見出し画像

ヴィヴィアン・サッセンとシュルレアリスムのアップデート/一日一微発見449

割引あり

2024年の4月、kyotographieにおいて、パリでの展示が、京都新聞社の地下スペースに再構成されたものを見た。初日には、ヴィヴィアン自身が会場を説明してまわるツァーがあり、僕も参加した。コロナ前は毎年、アムステルダムの現代写真のアートフェアUNSEENの時に会っていたから、久しぶりの再会だった。

京都新聞社の地下は、かつてはそこに新聞の巨大な印刷機があった場所だが、今や機械は取り除かれ、闇の中の吹き抜け空間はほとんど廃墟のようだが、数年前からは、コンテンポラリーアートの展示場として活用されている。
その異質な空間に特設された壁には、ヴィヴィアンの初期から現在に至る代表的な写真が、整理され並ぶ。しかしよく見ると、それぞれの壁面は、時系列で並んでるわけではない。つまりはイメージの迷宮。その中には、初めて見る学生時代のモノクロ写真(ナン・ゴールディンや荒木経惟に影響されたと語っていた)もある。
加えて、壁面展示だけでなく、写真集や彼女のノートも公開されていて、どのように彼女の写真が生成するかがつぶさにわかる。顔や体が黒く塗られているサービスサイズの写真や、複写され拡大される前のペインティングされた小さな作品もある。

ここから先は

2,498字

応援よろしくね~