アリソン・M.ジンジャラス『ギイ・ブルダン』/目は旅をする014(ファッション)
アリソン・M.ジンジャラス『ギイ・ブルダン』
ファイドン刊
ギイ・ブルダンは1991年に故郷のパリで、ガンのために亡くなった。
まだ62歳だった。ライバルのヘルムート・ニュートンが21世紀まで生きて、80歳で駐車場での事故で昇天したことを思えば、なんと静かな死か。
ギイの写真を初めて見たのは、70年代のことで、彼がシャルル・ジョルダンの広告で一世風靡していたころだ。靴を履いたマネキンの切り取られた足だけが歩いていたり、倒れた裸の女の傍に靴が揃えられていたり、それらを一言で言うなら、悪夢であった。
広告のアートディレクションでも、ファインアートでもないこの奇妙なイメージ生成を、ファッションや広告という消費の夢の中で、自在に花開かせている魔術師の正体は何か。
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