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日本の美術をアップデートするということ Ⅱ 奈良春日と杉本博司/一日一微発見360

素適な偶然ほど、よろこびや必然を感じさせてくれるものはない。 奈良で朝起きて、春日大社に行こうと思ったら、杉本さんのところから国宝殿での特別展示の招待状がきていて、その封筒がカバンに入っていたのを思い出した。

年末、忙殺されていたので、すっかり忘れていたのだ。
「杉本博司 春日神霊の御生(みあれ) 御蓋山そして江之浦」というタイトルの「展覧会」だった。

杉本さんが江之浦測候所に春日神社を勧請したという話は、風の噂できいてはいたが不詳であった。だから、何の前知識なしに国宝殿に足をはこんだ。

「特別展 春日若宮式年造替奉祝」とある。
そういえば数年前から春日大神は建替られていたのだった。

国宝殿に入ると入口にパネルがあった。

「神霊は眼には映らない。それはただ気配としてあるのみだ。そしてその気配は時に芸術に秘そむこともある」

杉本博司、自からのコトバである。
そして下に続く解説には、春日大社への崇敬から、令和4年3月27日に江之浦測候所へ「甘橋山春日社」を創建したとのべられている。

また、今和4年10月28日の春日若宮式年造営を奉祝する意図でこの特別展が開催されることになったとも続いていた。

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