PHOTO | BRUT: Collection Bruno Decharme & Compagnie/目は旅をする048(人間の秘密)
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(Flamarion刊)
日本では、無前提的に「アウトサイダーアート」と言うが、はたしてそれでよいのだろうか?
かつて画家のジャン・デュビュッフェが提唱したように「アール・ブリュット」と言うことから再検証すべきだろう。
彼はアートに対して非アートをぶつけることをねらって、コレクションをしたから、必ずしも「ボーダー」を取り外すことを狙ったわけではなかったろう。
しかし、彼の頭の中にあったのは、健常者と障害者のボーダーを超えたところから人類のアートを再定義しようというヴィジョンであったろう。人間が発する想像力は、小さく限定されるべきではない。
キュレーターのハラルド・ゼーマンがアートの「外」(アウトサイド)に置かれていたアドルフ・ヴェルフリらの作品をクンストハレ・ベルンで展示し、さらには1972年開催のドクメンタル5でキュレーションをおこなった時に、「アール・ブリュット」は、コンテンポラリーアートの重要な一分野になった。これは融和ではなく、アートの拡張であり、人間性のラディカルな拡張だ。
2013年の第55回のヴェネツィア・ビエンナーレは、「The Encyclopedic Palace」をテーマにマッシミリアーノ・ジオーニがキュレーションを行ったが、これもアール・ブリュットと現代美術の垣根を取り外したものであり、ゼーマンの考えをさらに進化させたものといえる。
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