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早朝のストックホルム散歩/スウェーデン・デンマーク旅行記 Day1

Stockholmの港から旧市街Gamla stanまでは、まっすぐ向かっても徒歩だと1時間以上かかる。それを寄り道したり、写真を撮ったりしながら歩いたから、どれくらいかかっただろう。

歩き始めてすぐ、霧ががかった夜明けの空がよく見える、視界の開けた場所に偶然出会い、つい立ち止まってぼんやりとその景色を眺めた。ほとんど人はいなくて、少し遠くに一人だけ、犬を連れた初老の女性がその景色にスマホを向けているのが見えた。

わたしがその場を離れると同時に、街灯の灯りがすとんと消え、ちょうど夜と朝が入れちがう瞬間に出くわす。規則正しく並ぶアパートの部屋の窓には、ひとつ、またひとつと明かりがぽつぽつ点いて、窓辺に見える間接照明が北欧らしいなと思った。

住宅街はフィンランドとそう変わらない雰囲気で、国境を越えた実感が湧かなかったけれど、市街地に出てやっと、街並みや言語から違う国に来たことを認識した。Stockholmの街並みには、何というか、気高さのようなものを感じた。

正直なところ、今回の旅に行く前まで、フィンランド、スウェーデン、デンマークは“北欧三兄弟”といった、まとまったイメージを持っていた。でも、実際に現地を訪れれば、ほんの少しの滞在でさえ感じられるほど違いをはっきりと感じた。歴史や文化が違うのだから、当然のことなのだけれど、やっぱり肌で感じるまで理解するのは難しい。

2時間以上は歩き続けただろうか。Gamla stanに到着する頃には、ひと休みしたい気分になっていて、旧市街地内の適当なカフェへ。メニューがなくて、金額がわからず、不安なまま注文すると、コーヒー1杯で65sek。あとから計算したら1,000円弱。その後、同じGamla stanにある他のカフェをチェックすると30〜40sekが相場だということがわかった。接客もぶっきらぼうに感じたのは、わたしのフィンランドびいきかな。

午前中はほとんどの店がまだ閉まっていたので、カフェを出てからは、入り組んだ細い石畳の道を、ひたすら歩いて、歩いて、歩いた。色鮮やかな街並みはどこを切り取ってもうつくしい。

街角に無造作に置かれた自転車、建物に絡みつく紅く色づいた蔦、窓や扉の細かな装飾。あちこちに気を取られて夢中で街歩きを楽しんでいると、気がつけば、Stockholmでの残り時間が少なくなってきていて、次の目的地へと急ぐ。

長距離バスに乗る前に、事前にチェックしていてぜひ見ておきたい場所があった。街中の広場で開催されるloppis(フリーマーケット)だ。運よく、この日はその広場での今年最後の開催日だった。

早朝に歩いた時には出店者が荷下ろしをしていて、イベントの準備中だった広場へ戻ると、すでにたくさんの人でにぎわっていた。

想像していたよりもずっと庶民的で、古着から雑貨、ガラクタのようなものまで、何でもありの雑多な雰囲気。フィンランドでは定番のittalaもmarimekkoもひとつも見かけなかった。その代わりに現地のかわいらしい馬の民芸品、Dalahästはたくさん並んでいた。そういえば、スウェーデンでもデンマークでも、marimekkoを着ている人、全然いなかったな。

円形の広場を囲むように並んだ出店者をぐるりと一通り見て、Stockholmのバスターミナルへ。ここから、この日の最終目的地であるÖlandに向けて、6時間のバス移動。

なんせ、前日は寝床がディスコ直下だったせいで一睡もできていない。きっと、爆睡しているうちに到着することだろう。

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