いでしょう。
サーバーを個別に分けることで個々人の課金額は多少減っていますが、課金者の数は莫大に増えるので、結果的に収益が多くなるという仕組みになっているはずです。
その他にも、何でもランキングを付けたり、レアなアイテムを入手したら世界チャットに通知がいったり、課金をすることで得られる小さな幸せが沢山用意されています。
つまりは攻略情報に精通している課金者も楽しめるようになっているわけですね。
まとめ
バカバカしくて、著作権ギリギリのパクリで、記憶にこびりつくほど大量に配信される広告の印象とは対象的に、ものすごく行動心理学的に理にかなったゲームデザインがされています。
広告に釣られたバカが多かったからセールス1位になれたのではなく、理論に基づいた経営戦略によって1位になれたのだと思います。
話題性だけで1ヶ月も持つような時代でもないですし。
この考察はあながち間違っていないと思います。
といった感じで、割と楽しいゲームでした。
越域戦のクロスマッチは今でもおかしいと思っているのでそこだけなんとかしてほしいです。
これまで書いた記事はこちら