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hug

hugはいい。

はじめましてのhug、
お別れのhug。

いってらっしゃいのhug、
おかえりのhug。

がんばってねのhug、
大丈夫だよのhug。


ひょんなことから始まった、クルド人の青年との1か月の共同生活が終わりを迎え、今朝、わたしが今日ここを離れるということと出発時間、それから1か月間ありがとうと彼に伝えた。

彼は「OK、その時間はここにいるよ」と言って部屋に戻りかけたけど、「Eriko」とわたしの名前を呼んで、hugしてくれた。

会話をしようとすると、言葉でのコミュニケーションがあんまりうまく取れなくて、いつもお互い何度か聞き返してやっと意思疎通という感じだったけど、一度のhugでありがとうを伝え合えた気がする。


ホストマザーのやわらかくてふわふわの身体に包まれたhug

いつもハッピーな友だちのつぶれそうなくらい強いhug

遠くからエールを送ってくれる友だちの"I’m sending you a big hug for you!"というテキストのhug

ほかにも、フィンランドに来てから交わしたたくさんのhug

ことばが不自由だからこそ、ことば以外のコミュニケーションに救われるものが大きい。

考えてみればいつもhugしてもらうばかり。
hugするなんて、恋人くらいのものだったから、抱きしめられればうれしいのに、自分からはなかなか照れくさくてできない。

hugはいい。

みんなも、わたしも、どんどんhugしてこ。
そうしたら、もっと、やさしい世界に近づく気がする。


cover photo by @saori0031


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Eriko Sugita
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