「民主主義の終焉」という話

割引あり

「民主主義の終焉」という話

ようこそ。門松一里(@ichirikadomatsu)です。

初めての方もおられるでしょうから、まずは自己紹介をさせていただきます。

「ようこそ。中島敦です。ウソウソ、門松一里です」
門松一里 落語「らくだ」
https://youtu.be/ETLVuvWx7ZE

ジョークです♩

そもそも、自己紹介はおかしいです。紹介は他の人にしてもらうものですから。

ということで、仲 高宏さん(@naka3ws)によるわたくしの紹介をどうぞ。
https://naka3ws.jp/2017/03/風車が燃えた秘密ってどんな本なの?/

仲 高宏さんは、note読者なら知っておられる、若き書き手の導き手です。

あまりほめない私が「仲さんて、すごい人なんです。(素」というほど優秀です。

仲 高宏さんは私の言葉からキーワードを読み取っておられます。

「過渡期をどう生きるか」

2020年の今、少し考えてみましょう。

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「民主主義の終焉」という話

たいそうな題名ですが、ゆっくり話していきます。

2020年の日本は民主主義を採用しています。民主主義"democracy"の語源は、ギリシア語の"demokratia"です。人民(demos)と権力(kratia)をくっつけた言葉です。

民主主義は人民(日本であれば国民)が権力をもっていて、自分たちで権力を行使します。かなり古くからあって、古代ギリシアでも行われていました。みんな政治に参加していたのです。

それが、キリスト教の発展とともに、帝王神権説(王権神授説)が優勢になります。※正確ではない。

「(キリスト教の)神から授けられた権力を朕(ちん)が行使する」

「人民に権利なんてある訳ないやろ」

結果、

(神>)神職者>王族・貴族>庶民>奴隷

といった身分制度ができてしまった訳です。※これも正しくはない。

2020年の日本では、貴族も奴隷もいません。全員が国民です。※皇族は除く。複雑なので、また別の機会にしましょう。

ただし、現状はグレシャムの法則よろしく「悪貨は良貨を駆逐する」ことになってしまっていて、全員が奴隷のようになっています。#blackjoke

これは、日本人が政治に参加しなかった結果です。

日本人は勤勉でおとなしいと思っている人が多いですが、違います。

日本人が平和で穏やかな人たちだと言うにははなはだ疑問があります。

世界史から日本の歴史を鑑みると、日本人はかなり好戦的です。

ついこの間まで、平安末期の平氏から始まって鎌倉・室町・江戸と700年近くも軍事政権だったのを忘れているんじゃあありませんか?

明治や昭和初期も戦争をしています。

暴動になったら止まらない民族ですよ?#blackjoke

日本人は怠惰です。自分の権利を(相手の権利はなお)疎んじています。
※キリスト教の「七つの大罪」の一つです。なお、『聖書』には記載されていません。

怠惰な人は追い詰められるほど思考しなくなります。組織が危機的状況になったとしても、あまり危機感がないので崩壊しだしてからパニックになります。

組織が危機的状況になる前からパニックにならないように賢人が準備していても、無能な働き者が一人いれば瓦解します。物語では主人公(英雄)ですが、現実社会では不条理な論理を信じる奇妙な「国士」でしかありません。

※国士(こくし)は、憂国の士です。国を心配して行動する英雄です。※麻雀の役の「国士無双」は、蕭何に天下第一の人物とうたわれた韓信に由来します。詳しくは別の機会にしましょう。清一色♩

無能な働き者である奇妙な「国士」は他との違いを切り捨て、自身の概念を自身の言葉と行動で表現します。それは誰の目にも狂人ですが、本人は確信犯的に英雄を演じます。その行為に酔うのです。

その奇妙な「国士」を止めるにはどうすべきでしょうか。一つは「第三の視点」による倒叙記述(*)によって、情報を開示することです。ただし、"すべてを開示する必要はない"のです。困る内容は「察してくれ」で通じます。それをせずに情報を制御しようとするから、奇妙な「国士」が発生します。

*門松一里『「第三の視点」による倒叙記述: 結論から伝える技術』
https://www.amazon.co.jp/dp/B074S5K6T8/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_q18LEb3P2SK3F

奇妙な「国士」がもつ概念は、制御された情報を合理的に組み立てます。実に論理的に。その合理的に組み立てられた論理はまったくの誤りであっても成立してしまうのです。もっとも、奇妙な「国士」に知性があれば制御された情報から開示されていない内容を知ることができるでしょう。#blackjoke

一つに、情報を誤らせる方法があります。証拠資料(エビデンス)を恣意的に(都合のよいように)改竄してしまうのです。ただし、これも知性があれば内容を知ることができます。あとは、奇妙な「国士」を発生させないように、発生自体を隠蔽してしまう方法があります。「なかったこと」にしてしまうのです。#blackjoke

ジョークはさておき、私たちは政府を批判する権利も政権を交代させる権利も享受しています。その権利を使わないことがどれだけもったいないことか考えたほうがいいです。
※私は行政を批判していませんよ。もう少しマシなことをせよと言っているだけです。

"Are governments capable of evil? Yes, of course they are. All institutions are. But they’re more capable of incompetence."
"Elementary" 2-3 "We Are Everyone"
「政府は悪を行うか? もちろん。しかし、陰謀を企てるなんて無理だ。無能すぎる」
『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』
https://twitter.com/ichirikadomatsu/status/1215821156441194497

きちんと学び、何が正しいのかを判断しないと大変なことになります。特定の個人や組織に依存しないことです。立場が変わると違う意見になるので、本質を見抜く訓練をしましょう。一つ一つ(手間だけれど)解決するしかありません。それらが現実になってからでは遅いのです。

このように、民主主義は手間です。多くの人の意見を聞き話し合う多事争論(*)によるからです。とにかく時間が経かります。

*福澤諭吉『文明論之概略』巻之一「自由の気風は唯多事争論の間に在て存するものと知る可し」
※筑紫哲也の多事争論はエンタテインメント(娯楽)作品です。編集でカットしたほうなら楽しいかもしれません。#blackjoke

これを簡略化したのが、奇妙な「国士」です。先憂後楽(*)せずに、目先の不幸を取り除き、結果国家を混乱させます。つまり、独裁者です。

*范仲淹『岳陽楼記』「天下の憂いに先立ちて憂え、天下の楽しみに後れて楽しむ」
※岳陽楼(がくようろう)は、湖南省岳陽市にある城楼で、洞庭湖(どうていこ)の眺望絶佳の場所として有名です。

民主主義は独裁者をださないために、かなり腐心しています。

そして、これが重要なのですが、日本人は独裁者が大好きです。歴史を鑑みるに。

日本人は、子供のように一喜一憂して、好きなものにパッと飛びついて飽きたら捨てて、主催者の責任にするのが通例です。

もちろん、そんな人ばかりではありませんが、一人でもいれば十分困ります。ですから、独裁者をださないように、組織的にうごき、そして腐ってしまいます。

その場の空気で戦争してしまう訳です。破滅の空気においやられ特攻なんてしてしまう訳です。

伍子胥のように「死屍に鞭うつ」ことはしたくありませんが、単純に戦争は経済的におかしいです。

伍子胥の盟友である孫子もそう言っています。「戦争をするくらいなら、スパイに大金をやって回避したほうがマシだ」と。

ここまで話して、それがどう民主主義の終焉になるか理解できたでしょうか?
※アンチはここまで読まないので、次から具体的な話です。

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ご高覧、感謝です。 サポートによる調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。 ※虚構も少なからず入っています。