鈴木親の新しい写真集を編集する:東京09/一日一微発見109
写真と都市は「双子」だ。
写真の発展や変化は、都市性(アーバニティ)とともにある。
だから逆に言えば、写真は都市を映し出す「鏡」だと言ってもいい。
パリやニューヨーク、ベルリンなどを舞台にした写真集の名作は、いくつでもあげられる。
ベレニス・アボットのニューヨークのポスターを僕も一時期部屋に貼っていたのを思い出す。
いや、直接的に都市の景観が写っていなくとも、そこで行われている人の営みと生活、事件、交換なども、広い意味で、その都市の写真と言ってよいだろう。
僕は、70年代に「プロヴォーグ」の中平卓馬や、森山大道や、ロシアアヴァンギルドのロトチェンコなどを知って、インパクトをうけたが、本格的に写真にずっぽりとひたるようになったのは80年代で、資本主義が速度をあげて都市が沸騰する頃からと重なった。
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