筑波大学 一の矢宿舎に住んでみて
はじめに
筑波大学の学生宿舎の一つである一の矢宿舎に住んで早六か月が過ぎた。スーパーや駅へのアクセスは絶望的であり森と揶揄されることもしばしばな一の矢宿舎。私が筑波大学を目指す理由の一つでもあった一の矢宿舎。私の愛す一の矢宿舎。そんな一の矢宿舎(以下「のや」)に住んでみて実際に感じたことを文章に起こしてみる。のやに限らず宿舎への入居を考えている人たちにとって少しでも有益なものになれば幸いです。
断りとお詫び
私は総合するとのやが好きである。元々学生寮や学生宿舎に憧れがあり、筑波大学もそのために受験したと言っても過言ではない。そのため出来る限り中立的に書こうとは思っているがバイアスが存在していることは断っておく。宿舎は合わない人はとことん合わないため自分の性格とよく相談してみてほしい。(私が観測した中では四月四日ごろに入居した後四月二十日ごろに退去した人がいる)
そして、本記事ではできるだけ自分の感じたままに書こうと思う。そのため私の愛する隣人に対して攻撃的にも受け取れることが書かれているかもしれない。本当に申し訳ない。私は君たちのことが全面的には好きである。この記事に攻撃する意図はなく、ありのままを伝えたいという意図によるものである。もしこの記事を見つけてしまってもそっとしておいて欲しい。
良いところ
大学へのアクセス
のやは駅から約4.6㎞、近くのスーパー(カスミ)まで約2㎞と日常生活において絶望的ではあるが大学生活においてはその限りではない。3学(理系などが授業を行っているエリア)まで5分前後で行くことが可能だ。信号がないため変数が少ないのも大きい。朝に多少寝坊しても一限に間に合わせることができるのが最大の強みである。
爆速WiFi
宿舎のwifiはかなり強い。そして基本的には安定している。
↓今測ったらこんな感じだった。
メンタル
もう個人差がある内容になってしまった… メンタルは鍛えられると思う。これから先どんな環境でも生きていけるよう感覚を得ることができる。実際それは本当で、一年経ち宿舎を出る際にどんな物件でも基本的に上位互換となるため妥協が存在しなくなるのだ。足るを知ることができる、とも言えるかもしれない。海外で限界旅をしたい人などには特におすすめできる。また、虫にある程度強くなれる。というよりは強くならないと生きていけない。宿舎は四階建てがほとんどだが基本的にどの階でも虫は避けられないと思っていた方が良いと考える(勿論1階、2階の方が出現率は高い)。
宿舎コミュニティ
個人差がとんでもなく大きいが、少なくとも私の周りには一応存在している。大きく分けると学類のものと共用するフロアの二つのコミュニティができるときはできるだろう。私の場合前者に大きく助けられた。入学当時の誰もが心細さを感じている時期に、同じ宿舎に住んでいる同じ学類の人とはコミュニケーションが取りやすく仲良くなりやすい。宿舎民で最初固まっているとそこから宿舎民以外にも人脈が広がりやすく、最初の話しかけるきっかけに悩む私のような陰キャにはおすすめである。陰キャは宿舎に住め!後者についてはあまり活発ではないが、シャワー待ちの時間であったり共用キッチンを使っている時に会話をするというものだ。大抵は何度か世間話をするだけの関係になってしまうが学類やサークル、授業が同じだった場合などはさらに仲良くなれる気がする。少なくとも友達になるきっかけにはなると思う。
しかし、個人差が大きいと前述したように学類の宿舎コミュニティができなかったり(ライングループを作っておくと良いかもしれない)、宿舎の廊下ですれ違っても互いにガン無視する場所もあるらしく様々であるらしい。
話のネタ
私のような会話の応用力がない陰キャにとってのやは会話レパートリーの宝庫であった。春学期はのやについての会話で乗り切ったと言っても過言ではない。多分春学期にあった人の私の第一印象は永遠に宿舎の話をする陰キャだと思う。とにかく、宿舎民以外には宿舎の辛いこと、宿舎民には宿舎あるあるなどの話題で盛り上がれる。ありがとう一の矢宿舎。
生活圏
半年くらいつくばで過ごしてみて徐々に自分の生活圏も分かってくるため、後のアパート選びも失敗しにくくなる。
費用
最大のメリットを忘れていた。勿論アパートやマンションより家賃は安い。しかし近年値上げ(?)がありアパートの家賃と近くなってきたらしい。そのため過激派アパート民はこの点から宿舎を否定することがあるが、宿舎は光熱費がかなり安い。水道代、ガス代は0円で光熱費は三か月で私の場合4000円だった(一か月くらいほぼ毎日除湿を使っていた、猛者は三か月700円とかだったらしい)。総合するとやはり宿舎は圧倒的に安いと考えられる。
微妙なところ
生活全般
トイレ・キッチン・シャワーが共用である。これを乗り越えればメンタルが鍛えられる側面があるが、鍛えられるということは相応の負荷がかかっていることを忘れてはいけない。夜寝る前一瞬トイレに行きたいだけなのに人に会うかもしれないというのは地味ではあるが辛い。特にストレスなのがシャワーだ。シャワーは二階と三階にしかないため夜はそこそこ混雑する。シャワー待ちで仲良くなれることもあるが早くシャワーを終えて寝たいような時には辛い。このように自分の計画が狂うことが一番嫌かもしれない。
