ギイ•ブルダンの写真展で鈴木正文氏とトークをした/一日一微発見297
僕はギイ•ブルダンのフェティッシュでエロチックな写真が好きだ。はじめて見たのは70年代で、靴のシャルル•ジョールダンの広告だった。
彼はParis Vogueで活躍していたけれど、その正体はなかなか伝わってこない。仕事でのクレジットさえ入れたがらなかったという。
当時、ライバルとも言うべきアメリカのVogueは、辣腕編集者ダイアナ•ヴリーランドとアヴェドンが組んでいて(とてつもない予算を使って)驚くべきイメージをつくり上げていた。
一方でブルダンは、これも名編集長フランシー•クレセントのもとで超強度あるイメージ(ほとんど甘い悪夢)をつくり出していた。
ブルダンは90年代初頭に、62歳で死んだが、同い年のウィリアム・クラインがまだ存命であることや、ペンもアベドンも長生きしたことを考えたら、ブルダンの生涯はあまりにも短い。
ブルダンとは何者だったのか?
ますはマン•レイの弟子であったことは重要だ。ヨーロッパのアートを席巻したシュルレアリズムを、第二次世界大戦後の資本主義の世の中で変成させること。
ブルダンはそれができた写真家だったのである。
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