
JH Engström『Revoir』目は旅をする/094(人間の秘密)
JH Engström『Revoir』
(Akio Nagasawa Publishing / Journal刊)
Tout Va Bien とは、フランス語で「大丈夫!」というコトバだ。これはスウェーデンの写真家JH・エングストロームの写真集のタイトルでもあるのだが、実に彼にふさわしいといつも思っている。
あの大柄でタフだが、ナーヴァスな容貌。
そしていつも、愛嬌と不敵さが入り混じりあった微笑み。
そう、万事Tout Va Bienという彼の声が聞こえてくる。
彼の師匠は、名匠アンデルス・ピーターセンだ。そしてピーターセンの師匠は、クリステル・ストロムホルムである。
僕は2006年の時に、エングストロームの1997年に出した最初の写真集『Shelter』を買った。そして同時に『IN MEMORY OF HIMSELF』というStidel社から出た、ストロムホルムの弟子たちが、愛すべきこの写真の怪人を撮影したしたアンソロジー写真集も手に入れた。
愛と矛盾、それを乗り越える過剰なまでのエネルギーの写真の血脈が、はっきりあるのだと衝撃をうけたのだ。
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