スティーブン・ギル 『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』/目は旅をする050(写真の未来形)
スティーブン・ギル
『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』
(Nobody刊)
2021年秋にスティーブン・ギルは、30年以上に渡る活動を集約した大規模な「回顧展」をアルノルフィニで開催した。
この本は、そのタイミングで発行され、ギルが今までに発表してきた写真集を、ほぼ年代順に収録し直した600ページをこす大著である。
僕が彼の写真集『Buried』をフォトグラファーズギャラリーの売店で見たのが(それは土だらけでビニール袋に入っていたと思う)、2006年頃のことで、そのすぐ後にパリフォトで、本人を偶然紹介され、その場に居合わせた写真家たちといっしょに大勢で、パブに行ったのが最初だった。
『Buried』の写真は、「写真の埋葬」というものだが、土中から掘り起こされて、色や形が変成していて、何やら錬金術的なトランスフォームの産物なところが衝撃だった。
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