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アーティスト檜皮一彦の、愛と未来/一日一微発見192

檜皮一彦という、気鋭のアーティストがいる。彼は数年前に、現代美術の有力な登竜門である「アートアワード東京丸ノ内」のグランプリを、大学院卒業時に取り、そして続いて岡本太郎賞のグランプリを連続して受賞した。
とはいえ、まだ多くの人々は彼のことを知らないだろう。

最初に言っておくが、彼は身体障害者だ。片足はなく、手も指が1本しかない。常に車椅子の姿なのだが、ファッションも異装である。

彼は大阪に住み、京都の美術大学に日々通っていたが、何段にも黒いシルクハットの帽子を重ねてかぶり、目の周りを黒く塗り、大きな眼鏡をかけていた。
誰もが彼に注目し、「何者なのだろう」とひきつけられざるを得ない存在として日常を生きているのである。

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