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ブランドとアートが見る夢は交わるか?「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展/一日一微発見370

クリスチャン・ディオールは、1905年に生まれ1957年に心臓発作で急死した。自己のブランドをたちあげて活動して11年目で死んだのは、あまりに早い死と言わなければならないだろう。
そして、そのブランドはディオールのもとで修行していた弱冠21才のイヴ・サン=ローランだった。それ以降、綺羅星のごとく、素晴らしいファッションデザイナーがディオールの「暖簾」を守って、発展させてきた。

東京都現代美術館で行われた「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ」展は大人気となった。チケットは早々とソールドアウトし、招待券でなければもはや見ることはかなわないほど。展示室は、熱い視線が充満していた。

ディオールの死から66年たって、グローバルブランドとしてのディオールは大成功をおさめるとともに、その「神話」は、「アート」をフィルターにして、さらに成長をとげているのだ。

レム・コールハースのもとで建築にたずさわっている重松象平(OMAニューヨーク)が会場構成、いや、空間設計を行っており、それは通常の展覧会がをはるかに逸脱かつ増幅した「価値の場所」をうみ出していた。

このディオールの展覧会は、単なるディオールと、彼の後継者によるファッションの展覧会などとは異なる次元のものに仕上がっていた。

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