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「沖縄に人権がない」という話
「沖縄に人権がない」という話
沖縄が日本国に返還されて50年になります。
平和を祈りつつ、
少し考えてみましょう。
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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。
"という話"は、調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。
※本当はノワール作家です。
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「第三の視点」による倒叙記述に従って結論から書きますが「何も解決していない事実」があります。
米軍基地の問題
本土との格差の問題
何ら解決していません。
(他にもありますが、割愛します。)
はっきり言えば「沖縄に人権がない」状態です。#blackjoke
「誤解を恐れずに言えば」とか言いません。実質的に「沖縄に人権がない」のです。
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米軍基地の問題
緩衝地帯としての歴史
かなしい歴史です。
日本と支那(しな)の間にある琉球王国は、明(みん)の冊封国(さくほうこく)でした。
※現在の中華人民共和国ではなく、地域としての支那を指します。
冊封国は植民地ではなく「一応」自治権があります。
どうして、宗主国を仰がなくてはならないのかは、
【「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話】リスト(16+36+号外1)
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
に書いています。
本来であれば宗主国と冊封国は、親戚のおじさんと遠縁の子供のような関係でした。
年に一度はおじさんの家でありがたい話を聞かなくてはならないのですが、静かに聞いていると帰りにおみやげをもらえます。
当然ですが、遠縁の子供も手ぶらとはいきませんから、おじさんが好きなものをあげます。
すると「よしよし」となって、あげた以上のものをおじさんからもらえます。内心は「嫌だな」と思っていても、いっぱいくれるので行くのです。
子供は儒教という思想や、漢字という文明の力を利用して賢くなります。
また、子供が隣の家から喧嘩をふっかけられたら、おじさんが叱ってくれます。
※隣国による侵略には宗主国が参戦します。
「本来であれば」と書きましたが、それが漢民族の明から満洲民族の征服王朝である清(しん)に変わるにつれ変化します。
李氏朝鮮はかなり清にいじめられていました。それを解放したのが、日清戦争で勝った大日本帝国です。余談ですか、清が払った賠償金で京都帝国大学(現在の京都大学)がつくられました。
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大日本帝国によって琉球王国は、沖縄は救われたのか?
いいえそんなことはありません。
当時の大日本帝国が使っていたのは万国公法という国際法です。
力で捩じ伏せ、相手を屈服させてから、不平等条約を締結し、その条約に基づいて友好関係を築くのです。
そして、この条約が締結されると不平等だからと撤廃することができないのです。
「だって署名したでしょう?」と言われるのです。
今ではこんな国際法はありません。暴力による条約など無効です。
けれど、今なおしようとしている国が多くあります。
沖縄は琉球王国の時代に、薩摩藩が琉球侵攻します。もちろん暴力をともなって。
琉球王国は江戸時代に、薩摩藩の附庸国になってしまうのです。
この時点でややこしいことになります。
宗主国の清国からみれば、三国とも冊封国です。
・清国>朝鮮
・清国>日本
・清国>琉球
※江戸幕府は朝貢していません。
けれど、琉球からみれば、宗主国が二国あることになります。
・琉球<清国
・琉球<日本
日本からしてみれば、清国の冊封国であり、琉球の宗主国です。
・日本<清国
・日本>琉球
朝鮮からすると、複雑さがより分かるでしょう。清国が儒教的な親だとすると、朝鮮は長男です。
・朝鮮(長男)<清国
・日本(次男)<清国
・琉球(三男)<清国
・琉球(孫)<日本(次男)
この歪な関係は、1871年(明治4年)の廃藩置県によって鹿児島県の管轄となったことで解消します。
しかし、これも何ら解決していません。結局は、日清戦争によって、武力によって沖縄は日本国となりました。
*
「暴力、むきだしの力は、歴史におけるほかのどの要素にくらべても、より多くの事件を解決しているのだ。この反対の意見は、それらの事件の最悪状態における希望的観測にしかすぎないのだ。この根本的事実を忘れた種族は、人命と自由という高価な代償を払わされてきたんだぞ」#宇宙の戦士
「何事も暴力では解決しない」という女生徒の意見に対しての〈歴史と道徳哲学〉先生の台詞です。#blackjoke
cf.
ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』(早川書房、1979年)
そして、第二次世界大戦です。
沖縄は本土のために焦土となりました。県民は約4人に1人が犠牲になりました。#うるうる
戦後、沖縄は日本国から分離され米国に支配されることになります。
それは冷戦が始まったからです。
ソビエト社会主義共和国連邦は自滅しましたが、米軍基地が消えることはありませんでした。
アメリカ合衆国によって、沖縄は民主主義へと移行します。
皮肉にも民主主義を学んだ沖縄の住民は、日本復帰運動をすることになります。
1972年(昭和47年)5月15日午前0時、多くの願いから沖縄は日本国に復帰しましたが、米軍基地がなくなることはありませんでした。
何の事はありません。まだあの関係が続いているだけのことです。
・沖縄>日本>米国
復帰には、雇用問題もありました。基地で働いていた7,000人が解雇されたのです。
基地は憎いが基地がなくては沖縄が成り立たない問題は解決していません。
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緩衝地帯としての役割
日本国の隣国であるロシア連邦がウクライナに侵攻しました。
「憲法九条があるから守られる」と考えている人もいますが「人命と自由という高価な代償を払わされてきた」「根本的事実を忘れた種族」のようですね。
令和2年4月9日の統合幕僚監部の「令和元年度の緊急発進実施状況について」によると「令和元年度の緊急発進回数は947回」で、中国機約71%(675回)で、ロシア機が約28%(268回)です。
cf.
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2020/press_pdf/p20200409_01.pdf
けっこういっぱい飛んできています。
少しでも隙があると、侵略なんて簡単にするのです。
相手国はそう考えていますから、日本国もそうだと考えています。「また日本が侵略するのではないか」と。
普通の日本人なら「戦争なんてしない」と考えているでしょうけれど、実は日本人はかなり好戦的な民族です。
平安末期からずっと日本国は軍事国家でした。第二次世界大戦後にようやく「国民に主権がある」とされ、平和になりました。
けれど、その隣では朝鮮戦争やベトナム戦争がありました。#特需景気
根本的に戦争がない世界などありませんし、これからもずっと戦争はあるでしょう。これが疑いようのない事実です。
けれど、100%にできなくても回避することはできます。
今回のウクライナ侵攻では回避を怠ったと言えるでしょう。
それは、欧米諸国では「論理的でないことはしない」と考えているからです。
汎スラヴ主義のような民族主義は世界観戦争(絶滅戦争)を引き起こします。
世界観戦争(絶滅戦争)から生き残った日本は平和を選びました。
その平和を維持するために、沖縄を犠牲にしています。
米軍基地をなくすために、自衛隊の予算を増やしてすべて日本国で守れるのでしょうか。
そんなことをすれば、また日本が侵略戦争をすると考える東アジアの国は多いです。
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本土との格差の問題
日本人は非常に暴力的です。
「温厚で謙虚な人が多い」と思っているなら、実際に暴力で支配している側だということです。#blackjoke
日本人は身内をけっこう平気で悪逆します。「おかしい」と下の者が言っても聞きません。
日本の儒教は、支那や朝鮮の儒教と違い、歪んでいます。
思想の亡霊は愚かですから、下の者を使い捨てしようとします。
身内は大事にする風習がありますが、常に抑圧しています。これは50代から上の男性に多い傾向です。
まだ、女性に人権がなかったころの名残です。
人権がないということは、つまり、女性は法的に物だった訳です。
女性は愛玩動物(ペット)と同じレベルです。不愉快ですが、事実です。昔は選挙権がありませんでしたからね。
本土の人は多くこうした傾向にあります。特に地方では。
「差別なんてしていないよ」と差別しながら言います。それが現実です。
こうした差別に戦うか、逃げるかどちらが正しいのでしょうか。
>戦う←
>逃げる
一つは戦うことです。
弱者が戦うには、まず兵站(補給)が必要です。
沖縄は米軍基地を優先した兵站で生活してきました。その土台が崩れてから50年、主要な産業が発達していません。
インターネットの普及から、会社の一部を沖縄におく企業があります。
しかし、本格的な会社が少ないのが現実です。
特別な地方としての沖縄という存在があったとしても、結局は一地方都市でしかありません。
根本的に、営業力に欠けています。
物はいいのに売れないのは、企画がよくないからです。
それは人間の育成ができていないからです。文化という教養をもつ人が地方は少ないのです。
才能があれば都会に行き、夢破れて帰ってきた者だけの場所になっている傾向にあります。
きちんとした兵站(補給)を整え、教育を始めから考えることが大切です。
*
>戦う
>逃げる←
一つは逃げることです。
沖縄の人は我慢しすぎです。逃げると言っても、別の場所に行く訳ではありません。
地道にロビー活動をすればいいのです。
地方の権利が一つ二つあるだけでは不十分です。地方で何千万あったとしても、都会では無価値なのです。#blackjoke
それよりも、都会で何百万か稼いだほうが楽です。
本当に逃げるのであれば、インフラストラクチャごと変える必要があります。
アイディアはいくらでもあります。実際に行うことが大切です。
ご高覧、感謝です。 サポートによる調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。 ※虚構も少なからず入っています。