超現実」や「実験」をアップデートするために/一日一微発見308
東京都美術館で写真展「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が始まったのですぐに観に立ち寄った。
ちょうどヴェニスビエンナーレで、レオノーラ・キャリントンから想を得たセシリア・アレマニがキュレーションする「Milk of Dream」が始まり、シュルレアリズムの再考の時がやってきたと思って、マン・ レイの自伝を読見返していたら、びっくりすることにオークションでマン・ レイの写真作品が16億円で落札される事件(これはマン・ レイ作品の過去最高額での落札記録なのである) が起こった。
ひたひたと、シュルレアリズム・リターンズの潮流が顕在化してきた。
これはどういうことだろうか?
仕掛けられたリバイバルではないにしてもアンドレ・ブルトンの『シュルレアリズム宣言』が起草されて100年が近づいてきたし(2024年に100周年)、予兆も含めどういうことなのかと思っているのだ。
それで写美の「アヴァンガルド」である。
もちろん歴史的な価値(アバンギルド写真のヴィンテージ)はあるし、アヴァンギャルド写真のメッカであった大阪を重視し、名古屋・東京・福岡の作家たち。写真作品をキュレーションした意義ぶかいものがあるにしても、そこにあるのは、「アバンギャルド」や「実験」そして「革命」性を読み取りにくい「古びた過去」(にしか見えない)の展示物であった。
皮肉を言っているのではない。
どうしたことかと、思って考え込んでいるのである。
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