食事
食事はなんとかなるが、全体的なクォリティは下がらざるをえないと思う。理由は二つ。一つはスーパーが遠いこと。そしてもう一つが調理のために部屋の外に出ることが面倒くさいからである。しかしこれは個人差が大きく頑張ってスーパーに行き調理している人も一定数いる。ちなみに怠惰な私はレンチンパスタが主力メニューとなっている。
音
私の部屋は絶望的だった。角部屋でない限り基本的に壁は薄いと思ってもらって良いだろう。通話してる声は隣の部屋に筒抜ける。壁だけでなく扉も終わっている。扉の下部は微妙に開いており(廊下の光が入ってくるくらい)、恐らくそこからガッツリ音が漏れている。そのため、部屋の中で通話している内容が廊下からだと丸聞こえだ。音問題については少し補足で後述したい。
虫
やはり辛い。私の部屋の場合、網戸ガチャを外したらしく完全に網戸が閉まらない。そのため、夏場の夜に網戸を閉め窓を開けていると羽虫が侵入してくる。私はベッドを窓と平行にして置いているため、夏はベッドの上に虫が乗っていたり死んでいたりすることがしょっちゅうであった。まぁ辛いけど耐性はつきます、むしろ私はまだゴキブリと一回しかエンカウントしたことがないため幸運であるとも言える。別の棟の人が言うには隣の生物学類(?)の人がゴキブリを愛でている(退治しない方針?)らしく毎日ゴキブリを見ることがあったとのこと。
狭い
私はあまり気にならないしむしろ便利だと思っているが、やはり狭すぎるというのは良く聞く。物が多い人は辛そうである。
空気
エアコンの風がどの設定でもほぼダイレクトに当たるため体調を崩しやすい。小さなことに思えるかもしれないが、住んでみると逃げ場がなくてどうしようもないため結構辛い。また、狭いためであるとも言えるが空気がこもりやすい。夏は電気代が安いことをいいことに一日中閉め切ってクーラーをつけていたが、その時期常に体調不良だった。後になって換気が足りていなかったと分かった。宿舎に住む人は特に注意して欲しい。
宿舎向きでない人…?
多くの人が宿舎でやっていけるのか一度は心配になるだろう。実際神経質な人はストレスを感じることが多いと思う。しかし、一度入居してしまえば生きるためには宿舎で過ごすしかないためなんとかなる側面があるとも考える。実は私も神経質な方であり入居前は共用スペースの利用が心配になっていたが生活するためには使うしかないので少しずつ慣れていった。途中で出ることもできるため、心配なことがあってもとりあえず宿舎に住んでみることは良い経験になるような気もする。
宿舎に''住むべきでない''人…?
このことを書こうか迷ったが、宿舎で辛い思いをする人を減らしたいと思ったため書かせてもらう。宿舎は共用スペースに代表されるように共同生活を送る場所である。そのため、同じ階の住人との関わり合いが非常に大事になってくる(ちなみに、各階にホワイトボードがありそれを使ってコミュニケーションが取れる)。その中で価値観をすり合わせ他者を慮りながら生活をすることは今後の人生においてかけがえのない資産となることだろう。しかし、生活のためであったり信条のためであるかは分からないがどうしても修正できない箇所がありそうだということが分かってきた。
ここでは他の住人にストレスを与える可能性がある行動を挙げる。宿舎に住んだ場合どうしてもこれらを改善できないと事前に分かっている場合はアパートやマンションを検討するべきだと個人的には思う。
通話する人
前述した通り宿舎の防音性能は絶望的である。そのためほぼ毎日夜間まで通話する人や、日常的にゲームのボイスチャットをする人などは宿舎以外の防音性に優れた物件を検討すべきだと思う。絶望的な防音性能のために会話の内容が外から聞こえてしまうこともありお互いのためにならない。仮にどうしても宿舎で通話しないといけないという場合はできるだけ小さな声で短い時間、隣に会話は全て聞かれているという意識を持って通話すべきであると私は思う。
もちろん、宿舎の部屋に人を呼んだ場合は同様にかなり音が漏れる。友達を呼ぶと会話もエキサイトしやすく、宿舎で部屋に人を呼ぶことは個人的には他の住民に対して暴力的行為でさえあると私は思う。深夜帯の通話と部屋に集まることの二つはなにがあっても絶対に宿舎でやってはいけないことであると私は認識している。
自分で出したゴミを片付けられない人
これはキッチンでのことである。キッチン関係でのトラブルは特によく聞く。キッチンのシンクはすべてのゴミを流していい場所ではありません。
トイレを正しく使えない人
男性だけの話になってしまい申し訳ない。宿舎のトイレは基本的に洋式である。しかし洋式トイレを立って使用する男性がどうやら一定数いるようだ。身体的な事情があるのかもしれないが、洋式トイレは座って使用する以外の選択肢はあり得ない。聞くところによるとホワイトボードによる注意が様々な階で一度は行われているがなかなか改善しないらしい。人として基本的なことだと思うので宿舎で共同生活をする以上必ずルールは守って頂きたいと思う。
おわりに
長々と書いてしまった。総合すると私にとって宿舎に住むことはとても良い経験になっていると思っている。今までと全く違う環境に身を置くことで新しい自分を見つけるきっかけになるかもしれない。一の矢宿舎、良いところです。