「出戻り転職」という選択をした男の末路
こんにちは、一宮です。
みなさんは「出戻り転職」と言う言葉を聞いたことがありますか?
出戻り転職とは、一度辞めた会社に再び戻って働くという、ちょっと珍しい働き方ことです。
現在私は、この「出戻り転職」をして働いています。
私自身、出戻り転職に対し、「情けない」「恥ずかしい」などのマイナスイメージしかなかったので、まさか自分が出戻りするとは思いもしませんでした。
そんな不安を抱えたまま、出戻り転職という選択をしました。
このnoteでは、出戻りに至った経緯、出戻り後の待遇や人間関係などについて語っていきます。
一度辞めた会社に戻る「出戻り転職」にはネガティブな印象がつきものです。
しかし出戻りを選んだことで、学んだこともあります。
そのリアルな感想を赤裸々にお伝えします。
同じような悩みを持つ方の参考になれば嬉しいです。
そもそも、なぜ退職したのか?
そもそも、一度退職した理由は、「他に挑戦してみたいことができた」からです。
というのは表向きの理由で、本当の理由は
「会社の将来性に不安」
「なかなか昇給しない」
「人間関係で悩みたくない」
というのが本音です。
私には一応夢がありまして、会社に依存せずに自分の能力だけで、個人で稼いで生きてみたいと言う野望があります。
特に人間関係で悩みたくないと言う気持ちが強く、「人間関係で悩まないためには1人で働くしかないよな?」と思って、そんな夢を持ちました。
そのために、手に職をつけて、数年会社で修行して、それから個人で頑張って行きたいという目標を掲げました。
当時は、在宅でパソコンを使って、何かデザインする仕事がしたいと思い、家で仕事ができるWebデザイナーなんかいいんじゃないの?と思って、半年間独学で勉強。
その後、独学した後に、スクールに半年通ってスキルの身につけ、そのスクールの紹介でWebデザイナーとして無事に転職することができました。
目標通りにとんとん拍子に進み、「これで数年頑張れば晴れて夢のフリーランスだ!」と、合否の電話を切った後、舞い上がったことを思い出します。
表向きは「挑戦したいことがある」という理由で退職したため、従業員の人たちには「頑張ってこい!」という形で送り出してもらい、円満に退職することができました。
一切会社の不満を言うことなく、ポジティブな理由で退職できたのです。
Webデザイナーとして就職!そして20日で退職!
予定通り、Webデザイナーとして就職し、「これで将来安泰だ!」と思ったのも束の間、転職できた会社は20日で退職しました。
辞めた理由は、やはり人間関係でした。
質問すると呆れたようにタメ息する上司
挨拶しても無視する管理職
部下を大声で叱責する他部署のおじさん
自分は、このような環境がとても辛いものがありました。
どんな仕事をするかより、誰と働くかを重視する性格のため、人間関係がダメだと一気に仕事をする気がなくなったのです。
特に、部下を大声で叱責している他部署のおじさんを見て、私は驚いていたのですが、他の人は当たり前の日常のように澄ました顔で仕事を進めていました。
誰もフォローするわけでもなく、「こっちに火の粉が飛んでこないように」と思いながら、ただ時間が過ぎるのを待つように、パソコンを眺めているだけなのです。
別に私は、よくできた人間ではないです。
でもちょっと偉そうに言いますが、「こんな人たちのようになりたくなはい」と思ったことが、辞めると決意した大きな理由です。
それに、人間関係が悪いこともあったかもしれませんが、Webデザイナーの仕事自体も楽しいと感じませんでした。
せっかく1年くらい勉強して、スクール費用は50万円もかかりましたが、退職してからは一切Webデザイナーに関することはしていません。
高い勉強代でしたが、私にそこまでの情熱はなかったんだなと諦められました。
一応在職中に次の仕事を決めたいと考え、昼休みにハロワに通ったり、休日に求人票をチェックしたりと、転職活動を進めていました。
しかし、なかなか良いところが見つからず、早く退職したいのに、退職できない日々に焦っていました。
そんな時に、たまたま前の会社の人からLINEが来たことで、出戻り転職するキッカケとなりました。
出戻り転職を選んだ理由はこの3つ
前の従業員の人からは、「もう慣れた?」などと、私を気遣うLINEでした。
「すでに辞めたいです!」と言ってしまうと、せっかく送り出してくれたことに申し訳ないと感じたため、「ぼちぼちですね〜」という返信をしました。
そこからは、なんてことのない世間話のようなやりとりを繰り返しました。
連絡を交わすうちに、「前の会社の人はなんて良い人なんだろう」と思うように。
質問したらタメ息する上司や、挨拶を無視する管理職と比べて、「なんて良い人なんだろうか!」と考えるようになり、前の会社のことを思い出す日々が増えてきました。
