展覧会のキュレーションのこと/一日一微発見280
G/P galleryを恵比寿と東雲で10年やっていたし、篠山さんや蜷川さんの美術館での大規模展も企画・プロデュースしていたので、ずいぶんの数の展覧会をキュレーションしてきた。
もとは90年代に写真集やアートブックの編集の延長で、展覧会をやり出し、資生堂に当時あった「アートスペース」でナン・ゴールディンと荒木経惟の『TOKYO LOVE』などをやったのがはじまりだと思う。
僕は大学の時に専攻していたのが美学科だったので、あたりまえのように「学芸員資格」を修得したが、それを使って仕事をしたことはない。「キュレーション」と学芸員の資格は全く別物だと言える。資格を持っているからといって展覧会が構成できるわけではない。
僕は別に、キュレーションについて勉強したことはなく、見よう見まねで始めたから独学だと言える。いつものように「泳ぎながら泳ぎを覚える」という毛沢東の「実践論」さながらのやり口で生きてきただけだ。
しかし、世界中を旅して大小数多くの展覧会を見ているうちに、さまざまなことが身に付いて来たと思う。
ならば「キュレーション」とは何だろうか?
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