リクリエイションについて/一日一微発見159
少し前だが、観測史上最大級の台風(風速80メートル)が、九州をかすめて南海から中国大陸へと飛んでいった。
上陸こそしなかったものの、ビーンボールのようだった。直撃していたらカタストロフをもたらしただろう。
気象衛星から撮影した台風の写真がネットニュースに上がっていたので見たら、白く厚い雲の塊の中にぽっかりと穴が開いていた。白く輝く一つ目のモンスターだった。
それを見て、ちょうど読み直していたジョン・C・リリーの本『サイクロンの中心(邦題・意識の中心)』を思い出した。
彼はLSDを積極的に使用した変性意識実験やイルカ研究のパイオニアだった。人間をサイクロンに例えていて、中心には悟りがあり、周辺にはエゴの嵐が吹きすさんでいるイメージを想定していたのだ。
そうなると、我々も人間の形をしているが想念の次元でいえば皆、「小さな渦」だということになるのだろう。
エゴの強風による摩擦、衝突、矛盾の連鎖を引き起こしながら、しかし、正体のつまるところは、「空っぽ」なのだ。
そして風の向くまま遊走してゆく宿命をもつのである。
はたして、フィジカルな人間社会の現実を、こんな単純なモデルに変換するなど荒唐無稽。バカバカしい話しと笑うかもしれない。
大局的な宇宙的な視点にもとづくヴィジョンは、大事である、なぜなら、我々の頭には、理由が何なのか不明なまま、「つむじ」が渦を巻いているではないのか。
話は突然変わる。
大きなプレゼンがやっと通った。
他にも来年予定している大きな展覧会のポスターを広告会の大御所に作ってもらったが、これも通った。
これらについては、また詳しく書くけれど、企画を通すために思考し、表現をアーティストと創出した。オーバーに言えば、想念の戦いだと思う。
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