岩手県の高校入試のスケジュールと心構えが知りたくなったときは
※「中学卒業後の進路が不安になったときは」を合わせてお読みください。
〈志望校選択のスケジュール〉
[相談]4月 進級
(相談スタート)
[仮設定]6月 部活引退
(公立私立2校ずつ設定)
7月中旬 1学期期末面談
[仮決定]7月下旬 オープンスクール
(自分の目で見て仮決定)
8〜1月 実力テスト(毎月)
[決定]12月下旬 2学期期末面談
(公立私立1校ずつ決定)
1月中下旬 私立一般・推薦試験
1月中下旬 私立一般・推薦合格発表
1月下旬 公立推薦試験
2月上旬 公立推薦合格発表
[最終決定]2月上旬 公立一般入試出願
3月上旬 公立一般試験
3月中旬 公立一般合格発表
〈志望校選択の心構え〉
①志望校決定は12月までじっくり我慢
一般入試出願は2月なので、志望校決定は12月で十分間に合います。それまでは全員が仮決定の状態です。むしろ、早く決めすぎるのは危険です。ストレスや、逆にだらけに繋がってしまうことがあります。
そもそも、7月のオープンスクールや、8月からの実力テストの様子を見ないと、志望校を決定できるはずがありません。
②必ず4校以上の選択肢を
志望校は、公立私立ともに2つ以上設定しておきましょう。たとえ自分の中では1校に決まっていたとしても、複数校を調べ続けることが必要です。
志望校を最初から1本に絞ってしまう生徒やご家庭は少なくありませんが、将来を考える大切な時間を無駄にするのは勿体無いことです。より自分に合った進路を調べ続けるということが、人生にとって重要です。また、何か大きなイベントの準備の際に、最悪の事態を想定しておくリスク管理能力も大切です。
高校入試が終わっても、人生は続きます。入試を上手く使って、調査能力やリスク管理能力など、人生に役立つスキルを成長させましょう。
③3年間通える学校を見極める
どのような高校でも、卒業さえすれば高卒資格を取得できます。偏差値30の高校でも70の高校でも、卒業すれば学歴は同じ高卒です。ですから、無理して偏差値の高い高校に行く必要はありません。 勉強が得意ではないのに進学校に進学した場合、勉強についていけずにリタイアしてしまうリスクもあります。一番大事なのは、3年間毎日通うイメージを持てる高校を見極めることです。
そのために、徹底的に複数の高校を調べ上げてください。学校案内やホームページ、受験要項を読み込むのは当然です。先生や先輩に聞くのもいいでしょう。オープンスクールには必ず行って、自分の目で校舎や先生や生徒の雰囲気を確かめてください。できるだけ、実際の交通手段で行ってみるといいですね。
こういった調査能力が、将来の大学受験や就職活動、そして社会人になってからも活きてくるのです。あなたはもうほとんど大人です。大人になるということは、こういったことを少しずつできるようになるということです。
④将来の進路選択のために
具体的に将来就きたい職業が決まっているのであれば、その職業に就くための複数の方法を調べておく必要があります。もしかしたら、調べている途中で志望校や職業が変わるかもしれません。それはとても素晴らしいことです。どうか、自分の可能性を絞りすぎずに、もっともっと広げてみてください。
〈実力テストの取り組み方〉
受験生になると、今までのテストに加えて、8月から1月まで毎月実力テストがあります。それまで以上に丁寧に取り組まなければいけません。
テストは、本番の前後にどのように取り組んだかの方が大切です。終わった後の点数や順位ばかり気にしていませんか?それは、大して意味のないことです。
テストの前と後にやるべきことを確認しましょう。
〈テストの前にすること〉
テストの1週間前までに、それぞれのテストの前年の過去問を解きましょう。入試が近くなってくると、入試過去問を解きます。どんな試験でも、試験前に過去問を解くのは当然です。実力テストでもその練習をしていきましょう。それがすぐに本番の点数アップに繋がらなくても構いません。出題傾向がガラッと変わって、過去問が役立たないこともあるからです。
解き終わったらすぐに、自分の解答用紙を分析しなければなりません。問題を3つに分類して、テスト本番までに解き直しましょう。
【分類①】解き方は分かっていたけれど、ケアレスミスで不正解となった問題
・それが全て正解していたら、何点になっていたか計算してみましょう。
・これは、絶対に点数を取らなければならない問題です。
・ケアレスミスがあると、いくら頑張って勉強しても実力通りの点数を取れません。逆にいうと、ケアレスミスがなければ、すぐにその分の点数が伸びるということです。
・すぐに解き直しましょう。
【分類②】答えと解説を見ればわかる問題
・それが全て正解していたら、何点になっていたか計算してみましょう。
・これは、次に点数が伸びる可能性がある問題です。
・丁寧に模範解答を写した後、すぐに解き直しましょう。
【分類③】答えと解説を見ても分からない問題
