太陽は笑っている/一日一微発見475
引っ越しの時に、自分の本を久しぶりに開いたら、20数年前の同じ日に書いた文章だった。
編集者は、自分名義の本はなかなか出しにくい。でも90年代に、僕は思い切って出し始めた。30代のことだ。先輩には、「10年早い」とイヤミを言われた。
でも時代をクロニクルしたいと思ったのだ。
『1990年のウェイステッドランド』『トランスバランス』『天国 でブルー』『太陽は笑っている』の4冊。最初の「ウェイステッドランド」は、坂本龍一さんがやっていた本本堂(太田出版)。本の帯のコピーは坂本さんが書いてくれた。
あとの3冊はリトルモア。
以下の文書は、4冊目の『太陽は笑っている』の序文。書いたのは2001年10月20日のことだ。文末にそうクレジットされていた。
その時から23年経った同じ日付の日に、その文章を読むのは、小さなミラクルだ。
なんのサインだ?
このころ僕はまだ、美術の仕事の方にシフトしていない頃だ。
まあ、読む直すと「青い」感じがして生っぽいが、基本的に、今も変わってないな、と思う。
たまには、過去への旅。
いや、過去から未来への旅?
元気ですか?
その後どうしてましたか?
僕?
僕はこの4年間、何をしてたかな。
思い出そうとしても、すぐには何があったか思い出せない。ほんとうにわすれっぽくて困ってしまうよ。
あいかわらず、編集の仕事をしていて、人のコトバや気持ちを拾ったり、聞き書きしたり、質問してみたり。とっても時間に追われる毎日さ。それに一つずつ、ていねいに触ろうとするから、速いのか、ゆっくりしてるのか、何か感覚がおかしなことになっている。
気がついたら、ハルマゲドンとか世紀末なんてすぎていた。だからといって、のんびりしてもいなかったし、僕の目には世界はちっとも平和なんかじゃなかったよ。
へんな日々だったな。
感じるってことが一番大切なんだって思っててすごしていた気がする。感応したりね。
そうだ。辻仁成さんとの出会いで「ウェイストランド」という「コトバとオンガクとポエジー」をテーマにした季刊誌を2年間やった。今は休刊だけど、またやるかもしんないな。
坂本龍一さんのオペラ「LIFE」の仕事をいっしょにやらせてもらった。そしてそれがきっかけで code というユニット(コミューンかな)もつくった。
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