「退屈な国」という話
「退屈な国」という話
#思考実験 日本がバランスを取ると、世界は均衡しないのではないか?
ドル・ユーロ・円の三竦(さんすく)みなら、円が必ず負けてしまうような緩衝材であるほうが日本は安全です。
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今年、広島はイスラエルを招待して、パレスチナを招待しませんでした。長崎はパレスチナを招待して、イスラエルを招待しませんでした。
広島/長崎のバランスは日本人としては、ふつうですが、先進国からすると異常です。
長崎でイスラエルが招待されないので、英国が出席を見送り他の先進国も追随するという結果になりました。
これによって、米国が原子爆弾を落とした日本より、自衛権を盾に今も〝戦争〟をしているイスラエルを擁護する形がはっきりしてしまいました。
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まあ日本政府としては「長崎、なにやってんの!」(※)です。
※『機動戦士ガンダム』「弾幕薄いよ」
ただ、中東に関しては、日本は他の先進国とは違う外交をしています。
イランとはまあ友好的な関係です。というのも、日本はそれだけ石油に依存してきたからです。
先の戦争も米国に石油を止められちゃったから(敗けると分かっていても)おっぱじめました。
ただ、これは理由の一つで(敗けると分かっていても)戦争をしたかっただけのことです。
そして、いまの米国は産油国です。
米国にとって中東はイスラエルという存在が目的であり、エネルギーではないのです。
逆に「米国こそユダヤ人の約束の地だ」とも言われています。
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#思考実験 金融三竦みでドル・ユーロいずれの円の負け舞台でも、いかに被害を最小限に抑えつつ利益を最大にするか。
米国(ドル)、欧州(ユーロ)どちらを負けさせても、日本は勝てない構図になっています。
日本の外務省は米国と欧州いずれの顔も立てようとします。
無理ですって!
その無理を通してきた戦後です。
それを変えようとしています。それは危険ですか? よく考えてみましょう。
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また、長崎市の判断は今後のグローバルサウスの生存戦略にも直結しています。つまり、民主主義の欠陥である「妥協しない異端派」を多数決の要にしない政策を選択できるのです。
たとえば、米国大統領選でのスイングステート七州の一部の「世界を見ずに自分たちの利益しか考えない人たち」が世界の趨勢(すうせい)を担っています。世界を平和にすることが結果自分の利益につながることを理解していません。なのに、世界を決めています。陰謀論者自身が陰謀になっています。#joke
この場合 #ゲーム理論 では自身の利益を最大にするには、世界を平和にする選択なのですが、目線が近く瞬間的な利益を求めています。
すべてで勝つことができない以上、直近で「平和(ピンフ)」で安く勝つ方向になってしまいました。
それは一時的な平和でしかないというのに。
「米国は世界の警察官ではありません」と述べたオバマ元大統領の失策です。
言葉にしてはいけなかったんです。
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今後のグローバルサウスは「妥協しない異端派」を多数決の要にしない政策してきます。
前述しましたが、これは民主主義の欠陥です。
どうしてもどこかがボトルネックになってしまいます。
優秀な代表を選べば独裁者になってしまいますし、富の分配を公正に実施してしまうと共産国家になってしまいます。
※この場合の共産主義は広い意味での民主主義です。
なお、カール・マルクスの理想である共産主義は機能しませんでしたが、その『資本論』の思想は正確でした。
(だから困っているのですが……。)
では、グローバルサウスは「妥協しない異端派」を積極的に排除するのでしょうか。
そんなことはしません。天動説のようにいずれ自滅します。
消極的で経済的な方法の一つは自滅するまで待つという方法です。
積極的で効率的な方法はここでは述べません。
(もうすでに準備しています。)
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人生で一回しか会えない友人がいてもいい。出会ったその日に仲良くなってその日に別れて、それでも今でも友人だと思えるような関係があっていい。
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日本が緩衝となって、世界を静寂にすることは現実に可能です。
かつて、中山俊宏(慶應義塾大学教授/国際政治学者)は「別に退屈でもいいけど、信頼される国になった方が日本は良い」と述べています。
追悼・中山俊宏(慶應義塾大学教授/国際政治学者)https://www.youtube.com/watch?v=uir_1l5-x6w