・これは、今は自分では解けない問題です。
・模範解答を丁寧に書き写して、あとは放っておきましょう。
・いつか、解ける日が来るかもしれません。それまでは、①と②で努力しましょう。
・もちろん、周りに上手く解説してくれる人がいたら、聞いてもいいですよ。
〈テストの後にすること〉
テストの点数を素直に受け止めることは大切ですが、悪かったからといって落ち込んではいけません。テスト本番が終わったら、過去問の時と同様に問題を3つに分類して、1週間以内に解き直しましょう。こうやって、
[過去問→分類→解き直し→本番→分類→解き直し]
を1セットとして毎月繰り返すことで、テストに取り組む姿勢を作り、着実にレベルアップしていきます。
〈目標点数の設定方法〉
テストの目標点数を立てるのは、けっこう難しいことです。なぜなら、毎回出題範囲が違いますし、出題傾向が変わったりするからです。また、定期テストの場合、学校や先生によって出題傾向が全く違うことも大きく影響します。
目標点数を立てたい時は、”前回の点数を上回る”といった、少しアバウトなものにしましょう。
〈高校入試に必要な基礎学力〉
学習の土台となる能力が身についていないと、いくら勉強をしても伸び悩みます。焦らず、4つの基礎学力を身につけましょう。
①小学校の漢字と語彙
②基礎的な計算
③英単語
④基礎英文法
読み書き算盤とはよく言ったもので、これが身についていない人は、教科書の文章でさえ全く理解できていないということがよくあります。
漢字や言葉がスムーズに読み書きできていないと、日本語の文章を正確に理解したり、ましてや設問に根拠を持って答えることなどできません。
四則計算を正確にスピーディーに連続して解き続けることができないと、発展した中学校の問題が解けるわけがありません。
ローマ字とある程度の単語を瞬時に読み書きできなかったり、一番基礎となるbe動詞と一般動詞を理解できなかったりする人が、不定詞や関係代名詞を使いこなせるはずがありません。
〈有効なテキスト〉
おすすめテキストを紹介しますが、どんなテキストも1回で習得できるわけではありません。2回3回、場合によっては5回やるつもりで取り組みましょう。
そう言われるとやる気がなくなるかもしれませんが、よく考えてください。最初のうちは、うる覚えでもいいので、気軽に取り組めるということです。人は、うる覚えを繰り返して物事を身につけていきます。1回で完璧にするなんてそもそも無理なので、気楽にスタートしましょう。
①小学校の漢字と語彙
・小学漢字1026が5時間で覚えられる問題集(大和出版)
・出口先生の頭がよくなるかん字3〜6年(水王舎)
②計算
・百ます計算(小学館)
・早ね早おき朝5分ドリル計算6年生(学研プラス)
・陰山メソッド徹底反復プリントしょうすう・ぶんすう(小学館)
単位や割合など不得意単元がある場合は別に該当ドリルを購入
・サクサク基礎トレ10分間復習ドリル計算(増進堂・受験研究社)
③英単語
・中学英語サンシャイン完全準拠英単語・熟語(開隆館出版販売)
・高校入試世界一わかりやすい中学英単語(KADOKAWA)
・中学校3年間の英単語が1ヵ月で1000語覚えられる本(かんき出版)
④基礎英文法
・中学英文法「意味順」ドリル1・2(テイエス企画)
・英文法パターンドリル(文英堂)
・サクサク基礎トレ10分間復習ドリル英語(増進堂・受験研究社s)
・英語習得プリント(はなまる学習塾:希望者に販売しています)
どれも書店やネットで買えるものです。購入したら、毎日何ページずつ進めるか決めて取り組みましょう。
〈まとめ〉
不安とは、単純な知識不足からくる場合が多いものです。残念なことですが、学校は基本的な知識さえ教えてくれません。入試に立ち向かう上で当然知っておくべき情報が、子どもたちやご家庭に正確に伝わっていないのです。
しかし、学校や先生はとても忙しいので、やはり最終的にはご家庭でやるしかありません。正確な情報を調べ、スケジュールややることリストを作成していくのです。少し手間のかかる作業ですが、お子さんの将来のことを考えれば、どうってことはありません。もし大変な時は、はなまる学習塾にご連絡ください。
私の経験上、中学3年生になっても、内申点を計算したことがなかったり、実際に校舎を見ないまま志望校を決めようとしていたり、入試本番の日程を知らなかったりするお子さんやご家庭が非常に多いです。
戦いに挑むときに、そんな無策でいいはずがありません。勉強だけしていればいいとか、実力テストの点数だけ気にしているとか、自分で調べない割に、何の根拠もない情報だけを信じている人が多すぎます。
入試は、戦いです。勝つためには、戦略を練らなければなりません。戦略には、正しい情報が必要です。どうか、少しでも多くの中3生が、正しく戦えますように。
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