業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化 (Ⅲ .アプリケーション開発)
業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化( Ⅲ .アプリケーション開発)
Standardization of the software development management、infrastructure construction management、and operation management of business application systems. (Ⅲ.Application software development)
鈴木一明
Suzuki Kazuaki
1.はじめに
アプリケーションソフトウェアの開発における現状の問題点・課題については、第I編の概要で述べているようにサーバの普及に伴う開発部署の分散、安値で請負うITベンダーの台頭に伴う開発品質の低下、入札のための公正性、透明性の確保等が問題視されている。これらの問題を解決するうえでも標準化されたアプリケーション開発が求められている。大手ITベンダーにおいては、すでに開発標準を保有しているため、開発品質に問題ないが、開発標準を持たないITベンダーの開発品質には問題のある 事例が見受けられる。開発品質を担保するために参考となる開発標準について解説する。
ソフトウェア開発の各フェーズで、ソフトウェアの開発者が品質を確保するために実施するべき項目を明確にして、ソフトウェアの品質向上や納期遵守に寄与することが重要である。
今回は、ソフトウェアを開発(JavaによるWebアプリケーションシステム開発が主な対象)する場合のプロジェクト計画及び企画、基本設計、詳細設計、製造、テストフェーズについて解説する。なお、ソフトウェア開発と非常に関連のあるインフラストラクチャの基盤構築やOSやミドルソフトウェア等のソフトウェア基盤、運用・保守基盤のフェーズについては、第Ⅳ編以降で解説する。
ソフトウェア開発における要件定義及びソフトウェア開発で作成すべき成果物、テスト、レビューの実施方法、命名規則、文書・記録の管理、構成管理、品質管理と指標について解説する。プロジェクトの開発規模による管理レベルやプロジェクトの分担、責任範囲や開発計画を明確にするためのプロジェクト計画についても解説する。アプリケーション開発において、計画・企画フェーズにおいて発注者が作成した発注仕様書と要件 定義書を基にITベンダーの選定が行われ、選定後 の後工程について解説する。
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業務システムのアプリケーション開発、システム導入、運用管理等を行っているIT関連の人材が基本的な知識、手法を理解するための解説である。 更…
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