数日やり取りするうちに、前の会社の近況も知れるようになりました。
というのも、私が辞めてから応募すらなく、人手が足りなくて困っているというもの。
このまま人が入社しないと辛いな〜、という内容でした。
私はすぐにでも「戻りたいです」と言いたい気持ちはありましたが、「さすがにまだ転職して2週間だしなぁ」という思いと、「でも今の会社も早く辞めたいしなぁ」という2つの理由で揺れていました。
今となってはダサいですが、少し冗談っぽく、「もし人足りないなら戻りましょうか〜!?」という、あくまで洒落っぽく言っているだけですよーと言う感じを出しながら、でも本当は緊張して、指が震えながらラインを打ちました。
すると、「ほんと!?すごく助かる!」という返信が来て、「え!?本当にいいの!?」と驚きました。
そこから話が進み、従業員の人が社長に確認をとってOKをもらい、あとは私の気持ち次第ということになりました。
出戻りの許可が降りて、本当に嬉しかったったですが、すぐに決められない自分がいました。
悩んだ理由は、以下の3つです。
出戻りすることで給与や待遇が悪くなるんじゃないか
出戻りすることで他の従業員との関係が悪化するんじゃないか
せっかく入社できたWebデザイナーを諦めて良いのか
ものすごく悩んだ結果、出戻りすることを決意。
戻りたいと伝えると、話はスムーズに進み、従業員の人たちや社長に謝罪も含めた挨拶をし、書類を書いて、無事出戻り転職は成功しました。
長くなりましたが、出戻り転職を選んだ理由は、以下の3つです。
早く今の会社から解放されたい
他に働きたいと思える会社がない
前の会社がいかに良かったか改めて感じられた
特に大きな理由は、3つ目の内容です。
人間関係が悪い会社で働いてみたことで、前の人たちの良さを改めて理解し、「この会社以上に人間関係が良いところはないな」と思えました。
実際、これまで2回ほど転職の経験がありますが、そのどの職場よりも、人間関係はよく、過ごしやすい会社でした。
「失ってはじめて気付く」とはよく言いますが、実際にそれを体験して、そしてまた得ることができて、感謝できているのは、非常に貴重な経験だと感じます。
出戻り後の人間関係は予想外のものでした
無事出戻り転職が決まり、いざ出勤日。
出戻りが決まってから入社するまで、1ヶ月の期間がありましたが、決まってからはずっとそわそわしていました。
悪口を言われているんじゃないか
無視されるんじゃないか
あたりが強くなるんじゃないか
などなど、妄想を抱えながら毎日過ごしていました。
どんな待遇でも頑張ると決めたのに、全然落ち着くことができません。
そんな不安を抱えての当日。
私の考えは、すべて被害妄想でした。
「戻ってきてくれて助かる!」
「やっぱりおらんといけんな!」
「良いところ見つかったらまた辞めていいから!」
などと、温かい言葉をかけてもらいました。
「なんて良い人たちなんだろう」「恩返ししなきゃ」と、出戻りする前よりも絆が深まった感じがします。
そこでより、「出戻りという選択をして正解だった」と再確認できました。
出戻り後の給与や待遇は〇〇と同じ!
人間関係の次に不安であった、給与や待遇については、以前と全く同じでスタートしてもらえることになりました。
入社当時の給与に戻るだろうと想像していましたが、これには感謝しかありません。
生活水準を落とすことなく、これまで通りに過ごすことができています。
給与や待遇が変わらなかった理由は、以下の3つがあると考えます。
人手不足
仕事ができていた
ポジティブな退職理由
もし新入社員が入っていたのならば、私が入社できる枠はなかったと思うので、そういった意味で早くWebデザイナーを退職したのは良かったのかなと思います。
また、ある程度人に頼らなくても、自分だけで仕事ができていたので、手間がかからないと言った点でも、仕事がこなせていた人は歓迎されやすいと感じました。
そして、一切会社の愚痴を言わなかったことも、出戻りが受け入れられた大きな理由だと思います。
給与が低い、将来性がなくて不安、と言って退職していたら、戻ってもまたすぐ辞めると思われるんで、歓迎されないと感じます。
何より、ポジティブな理由で退職したことが、イメージを落とすことなく、スムーズに出戻りできた理由だと思います。
出戻り後から5年経過した今の心境
早いもので、出戻りしてから5年が経過しました。
出戻りする前は4年勤めていたので、合計9年間も出戻りした会社でお世話になっています。
こんなに長く働けているのも、やはり人間関係が良いからだと思っています。
では、出戻りから5年経過して今の心境はどうなのか。
正直な心境を語っていきます。
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